オフグリッド太陽光発電装置は、実使用可能?!

地球温暖化の問題や、大きな台風や地震の被害による停電などがあり、個人でもエネルギー問題を考えることが大切になっています。太陽光発電を調べてみると、個人向け(売電ではない)にオフグリッドの太陽光発電の装置やキットなどが結構売られています。

低価格をうたっているものも多いです。今回は、どの程度実用的なものか検討してみました。 良いものであれば、緊急事態用やセルフビルドした山小屋に着けたいと考えています。

Solar power

コンテンツ
・オフグリッドの太陽光発電の概要  
・最小の太陽光システムの発電量
・災害時に必要な電力量は?  
・市販の装置の仕様 
・まとめ

オフグリッドの太陽光発電の概要

太陽光発電のブロック図

太陽光の発電システムは意外とシンプルな構成です。主に4つのブロックから構成されています。ポイントを押さえられれば自作も可能そうです。

ブロック図の中のロス1~3の位置でロス(損失)が発生し、効率が落ちます。

太陽光パネル:太陽の光のエネルギーを電気に変換します。 一般的なソーラパネルの寿命は、使用条件にもよりますが20年から30年です。 

充電コントローラ :太陽光パネルからバッテリーへの充電を、安全かつ効率的に行います。 コントローラには、PWM方式とMPPT方式があります。MPPT方式のコントローラの方が値段は高いのですが、ロスが少なく効率が良いのでおすすめです。

バッテリー: 太陽光パネルで作り出した電気を、バッテリーに充電します。 鉛電池式のディープサイクルバッテリー(密閉式)が最も一般的です。

DC/ACインバーター:バッテリーに蓄電された直流(DC)電圧を家庭用の交流(AC)100Vに変換します。

 

最小の太陽光システムの発電量

市販されている太陽光発電のシステムが、実使用可能か発電量の計算をしてみます。

システムは、パネルの出力100W、最大出量動作電流 5.4(A)、最大出力動作電圧18.5(V)のものを、バッテリーは12V系を使用したとします。5万円以下のシステムはこんな感じです。これでどれ位の発電ができるのでしょうか?

太陽光パネルの発電電流量

ロスがなければ発電電流量は、5.4A × 3.5時間 ⇒ 18.9(Ah/day)です。  *平均日照時間に3.5時間を使用しています。

ロスの発生

ロス①:パネルの汚れ、経年劣化、気象変動です。 仮に10%のロスと考えます。

ロス②:コントローラを通しバッテリーに蓄電する際のロスです。パネルの最大動作電圧18.5Vを12V用のバッテリーに蓄電する時にロスが発生します。安価なシステムはPWM方式が使用されまますが、ロスの量も大きく30%程度です。

ロス③:バッテリーに蓄えられたこの電力を使用するには、DC/ACコンバーターで100V(AC)を使用しますが、ここでもロスが発生します。 変換効率は、実質的には80%程度のようです。 

選ぶ機器や環境に影響されますが、これらのロスのため、実際にバッテリーには、 
18.9(Ah/day) × 90% × 70% × 80% ⇒ 約11(Ah/day)

消費電力量に換算すると、一日当たりの消費電力量は
11(Ah/day) × 100V(AC) ⇒ 110Wh/day

40Wの白熱電球と40W相当の明るさのLEDで考えてみます。白熱電球40W相当のLEDの消費電力は5Wです。この太陽光発電システムで発電した110Wh/day で光らせると

白熱電球 ⇒ 110Wh / 40W ⇒ 2.75時間です。
LED照明 ⇒ 110Wh / 5W ⇒ 22時間光らすことができます。

LEDの省エネ効果はすごいですね!

災害時に必要な電力量は?

今度は、災害時に必要な電力量を調べてみます。オフグリッドの太陽光発電システムを考える場合は、1日にどれ位の電力量が蓄電されるか、もしくは使用されるかで考えると分かりやすいです。

毎日の蓄電量が毎日の電気使用量より大きくなれば、システムとしてなりたちます。 この電気の蓄電量や使用量はWh(ワットアワー)で表わします。
 
Whは、(定格消費電力)× (使用時間)で計算されます。 一般的に電化製品に書かれている定格消費電力は、1時間使用したときに使う電気の量を表わしています。これらから災害時に必要な電力量を計算してみました。

災害時に必要な電気機器を抽出して、その定格消費電力より1日の使用電力量を計算します。災害時でも少し欲張って照明、TV、スマホの充電、パソコン、冷蔵庫まで入れて計算してみました。

照明

まずは照明です。夜明るければ、気持ちも前向きになれます。 自宅のリビングについている12畳用のNECのLED照明HLDZ12です。全灯時の定格電力は41Wです。この照明は調光可能で通常70%の明るさで使用しています。

41W × 0.7 ⇒ 約30W 、6時間照明を使用したと考えると、30W × 6時間 ⇒ 180Whの電力量です。

TV

TVが観られれば、情報も取れるし、心もなごみます。 うちのリビングないあるSHARPのLC-32D30は、古いタイプです。消費電力は144Wもあります。最近の機種では同じ32型でも70W以下に抑えられています。 今回は、こちらで計算してみます。
6時間視聴すると  70W × 6時間 ⇒ 420Whの電力量です。

 

スマホ

スマホの充電に必要な電力量はWeb上で数字が拾えますが、値にバラつきがあります。ここでは7Wh/台で計算します。 2日に一度充電すると想定すると1日当たりは3.5Wh/台 ⇒ 我が家は3台ありますので
3.5Wh × 3台 ⇒ 10.5Wh の電力量です。

 

 

パソコン

我が家はパソコンのヘビーユーザーです。消費電力は20~30Wです。今回は25Wを入れました。 家での仕事も想定して8時間使用で計算しました。
25 × 1台 × 6時間 ⇒ 150Wh の電力量です。

 

冷蔵庫

冷蔵庫が使用できれば生活が確保できます。消費電力は大きいですが、確保したいですね。 我が家の冷蔵庫は古いタイプです。定格消費電力は46Kw/月です。これを1日当たりに換算すると、1500Wh/dayです。

2019年製品の400L台の冷蔵庫 (3〜4人のファミリー向け)の消費電力は250kwh/年でかなり省エネが進んでいます。これを1日当たりに換算すると、約700Wh/dayで半分程度です。今回は、こちらを計算上採用します。

これらをまとめて表にしてみました。

  定格 台数 使用時間(h) 消費電力量(Wh)
照明 30W 1 6 180Wh
TV 70W 1 6 420Wh
スマホ充電 3 11Wh 
パソコン 25W 1 6 150Wh
冷蔵庫 1 24 700Wh
      合計 1,461Wh

やはり、冷蔵庫やTVは消費電力量が大きいですね。

少し古いデータですが、2015年の3人世帯の月平均の電力消費量は370kWh(1日当たりは、12kWh)です。2018年の我が家の月平均の電力消費電力量306Kw(1日当たりは、10.2kWh )です。

今回の試算では、災害時には、通常の約1/7の電力量にしています。ところが市販されている5万円以下の太陽光発電システムでは、110Wh/dayの発電量なので、

災害時の必要電力量 1,461Whの1/13以下しか賄えない計算になります。

 

まとめ

市販されている太陽光発電システム100Wパネルのシステムは、約110Whの発電量です。
災害時などの緊急時に、照明、TV、パソコン、スマホ、冷蔵庫を使用するとすると、省エネタイプを選んだとしても約1500Whです。

必要電流量の約1/13程度しか発電できない計算になります。

発電システムの費用を10万円まで増やしてみると、300Wパネルを使用したシステムがあります。これを使用すると450Wh程度の発電量を期待することができます。

また必要電力量側では、冷蔵庫を諦めれば、一気に半分程度の700Whになります

これならば、必要量の65%程度をカバーすることができます。これならばかなり実使用に近づいてきますね。

でも更なる発電量増加の工夫と使用電気量の減少の検討が必要ですね。

 

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