ロストワールドは手塚治虫の初期の作品です。
画もストリーもまだまだ粗削りですが、その原型をみることができます。
ロストワールドは執筆時期の異なる複数の版が存在します。
我が家には、不二書房版の復刻版の桃源社の本があります。
読み返してみると、ひげおやじやアセチレン・ランプなどのお馴染みのキャラクターが
既に活躍しているのに驚かされます!
手塚治虫は、「ロストワールド」を5回にわたり執筆したと言っています。
そして、そのうち4つが公表されています。
それほど、手塚治虫自体にも思い入れのある作品だったようです。
5つの版は、私家版、私家版改訂版、関西輿論新聞版、不二書房版、冒険王版です。
通常手塚治虫の「ロストワールド」と言った場合、不二書房から1948年に発売された単行本を指すようです。
手塚治虫のオフィシャルサイトの紹介でも、この版が載せられています。
詳細はWikipediaで
我が家の「ロストワールド」は、この不二書房版を復刻した桃源社の本です。
この本は昭和51年に初版が発行されています。
当時、既に色々な手塚漫画を読み、夢中となっていたのですが、
その原点を知りたくて購入した記憶があります。
正直なところ、当時は手塚の他作品に比べて、画やストリーが粗くがっかりしたのを覚えています。
現在再び読み返してみると、手塚治虫の原点を見ることができます。
ここから手塚漫画は大きく花開いていきます!!
手塚漫画に共通して登場するキャラクターがロストワールドにも登場しています。
こんなところにも手塚漫画の原点を感じられます!
敷島健一
少年科学者。動物の脳を人間の脳に作り替え、人間並みの知能を持てるようにする研究をしている。
後にママンゴ星へ冒険旅行に行き・・
ミイチャン
敷島博士の研究で人間の知能を持ったウサギ。ウサギなのにミイチャンとは?
色々と活躍します!
伴俊作(ヒゲオヤジ)
手塚作品で必ず登場するヒゲオヤジです。この頃から主役級の活躍をしています。
今回は探偵役です!
豚藻負児 (ぶたもまける)
豚藻負児は初期の手塚作品の多く登場しています。
この作品でもそうですが、科学者で悪人というキャラクターが多いようです。
アセチレン・ランプ
手塚漫画では、アセチレン・ランプは悪役として登場する場合が多いのですが、
多くは、かなり重厚な役を演じています。
ロストワールドでは新聞記者で賞金を狙ってママンゴ星に向かいます。
あやめともみじ
豚藻負児が生み出した植物人間です。
あやめは敷島とママンゴ星に残ることに・・
ヒゲオヤジミイチャンを助ける
ヒゲオヤジがミイチャンを助けるために、大奮闘します。
ママンゴ星に空気があるか?
ママンゴ星に到着して、空気があるか確認のために火がついた紙を外に投げます?!
ママンゴ星に到着
ママンゴ星に到着して役割分担をします。字が多いのもこの頃の特徴です。
ママンゴ星には恐竜がいっぱい
ママンゴ星は原始の地球のようだった!
そして最後は
敷島とあやめはママンゴ星に残ることに。
最近の若い新人の作品は、画が上手く質の高いものが多くなっています。
手塚治虫のロストワールドは、粗削りです。
でもその中に、その後花を咲かせる種がそこここに見うけられます。
とくに手塚作品のキャラクターの生まれたての姿が見られるには
とても嬉しく感じられます。