セルフビルドのキットのログハウスも建ててから15年がたちます。 もちろん塗装も自分で行いました。再塗装を建ててから3年後と6年後に行いました。
塗料は、最初に塗ったのは、キットを購入した業者に進められて、迷わずキシラデコールを使用しました。 再塗装も同じキシラデコールを使用しました。 暫く間があきましたが、また再塗装をまた考えています。でも本当にキシラデコールでよいのでしょうか? 今回できる範囲で確認することにしました。
・各塗料の特徴
・どの塗料を使うの?
・まとめ
候補塗料の抽出
世の中にはたくさんのログハウス用の塗料があります。どれを選択したらよいかよく分かりません。そこで一次抽出のため、グーグルの検索を利用してみました。
手法はこうです。
キーワード「ログハウス 塗料」で検索を行い、その記事から使われている塗料を抽出します。塗料を抽出する記事は、塗料メーカや販売店、アマゾンや楽天などのネット販売などの記事を除きます。できるだけ塗料のユーザ(ログハウスメーカー、工務店、個人のビルダーなど)のHPやブログで使用されている塗料の種類を抽出し、一番記事の多い塗料が、10記事になったところで、ベスト5を選び比較をすることにしました。
検索の結果
結果は、キシラデコールを10記事確認したところで、同じくキシラデコールのコンゾラン、オスモカラーのウッドステインプロテクター、シッケンズ、ノンロットがそれぞれ5件の記事がありました。他にも優秀そうな塗料がありましたので名前だけ記載します。
名称 | 検索記事数 |
キシラデコール | 10 |
キシラデコール コンゾラン | 5 |
ウッドステインプロテクター | 5 |
シッケンズ | 5 |
ノンロット | 5 |
柿渋 | 3 |
サドリン クラシック | 3 |
ティックリラ | 3 |
ニューボンデンDX | 2 |
バトン | 1 |
タヤエクステリア | 1 |
ブライワックス | 1 |
プラネットカラー | 1 |
蜜蝋ワックス | 1 |
分かりにくかったのは、メーカー名なのか、製品名なのか、型名なのかわかりずらい記事が多く困りました。まずは記事数が5以上の5つの塗料について調べることにしました。
各塗料の特徴
記載の情報は各メーカーや代理店のHPから読みとれる内容をもとに記載しています。記載もれ、抜けなどがある可能性がありますが、ご容赦ください。
性能
名称 | タイプ | 油/水 | 耐UV | 撥水 | 防腐 | 防カビ | 防虫 | 耐候 | 通気 |
キシラデコール | 浸透 | 油 | ー | ー | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 |
キシラデコールコンゾラン | 造膜 | 水 | ー | ー | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 | 〇 |
ウッドステインプロテクター | 浸透 | 油 | ー | ー | ◎ | ◎ | ー | ◎ | 〇 |
シッケンズ | 浸透 | 油 | ー | ー | 〇 | 〇 | ー | ー | ー |
ノンロット | 浸透 | 油 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 |
◎:記載あり データ付き 〇:記載あり データなし -:記載なし(含確認できず)
安全性
名称 | SDS | 急性毒性 | 変異原性 | 皮膚刺激性 | ホルムアルデヒド |
キシラデコール | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ー |
キシラデコールコンゾラン | ◎ | ー | ー | ー | ー |
ウッドステインプロテクター | ◎ | ー | ー | ー | ◎ |
シッケンズ | ー | ー | ー | ー | ー |
ノンロット | ー | ◎ | ー | ー | ◎ |
SDS:安全データシート(Safety Data Sheet)は、有害性のおそれがある化学物質を含む製品を他の事業者に譲渡または、提供する際に、対象化学物質等の性状や取この3つの試験は化学物質の安全性を実施するときによく行われます。り扱いに関する情報を提供するための文書です。
化学物質の安全性を実施するときによく行われる3つの試験。
・急性毒性:動物実験(ラット)による各種急性毒性試験
・変異原性試験:細菌を用いたAMES試験において変異原性(発がん性)がないことを確認しています。
・ヒト皮膚刺激性試験:人の上腕部内側に貼り付けるパッチテスト
どの塗料を使うの?
調べた結果を補足しながのコメントです。
キシラデコール:
発売以来45年以上の実績がありスタンダードの塗料になっています。HPも充実しており、各特性や安全性のデータが十分に揃っています。耐UV性と撥水性についてのデータは確認できませんが、耐UV性は耐候性ににているのでこのデータでOKの気もします。ただ撥水については、使用して感じるのはノンロットのはじく感じないような気がします。
キシラデコール コンゾラン:
表面に膜を作るため木目が出ない仕上がりになります。コンゾランはHP上には、キシラデコールほど情報がのっていません。特に安全上のデータがキシラデコールはあるのに、コンゾランは無いのが(急性毒性、変異原性、皮膚刺激性)少し気になります。
ウッドステインプロテクター:
比較的HP上に情報に記載がありますが、キシラデコールやノンロットに比較するとやや少ないようです。特に安全性についての記載が不足しているように感じます。SDSが見れるようになっていますが、自分でみて判断するの難しい部分もあります。SDSで安全性を確認すると、急性毒性や変異原性の記載がないので問題ない(もしくは調べてない)ようです。皮膚刺激性については長時間の接触で皮膚炎を起すの記載があります。
ノンロット:
性能面の記載やデータは充実しているが、安全面がやや弱い感じがあります。使用薬剤の安全性データの記載があるのですが、分かりにくいです。データに対するコメントがないのでどのような評価か分からないのです。またSDSも見ることができないので心配です。
シッケンズ:
シッケンズは、製造元:アクゾノーベル社(オランダ)ですが、日本では、トーヨーマテリアが日本総代理店/総発売元になっています。
シッケンズのHPもトーヨーマテリアのシッケンズの特設HPも2019年10月時点では、グーグルでHPを開こうとするとアクセスができない状態です。情報がとれないので販売店の情報を少し記載しました。評価するには論外です。
どの塗料を使うの?の問いには、現状ではキシラデコールでしょうか。実績は申し分なく、取り扱いもし易いです。現在8年以上再塗装していませんが、一部剥げてきている部分があるものの特に傷んでいるところもない状態です。
まとめ
新規で選択するのであれば、キシラデコールは歴史が長くもっと良いものが作られていると思います。今回調べて気になったのは、実際の実力はともかく塗料は化学物質なのに、性能や安全性のデータが意外と充実していないのです。その点でもキシリデコールはしっかりと評価されているように感じました。
塗料を選ぶときは、性能と安全性と実績を評価して選択しましょう。