火の鳥の最初の連載は1954年とのことです。その後手塚治虫氏が亡くなるまで描かれました。
人間の本質や命などを題材にしています。でも漫画としても純粋に楽しめます。テーマは重い感じもありますが、個人的にはストリーを楽しむ読み方がおすすめです。
ストリーの面白さから、火の鳥の映画をつくれば、何本も面白いものが作れそうです!
手塚治虫の火の鳥との出会いは中学生の時です。この漫画に出会って歴史好きになったことを覚えています。
高校に入ってから、好きだった歴史の先生に漫画で歴史が好きになったと話すと、漫画は漫画と言われました。
当時は先生の言うことは正しいと考えていました。
でもこの一言で考え方を変えました・・
火の鳥を読んで、歴史を好きになった事実や面白と感じた事実を否定することはできないのです。
火の鳥の構成
火の鳥の各編は別々の話です。 しかし全体では最も過去の「黎明編」、最も未来の「未来編」から始まって現代へと近づいていく構成になっています。
最初の連載は、1954年(昭和29年)、学童社の『漫画少年』の「黎明編」です。
その後1956年に雑誌『少女クラブ』に「エジプト編」「ギリシャ編」「ローマ編」が連載されました。
1967年には、雑誌 『COM』 に、「黎明編」が連載され、さらに「未来編」「ヤマト編」「宇宙編」「鳳凰編」「復活編」「羽衣編」「望郷編」「乱世編」が連載されました。
その後更に、雑誌『マンガ少年』で改めて「望郷編」「乱世編」が連載され、さらに「生命編」「異形編」も連載されます。
そして1986年に『野性時代』で「太陽編」が連載されました。
ウィキペディアを参照しました。
我が家に現在ある火の鳥の本は、2種類です。
月間マンガ少年の別冊の大判の漫画5冊と角川文庫の火の鳥5冊です。
月間マンガ少年の別冊(全12巻)
火の鳥1 黎明編
火の鳥2 未来編
火の鳥3 ヤマト編・宇宙編
火の鳥4 鳳凰編
火の鳥5 復活編
角川文庫(全13巻)
火の鳥7 乱世編(上)
火の鳥8 乱世編(下)
火の鳥10 太陽編(上)
火の鳥11 太陽編(中)
火の鳥12 太陽編(下)
個人的におすすめなのは、初期の作品です。
個々の作品は別々のストリーですが、大きな流れは継続しています。初期の作品を読んでから、後の作品を読んだ方が流れが理解でき面白くなります。
黎明編は、1954年に学童社の漫画少年に連載されたものと、COMに連載された黎明編ではストリーが異なります。
我が家にあるのはCOMのものです。
黎明編は3世紀頃の日本を想定したストリーです。近隣の国を亡ぼして隆盛を誇ったヤマタイ国がヒミコの病とともに衰えてくるようすを、火の鳥を絡めて描いています。
猿田彦は、多くのストリーに登場する共通の特徴を持つ人物です。黎明編では猿田彦、未来編では猿田博士、鳳凰編では我王として登場します。
この時は鼻はまだ小さいのですが、この後蜂に刺され大きくなります。ヤマタイ国のヒミコに使える猿田彦です。
ヤマタイ国に滅ぼされたヨマ国の弓彦が火の鳥を仕留めます。
高天原族にヤマタイ国は滅ぼされます。猿田彦も殺されます。
ヒミコは、火の鳥の血を飲む前に死んでしまいます。
西暦3404年から始まるストリーです。地球は衰退して5つの地下都市に集まって住んでいます。各都市はそれぞれの電子頭脳管理していたが、電子像脳同士が戦争を始めてしまう・・というストリーです。
猿田博士は、5つの地下都市以外の地上のドームで生き物復活の研究をしています。
5つの電子頭脳が戦争を始め爆発し消滅してしまいました。
火の鳥が山之内を不死にして、地球復活を託します。
なんとそれから、30億年後再び、山之内は火の鳥に会います。
鳳凰編は私が初めに読んだ火の鳥です。これで歴史に興味を持つようになりました。
奈良時代の因縁深い仏師の茜丸と我王が東大寺の鬼瓦創作で競うストリーです。
我王は殺戮と強奪を繰り返していたが・・
あるとき、茜丸と我王出会います。我王は仏師の茜丸の利き手を使えないようにしてしまいます。
我王は仏像をつくる才能を開花させます。
誰がみても、我王の鬼瓦がすばらしいが・・
月並みですが、火の鳥は現在読んでも、そのストリーは斬新なものです。
多くの漫画家や読者が影響を受けて、その後の漫画文化を築いています。
でも残念ながら、時間とともに火の鳥の存在時代も希薄になっているのではないでしょうか。
少しでもその存在に気がついて貰えたらと思います。