ベンチプレスのサイクルトレーニングは、トレーニング方法でポピュラーです。
特に、パワーリフターなど複数の種目を行う人にとっては有効な手段です。
サイクルトレーニングは5~8週で組まれることが多く、
MAXチャレンジ機会が少ないというデメリットもあります。
今回紹介するショートサイクルトレーニングは、
このMAXチャレンジを機会を増やすことを目的にしたものです。
サイクルトレーニングは毎回(毎週)少しずつ重量をアップしていき、
最終週に目標のセット重量を更新を目指す方法です。
◆サイクルトレーニングのメリット
・ピークがつくれる
・トレーニングにメリハリがつけれる
サイクルトレーニングでは、少しずつ重量を上げることでピークをつくっていきます。
ピークをつくることでMAX更新の可能性が高くなります。
また毎回、負荷の高い重量やセット数、レップ数を行う必要はないので
トレーニングにメリハリをつけることができます。
多くの種目を行っている人や仕事が忙しい人にとっては、
このメリハリがつけれるということは大きなメリットになっています。
◆サイクルトレーニングのデメリット
・MAXチャレンジの回数が少ない
・一度始めると一定期間継続する必要がある
・重量変更のフレキシビリティが少ない
サイクルトレーニングはセットの重量を上げていくのが通常のやり方です。
セット重量の更新を目標にするとことが多く、MAXはその結果となります。
このため、MAXにチャレンジするチャンスが減る傾向があります。
事前に決めたサイクルで目標重量を達成させるために
毎回行うセット重量を決めて一定期間(5~8週)継続させる必要があります。
やり方によっては、予備週や休息週を設けると更に期間が伸びます。
また、事前に決めた重量をこなしていくので調子が悪い、
予定が入ったなどでの変更を極力減らす必要があります。
ショートサイクルトレーニングは、効率よくMAXを更新するのが目的です。
このためMAXチャレンジや高重量を扱うタイミングを増やしています。
◆ショートサイクルトレーニングのやり方
・最初にその日のMAXを行う
・サイクルトレーニングの期間は1ヶ月以下で組む
・1サイクルの最後にMAXチャレンジを行う
トレーニングの最初にその日のMAXを行うことで、神経系の発達を促します。
1サイクルを短くすると、よりメリハリがつくと同時に、
MAXチャレンジの頻度をあげることができます。
◆1サイクルを短くするポイント
・セットの重量の変化幅は小さめで行う
・セット重量が軽いときは1週間の中でもセット重量を変える
・最初から予備週、休息週を設けない
サイクルトレーニングで120kgを挙げた実際のトレーニングの実績を
期間の違う2つのサイクルトレーニングで紹介します。
何が通常か決まりはありませんが、ここでは「ノーリミッツ式サイクルトレーニング」を参考にしています。
通常の長さのサイクルトレーニングの具体的な内容を表にしました。
その日のMAX | メインセット | メモリーセット | |
1週目 | なし | 85kg×8×2 | 90㎏×6、95㎏×6 |
2週目 | なし | 90㎏×8×2 | 95㎏×6、100㎏×4 |
3週目 | なし | 95㎏×8、95㎏×7 | 90㎏×7、90㎏×6 |
4週目 | なし | 95㎏×8×2 | 100㎏×5×2 |
5週目 | なし | 100㎏×7、100㎏×4 | 90㎏×8、90㎏×7 |
6週目 | なし | 100kg×8、100㎏×7 | 105㎏×3×2 |
7週目 | 120㎏ | 100㎏×7、100㎏×5 | |
8週目 | 休養 |
結果、1サイクルは8週かかっています。
7週目がMAXチャレンジです。
元々の計画は、85kgから100kgまで4週の予定でしたが、95kgと100kgで予備週を使っています。
その日のMAX | メインセット | メモリーセット | |
1週目(中) | 110㎏ | 90㎏×8×2 | 92.5㎏×5×2 |
2週目 | 115㎏ | 92.5㎏×8×2 | 95㎏×5×2 |
3週目 | 115㎏ | 95㎏×8×2 | 97.5㎏×5×2 |
4週目 | 120㎏ | 97.5㎏×7 | 100㎏×5 |
この時は、順調に各週の目標達成して3週半で完了しました。
1週目(中)は、週の中の木曜日に行っています。
4週目がMAXチャレンジです。
セット重量幅の変化は小さく、90から95kgで5kgの変化です。
それでも120kgを挙げることができています。
その理由は、その日のMAXで115kgを挙げていることと考えられます。
ショートサイクルトレーニングは、4週間で半分の期間です。
ショートサイクルトレーニングの目的は、MAXチャレンジを頻繁に行うことです。
期間を半分にしたことで、MAXチャレンジは2倍です。
更にその日もMAXを行うことで、高重量に慣れることができます。
これにより神経系が高まり、MAXチャレンジの成功率が上がります。
ショートサイクルトレーニングの方が、セット重量を頑張りすぎていないので、
疲労がないのもう良い影響がありそうです。
ベンチプレスは達成感もあり楽しい運動です。
より楽しく行うには、メリハリをつけて疲労を残さないようにすることは大切です。
それが可能なショートサイクルトレーニングは、
複数の種目にチャレンジしている人や忙しい人におすすめです。
ショートサイクルトレーニングでは期間が短いので、自分の予定と見比べながら計画を入れることができます。
上手くスケジュールが作れれば、よりメリハリがつけやすく、疲労感も少なく感じます。
実際に土曜日にテニスをやる予定があるときは、軽い重量でセットが組めるように、
調整をしながらサイクルトレーニングの日程を組んでいます。