
2006年頃、中国の大連に頻繁に出張していた頃に、中国人の友人に香炉を貰いました。
一緒に骨董商などを巡った仲で、本物の骨董と言ったいました。
香炉は雰囲気もあり、なかなかのものです。
長い間、部屋の片隅に置かれたままになっていますが、家の建て替えをきっかけに
この香炉の正体を知りたいと思い、再度調べてみました!
中国の大連には会社の工場があり、2000~2015年ぐらいの間には頻繁に中国へ出張していました。
中国人の友人もでき、休みの日に大連の街に何度もいきました。
その中で興味を引いたのは、骨董品を扱っているお店で、5~6階のビル全体が骨董品のお店の集合体になっています。
友人に連れられて、何度かそのビルに行っていたのですが、
あるとき、長い出張が終わり日本に帰るときに、友人からお土産にもらったのが、この香炉です。
本人曰く、これは本物の骨董品だとのことでした。
2006年頃の話ですが、
当時、2007年に中国では新しい文化財保護に関する法律が発行されると言われていました。
その少し前から文化財の国外への持ち出しは厳しくなると聞いていました。
本物の骨董品を購入するには早い方がよいといわれていました。
中国人のいうことなので、本物というのは怪しいと思っていましたが、
帰りの大連の荷物検査で止められ、香炉をチェックされました。
色々と聞かれましたが、中国語なので分からずに、友人に電話をして代わって貰いました。
暫く電話で話していまいしたが、笑って通してくれました。
やっぱり偽物なの・・・?
それから、香炉は我が家の片隅に置かれ、時々思い出したように飾ったりしています。

◆香炉の寸法
高さ(蓋を含む): 32cm
最大幅(持ち手を含む): 25cm
個人で使うには大きすぎるサイズの香炉です。
材質:青銅または銅合金と思われ、緑青(パティナ)が見られることから、ある程度の経年があるか、意図的に古色仕上げされている可能性があります。
少しもろさがあり、それが本物感をかもし出しています。
足の形状:足は円筒型で、よく仏具の香炉にあるような三具足、五具足などとは異なっています。鼓形台と呼ばれているようです。
蓋:蓋の頭には何か獣のような形状があります。

本体の中:蓋をとると中に灰が固まったものがあり、以前香炉して使われていた感じが残っています。

取手:本体側には手持ちがついていて、龍のような形状をしています。

模様:本体、蓋には、雲門や雷門など中国風の文様があります。

蓋の文様です。

本体の文様です。
インターネットで色々と調べてみましたが、ほとんどどんなものか推定できなかったので、
ChatGPTにどんなものか推定してもらいました!
ここからは、ChatGPTの見解です!
結論を先に言うと
これは「古い青銅器タイプを模した、後年製の装飾香炉(観賞用)」の線が最も強い
=清代風レプリカ系
本物の戦国/漢~明前期青銅ではないと見ます。
1. 蓋の摘み(トップ)の鳳凰意匠
→鳳凰が過度に装飾的で、曲線が「後世の誇張審美」
(清末~民国の工房で多いパターン)
2. ハンドル(龍耳)の処理
→龍の造形が平面的で「漢式より明~清風」
かつ、量産型の鋳造バリの処理感に近い
3. 内側の金属酸化色
→典型的な「人工パティナ」の色階調
実使用・香炷使用による黒い膠着が弱い
4. 台座(鼓形台)意匠
→ここは意外に綺麗で、ここだけ妙にデザインが整いすぎ
古銅ならここがもっと不均一に擦れが出る
時代推定
清末~民国期(20世紀前半)
あるいはさらに後の「観光土産工房製」
大連だと、海沿いの古玩市場で今でも同系のもの出るライン
大連は満洲国時代以降、骨董「風」鋳物がめちゃ流入しました。
本物の古青銅はそもそも出土ルートが違うので
「大連で出た=ほぼ後年製」と予備判断できる地域特性があります
どうも、貰った香炉は20世紀前半につくられた、古い時代(戦国、漢~明)のレプリカのようです。
形状や文様はやや粗い感じもあります。
蓋の獣や取っ手の龍がもっと繊細ならば本物感がでます。
レプリカでも100年ぐらいの前のものでありそうです。
それよりも、友人からもらったものなので、やはり特別なものと言えます。
これからも大切に部屋の隅に置いて置きたいと考えています。


