今回試したのは、エンバカデロ・テクノロジーズから2018年7月にリリースされた、C++Builder Community Editionです。無償版のインストール、RAD(Rapid Application Development)の開発環境をサンプルとオリジナルプログラムで確認しました。
2020年5月に有料版のC++ Builder 10.4 Sydneyがリリースされたので、無償版も近い将来に更新されるかもしれません。
・サンプルプログラムで分かること
・オリジナルのプログラムを作成してみた
・まとめ
ダウンロードとインストールの手順
ダウンロードやインストールは難しくありません。ダウンロードサイトの手順に沿って行えばOKです。
まずは、エンバカデロ・テクノロジーズのC++Builder Community Editionのサイトへいきましょう! こちらです。
必要事項を記入して今すぐダウンロードをクリックします。すぐに、製品のライセンスキー(シリアルNO)が記載されたメールが登録したメールアドレスに送られてきます。
この情報を使ってダウンロードを完了させます。
次にインストールです。手順はこのサイトに案内されています。
同サイトに制限事項があるので確認してからダウンロードしましょう。主なものは下記です。
Community Edition には次の制限事項があります:
・1 年期限付きライセンス。1年ごとに無料で更新する必要があります。
・開発者/企業/組織の年間収益上限は $5,000.00(または他の通貨での等価) – 制限事項については、「使用許諾書」を参照してください。
・同一ネットワーク上/同一企業または組織内で最大5ユーザー。
・テクニカル サポートなし
ダウンロードの時間は選択する内容で変わりますが、私の場合は、パソコン、スマホの両方とサンプルなどをダウンロードすると数時間かかりました。
インストールが終わるとデスクトップ上にアイコンができます。
このアイコンをクリックすると、開発環境のRAD(Rapid Application Development)が起動します。
サンプルプログラムで分かること
始めてチャレンジするかたは、まずエンバカデロ・テクノロジーズがReviewrs Guideに用意したサンプルプログラムを手順沿って打ち込むのがよいと思います。
これにより、コンポーネントの配置、そのプロパティの設定、イベント発生時の対応などの一連の開発手順が学べます。サンプルプログラムを書き写すことで分かること(理解したいことを)順に記載します。
RAD(Rapid Application Development)の開発環境は、使い方に慣れるとすごく便利なものですが、使い方に慣れるのにハードルもあります。
Windowsのアプリケーションの開発スタート画面
最初に、ファイル⇒新規作成⇒Windows VCLアプリケーション C++Builderをクリックすると下記画面が開きます。この画面が開発のスタート画面です。
コンポーネントの貼付け・プロパティの設定
開発は、フォームにコンポーネント(ボタン、テキストボックス、ラベル・・等)貼り付けて、そのコンポーネントのプロパティを設定していくイメージです。
右下のパレットから、Panel、Button(2個)、Editコンポーネントを選んで貼付けながら、左下にあるオブジェクト インスペクタでプロパティを設定していきます。
プログラムの記載方法
プログラムは主にイベントが発生したときの、アクションとして記載されます。このサンプルでは、戻る(Button1)と履歴(Button2)の2つがあります。
戻るのボタンがクリックされるとホームページにもどるイベントが動作します。コーディングを確認してみます。
デザイン画面で戻るのボタンをクリックすると、プログラムを書くエリアが表示されます。
実際のコーディングは以下のようです
void __fastcall TForm1::FormCreate(TObject *Sender)
{
WebBrowser1->GoHome();
}
このプログラムで実際に記載するのは、{ と }の間の WebBrowser1->GoHome(); だけです。枠組みは、C++Billder が自動的に生成してくれます。この開発のイメージを理解しておきましょう。
RAD上でのプログラムの実行方法
サンプルプログラムをReviewers Guideに従って全て打ち込んだらメニューのファイル⇒すべて保存でユニット、プロジェクトファイルを保存します。
実行は、メニューの実行⇒実行をクリックするとコンパイルが開始されエラーが無ければプログラムが実行されます。デフォルトではproject1.cbprojをクリックするとRADが立ち上がります。また実行ファイルは、フォルダ Win32の下のフォルダDebugの下にProject1.exeのファイルがあります。
サンプルプログラムの実行画面です。以外と簡単にブラウザもどきが動くので驚かされます。
オリジナルのプログラムを作成してみた
大分思い出してきたので、次にオリジナルのプログラムを作成してみました。約2時間ぐらいで完成しました。
プログラムは、ベンチプレスをやる人なら良く知っているRM表をプログラムにしたものです。例えばベンチプレスで100㎏を8rep(回)挙げられる人は、MAX挙上値(1rep )は何kg挙げられるかを計算するプログラムです。
Formの上にPanelをセットし、Button2つ、Editを2つ、Panelを1つ配置します。文字はLabelを使って記載します。
実行させてみると100㎏を8回挙げられると最大挙上重量は120㎏であることが計算されます。
実際のプログラムは、たったこれだけです。2つのボタンがクリックされたときだけイベントが動作します。
まとめ
このようにこの統合環境での開発手順が分かれば比較的簡単にプログラムが開発できることが分かります。
でもどんなコンポーネントがあり何ができるのか、そのプロパティはどう設定するか、などの知識が必要になります。ツールの機能は高いのですが、それをどのように使うかが勝負になります。