
国内で一般的に使われているRM換算(O’Conner式)で推定すると
ベンチプレスで100kgを8レップ挙げると、MAX重量は120kgが挙げられると推定できます。
ところが調べてみると、この換算方法は精度がやや低いようです!!
おすすめは、Epley式やBrzycki式ですが、従来の方法とどれ位違いがでるのでしょうか?
またどの換算方法を使うのが正解なのでしょうか?!
RMとはレペティション マキシマム(repetation maximum)の略です。
1回上げるのが限界の重量を1RM(MAX重量)、10回挙げるのが限界の重量は10RMというように表現されます。
いつもMAX重量でトレーニングをすると怪我も多いし、トレーニング効率が落ちます。
そこで用いられるののがRM換算です。

RM換算を使うと普段行っているトレーニングのレップ数や使用重量から、現在の最大挙上重量を簡単に推定できます。
例えば、ベンチプレスで80kgがぎりぎり10回上がる人は、100kgが挙がることが推定ができます。
この推定重量を基に、MAXチャレンジやセット重量を決めてトレーニングを行うと怪我をし難い、効率のよいトレーニングを行えます。
RM換算の情報は別サイトの「1RMを測定する必要性 計算式と実施する際の手順・注意点について」も参考になります。
残念ながら、全ての人にパーフェクトな推定方法はありませんが、
今回の結論は、以下の2つにしました!
◆中級以上の一般トレーニー
Epley(エプレイ)式がおすすめ
ワールドワイドで最もよく使われる方式で1~10レップで精度が安定している。
特に3〜8回の中レップでは精度が高い
◆初心者から中級者でまだフォームが安定していない人
O’Conner(オコナー)式がおすすめ
他の換算方式に比べ「やや低くめ」に出るため安全が確保し易い方式です。
結論を検討するのにChatGPT、Geminiに意見を参考にしています。
実際にこれらの式を使ったツールはこちらにあります。
ワールドワイドでよく使用される換算式は他にもあります。
良く使用される換算式を表にしました。
| 式名 | 数式 | 特徴(低レップ域) | 備考 |
| Epley式 | 1RM=W×(1+0.0333R) | やや高めに出る(オーバー推定)傾向 | 世界標準、NSCA公式テキストでも採用 |
| Brzycki式 | 1RM=W × 36 / (37 – R) | 実測値に近い(控えめで安定) | 学術的裏付けあり、安全寄り |
| O’Conner式 | 1RM=W × (1 + R/40) | 高強度では低く出すぎる | 簡易・安全・日本の現場向け |
| Lander式 | 1RM=100W/(101.3−2.671R) | Brzyckiに近い挙動、非常に安定 | 特殊条件に強いが一般向きではない |
| Lombardi式 | 1RM=W×R0.10 | 指数的補正で高回数に強いが、低回数ではほぼBrzyckiと同等 | 特殊条件に強いが一般向きではない |
W:使用重量、R:レップ数
1RM = W × (1+0.0333 × R)
世界で最も信頼されている推定方式です。
ワールドワイドのスポーツ科学研究、パワーリフティング指導、フィットネスジムなどの多くはこの式を基準にしています。
比較的高重量を扱う中級者〜上級者のトレーニングにおすすめで、3~8レップで精度が高いと言われています。
Epley式は、他の方式(Brzyckiなど)と比較して、同じ条件でやや高い1RMを推定する傾向があります。
1RM = W × 36/(37-R)
米国の大学体育学研究でよく使われています。
低レップではO’Connerの式に近い値がでます。
高レップでになると、やや高めの値を示してきます。
「低レップ域(2〜4回)」では、一般的な推定式の中でも精度良いとの評価です。
1RM = W × (1+ R/40)
特に日本のトレーニーの間でベンチプレスの1RM推定によく使われています。
これは、松井秀治氏(日本体育大学教授、元日本ウエイトリフティング協会理事)が
トレーニング指導書や文献でこの式を紹介し、普及させたためで、松井式とも呼ばれています。
◆O’Conner(オコナー)式が日本で広まった理由
・計算のシンプルさと分かりやすさ
・安全性の確保
使用重量に対して回数/40の比率分だけ重量がアップすると直感的に理解しやすい形になっています。
レップ数10できれば、最大重量が25%アップと言う簡易的な計算ができます。
具体的には、100kgで10レップできれば、最大挙上重量は125kgです。
レップ数ごとに換算が得意な方式を並べると、ざっくりしたイメージは以下の表のようです。
| 回数 | 最適推定式 | 理由 |
| 1〜2回 | Lander式 | 高重量域で誤差が最も少ない |
| 2〜5回 | Brzycki式 | 実測1RMとの相関が最も高い |
| 6〜10回 | Epley式 | 中レップ域で信頼度最大 |
| 10回以上 | Lombardi式 | 高レップ域で指数補正が有効 |
おすすめの2つの方式 Epley式、Brzycki式、O’Conner式の3つを具体的な値で比較してみました。
| 2回 | 4回 | 6回 | 8回 | |||||||||
| 使用重量(kg) | Brzycki | Epley | O’C | Brzycki | Epley | O’C | Brzycki | Epley | O’C | Brzycki | Epley | O’C |
| 70 | 72 | 75 | 74 | 76 | 79 | 77 | 81 | 84 | 81 | 87 | 89 | 84 |
| 80 | 82 | 85 | 84 | 87 | 91 | 88 | 93 | 96 | 92 | 99 | 101 | 96 |
| 90 | 93 | 96 | 95 | 98 | 102 | 99 | 105 | 108 | 104 | 112 | 114 | 108 |
| 100 | 103 | 107 | 105 | 109 | 113 | 110 | 116 | 120 | 115 | 124 | 127 | 120 |
| 110 | 113 | 117 | 116 | 120 | 125 | 121 | 128 | 132 | 127 | 137 | 139 | 132 |
| 120 | 123 | 128 | 126 | 131 | 136 | 132 | 139 | 144 | 138 | 149 | 152 | 144 |
| 130 | 134 | 139 | 137 | 142 | 147 | 143 | 151 | 156 | 150 | 161 | 165 | 156 |
| 140 | 144 | 149 | 147 | 153 | 159 | 154 | 163 | 168 | 161 | 174 | 177 | 168 |
やはり全体的にEpley式は高めに1RMが計算されています。
Brzycki式、O’Conner式は、かなり似た値がでていますが、
低レップでは、O’Conner式が大きな値で、高レップでは逆にBrzycki式が大きくなっています。
120kgを挙げるためには、Epley式では6レップ、他の2つの方式は7レップ必要になります。
フォームが安定している中級以上ならば、Epley式
初心者から中級者向けならば安全を見込んでO’Conner式がおすすめです。
Epley式はやや1RM(MAX値)が高めに出る傾向があるのでBrzycki式もおすすめです。
Brzycki式は、O’ConnerとEpley式の中間値のイメージです。


