前回の投稿で10万円以下のシステムでは、緊急時でも冷蔵庫などを使うと、十分な電力量を確保するのは難しいことが分かりました。
とは言え、不十分ながらも、照明、TV、スマホの充電、パソコンなどの電力をある程度の時間確保できれば 、大変助かります。太陽光発電のキットを購入するとき、何がポイントでどれを購入するのが 良いでしょうか?
今回、日本メーカの登録が多い楽天市場にエントリーしているキットについて調べてみました。
・各社のキットの仕様
・どのキットを選ぶ?
・まとめ
オフグリッドの太陽光発電システムの選択のポイント
オフグリッドの太陽光発電システムは、太陽光パネル、充電コントローラ、バッテリー(蓄電装置)、DC/ACインバータから構成されています。
太陽光パネルの出力が決まると、ほぼシステムの発電量が決まってしまいます。100Wの場合は、多少のバラツキはありますが、最大出量動作電流 5.4(A)、最大出力動作電圧18(V)です。
後は何時間充電できるかです。有効な日照時間が3.5時間な場合は、 発電電流量は、5.4(A) × 3.5時間 ⇒ 18.9(Ah/day) です。
この電流量をいかにロスなく使うかが課題となります。
各構成要素でのポイント
最初にシステムの電圧を12V系にするか24V系にするかがあります。 一般的には、12V系は電流が多く流れ、電線を太くする必要があります。24V系は、効率が良くなります。また電線は細いものでOKです。
100Wの太陽光パネル1枚で拡張しないのであれば、12V系で問題ないと思います。100Wの太陽光パネル1枚の場合は多くの場合12V系で組まれています。
200Wや300W分のパネルを使ったキットを選択する場合。後で拡張を考えないのであれば、システム電圧は、価格とパフォーマンスのバランスで選べばOKかと思います 。キットは、電線なども適切なものが選ばれているはずです。
太陽光パネル
太陽光パネルでもロスが発生しますが、パネルの汚れ、経年劣化、気象変動です。各メーカで大きな差はありません。 一番のポイントは、限定された費用の中で、発電量を100W、200W、300Wのどのタイプにするかです。
当然発電量が大きいほど、長時間機器を動かせます。 もう一つのポイントは、大きさや、重量です。あまりにも大きかったり、重かったりすると設置に苦労したり、場所をとります。
充電コントローラ
充電コントローラは、太陽光パネルからの電流をバッテリーに安全かつ効率よく充電します。
ここは、方式により効率が変わります。コントローラの方式はPWM方式とMPPT方式がありますが、MPPT方式の方がかなり変換効率がよく90%以上が期待できます。PWM方式は効率が悪く70%程度です。
価格はPWM方式は安いので10万円以下のシステムの多くはこちらを使用しています。コントローラの方式を記載していなしセットもありますが、その場合はPWM方式と考えて間違いないでしょう。
バッテリー
バッテリーのポイントは、何といっても容量です。
照明(30W)をつけて、TV(70W)を見たり、パソコン(25W)で作業をすると、合計で約125W消費します。
この3つの機器は、フルに充電しておけば、
12V系で容量が30Ahのバッテリーは、蓄電総量が360Whで理論上は、2.8時間 使用できます。
12V系で容量が50Ahのバッテリーは、蓄電総量が600Whで理論上は、4.8時間 使用できます。
システムを考える時は、どの機器を何時間ぐらい使用するかを考えましょう!
もう一つのポイントは、バッテリーの種類です。バッテリー自体は太陽光発電用というのは無いようです。選択できるのは、鉛蓄電池(自動車始動用)、鉛蓄電池(ディープサイクル)、リチウムイオンバッテリーがありますが 、コストパフォーマンスから、鉛蓄電池(ディープサイクル)選択されることが多いようです。
DC/ACインバーター
こちらもポイントは2つです。
1つ目は、出力AC電圧が正弦波か疑似正弦波でよいかです。パソコンや液晶テレビは、疑似正弦波では、不具合点が起きる可能性があるのでおすすめできせん。 メーカやお店に確認すると疑似正弦波でよいか教えてくれそうです。
2つ目は定格容量です。 使用電気量の70~80%で考えるのがよいです。合計で700Wの機器を使うときは、1000Wの定格容量が必要になります。
各社のキットの仕様
アマゾンと楽天市場にエントリーしている製品を確認しました。アマゾンは、海外の会社の製品が多く、楽天市場は国内の会社が多い傾向がありました。
サポートなどのことを考え、今回は、楽天市場にエントリーしている会社の太陽光発電のキットについて調べてみました。
会社名 | パネル出力 | 価格 千円 | パネル 動作電圧 |
パネル 動作電流 |
コントローラ方式 | バッテリー 蓄電容量 |
バッテリー 種類 |
インバーター 定格出力 |
インバータ 出力波形 |
ニッポンソーラー | 100W | 42 | 18V | 5.5A |
? |
12V20Ah | ディープサイクル鉛蓄電池 | 300W | 正弦波 |
ニッポンソーラー | 200W | 81 | 36V | 5.6A | ? | 12V50Ah | ディープサイクル鉛蓄電池 | 1000W | 正弦波 |
ニッポンソーラー | 300W | 89.9 | 18V | 5.5A×3 | ? | 12V80Ah | ディープサイクル鉛蓄電池 | 600W | 正弦波 |
REAL NATURAL GOODS | 90W | 102.6 | 18.5V | 5.14A | ? | 36Ah/20HR | ディープサイクル鉛蓄電池 | 125W | 正弦波 |
SEKIYA | 100W | 71.39 | 18V | 5.55A | PWM | 1200W | ディープサイクル鉛蓄電池 | 1000W | 正弦波 |
SEKIYA | 200W | 104.5 | 17.8 | 5.6A×2 | PWM | 1200W | ディープサイクル鉛蓄電池 | 1000W | 正弦波 |
おすすめのキットは?
以前の投稿記事「オフグリッド太陽光発電装置は、実使用可能?!」で検討した通り100Wの太陽光パネルを使用したときは、1日に期待できる電力量は、110Wh/dayです。少し物足りないですね。
この点から、実使用上おすすめのキットは、二ッポンソーラーの200W、300Wのパネルを使ったものか、SEKIYAの200Wのパネルを使ったものです。これらでも物足りなさは感じますが、緊急時などは頼りになります。
この表では、分からない部分では、大きさや、それぞれのユニットの機能です。SEKIYAのキットの薄型パネルやバッテリーは魅力的ですし、コントローラは、モニタリング機能が高い方がよいなどがあります。
キット販売の会社は?
どの会社も、一部のユニットを除いては、世の中にあるユニットを集めてキット販売しているようです。ある程度のサポートは期待できますが、コストの面では自分で各部品を選択して集める方が良いかもしれません。
取っ付きにくかったり、失敗したくない人は、最初はこのようなキットを購入するのは、おすすめです。
ニッポンソーラー:運営が株式会社ドリームリンクです。事業内容農業系、DIY系ツールの販売などです。太陽光発電の各ユニットを組合せてキットにしているようです。
REAL NATURAL GOODS(安川商事):20年以上にわたってソーラーパネル、小型風力発電機、風速計などの自然エネルギー関連機器の販売と、お客様のご要望に応じた様々な自然エネルギーシステムの設計・製作を行っています。
SEKIYA:バッテリーのメーカです。その一つの事業としてソーラーシステムを販売しているようです。
まとめ
・太陽光発電のキットで動かす機器を明確にしましょう
・実使用には、200W、300Wのソーラーパネルのキットがおすすめ
・楽天市場では、ニッポンソーラー、SEKIYAのキットがおすすめ
・キットを選ぶときは、それぞれのユニットの仕様や機能をしっかり確認しましょう
各ユニットのポイントを確認しましょう