日本甲状腺学会では、バセドウ病を初めとする甲状腺の病気になっている人は、500~700万人いる推定しています。更に、そのうち240万人が治療が必要と推定していますが、実際に治療を受けている人は45万人ほどとのことです。
そうです、多くの人が気がつかず、もしくは気がついても治療を受けていないのが現状のようです。甲状腺の病気は、どんなものがあり、どこに相談するのがよいのでしょうか?
・甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症の症状は?
・症状が甲状腺の病気に似ていたらどうしたらよいの?
・まとめ
甲状腺の病気にはどんなものがあるの?
甲状腺とは一体どこにあるのでしょうか? 甲状腺は、喉 ぼとけの両側にあり、ラグビーボールのような形をしています。左右に1個ずつあり、真ん中でつながっています。甲状腺は、とても大事な組織で、からだ全体の新陳代謝を促進するホルモン(甲状腺ホルモン)を出しています。
それでは、甲状腺の病気にはどんなものがあるのでしょうか?
甲状腺の病気の病気には、機能面からみて、ホルモンのバランスがくずれる「機能亢進症」「機能低下症」があります。
甲状腺機能亢進症の代用的なものが、バセドウ病です。また甲状腺機能低下症の代表的なものは、橋本病です。
どちらの病名も聞いたことがある人が多いかと思います。実際にはどんな症状がでるのでしょうか?
甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症の症状は?
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の主な症状 (ウィキペディアより)
肉体及び精神の活性化による症状
・心拍数の増加、高血圧
・発汗量の増加、体温の上昇
・皮膚のかゆみ、口が乾く
・手足の震え
・躁状態、勇敢、やる気の増大
・怒りやすくなる
・生理周期が乱れる
・眠りたいときに眠れない
エネルギーや栄養素の消費量増大による症状
・食事量の増加、体重の減少、筋力の低下
・動悸、不整脈(心房細動)、息切れ、目眩
・異常に疲れやすい、強い疲労感、集中力の欠如
・暑さに耐えられない
・微熱が続く
・髪の毛が抜ける
・吐き気、嘔吐、下痢
・鬱状態、無気力、不安感
・睡眠時間の増加
甲状腺機能低下症(橋本病)(ウィキペディアより)
全身がエネルギーを利用できなくなるため、症状は多岐にわたります。主な症状は、
・強い全身倦怠感
・無力感
・皮膚の乾燥
・発汗減少
・便秘
・上下肢、脇、眉の外側の脱毛
・声がかすれる
・聴力の低下
・目に光がなくなり
・顔もぼてっとする
・鍵の開け閉めなどできにくくなる
・体重増加などである。
症状が軽いと病気かどうかわからない
甲状腺の病気で症状が軽いと、自分が病気であるかどうか気がつかないことが多いようです。私はバセドウ病でしたが、病名が分かるまで時間が掛かりました。恐らくは、病名が分かる半年前からは体調が悪く、発病していたようです。
ただ調子が悪いだけと思っていましたが、次第に症状が酷くなり、微熱の継続、体重の大幅減少、声がれ、むくみ・・などのどの一つ一つの症状が酷くなってきました。
更に病院も症状が多岐に渡るため、医者にとっても厄介な病気です。血液検査をすればすぐに判明するのですが、通常の血液検査では検査しない、FT3、FT4 、TSH、TRAbなどの値を調べる必要があります。
症状が甲状腺の病気に似ていたらどうしたらよいの?
甲状腺の病気は、若い女性に多い病気です。このため私のような年齢がある程度いった男性は発見が遅れます。体調が悪くその症状が、甲状腺の病気に似ていたらどうしたらよいでしょうか?
①症状の確認:まずは病院のサイトで症状を再確認することが大切です。多くの病院のサイトで症状の記載があります。
②病院に行く:次に病院に行くのですが、サイトで確認した症状が甲状腺の病気に一致するときは、甲状腺の専門病院に行くのがおすすめです。血液検査ができる病院であれば2時間ぐらいで結果がでます。 もし専門病院でなければ、甲状腺の病気の症状に似ているとドクターに話すのがおすすめです。
③相談相手をみつける:病名が分かっても、この病気は色々な症状がでて不安がつきません。また使用する薬の副作用などもあり、更に不安になることがあります。こんな時におすすめなのが、同じ病気をした人に話を聞くことです。これはかなり参考になります。
私は周りにバセドウ病の人が居なかったので、フェイスブックの「甲状腺眼症(バセドウ病眼症)患者グループ」に参加しました。ここでは、甲状腺眼症(つまり、バセドウ病や橋本病、まれに甲状腺疾患の症状が出ていない方もいらっしゃいますが、による目の症状)の患者の方が登録していて、色々と投稿があります。自分で聞きたいことを投稿すると返信してくれる方がいます。過去の投稿を読んでるだけでも参考になりますし、安心もします。
またこのグループでは、勉強会などの開催を初めており、活動は活発です。
勉強会のポスターです。2020年29日開始の予定です。
まとめ
体調が悪くても頑張っている人は多いと思います。体調不良が長く続くときは一度しっかり原因を確認することをおすすめします。
不幸にして病気であった場合は、相談できる人がいるととても良いです。特に甲状腺の病気のように症状が多岐に渡り、不安になることが多い病気の場合は、是非相談できる人や場所をつくりましょう。