20年近く前、大連の開発区に出張していた休日に、誘われて小桂林に遊びにいきました。
その時に購入したのが、この青い猫目石です。
当時の中国のお土産には怪しいものが、よくあったのですが、これもその一つです。
部屋の隅に転がっていたのを思い出して、猫目石について確認してみました。
宝石などに光を当てると、一筋のラインが浮かび上がる現象をシャトヤンシーまたはキャッツアイ効果と呼びます。
このキャッツアイ効果がでる石のことを猫目石と呼んでいます。
猫目石の中では、クリソベリルキャッツアイが有名です。
クリソベリルという宝石(ベリリウムとアルミニウムの酸化物からなる鉱物)にキャッツアイ効果がでているものです。
クリソベリルの色は黄色、黄緑、緑、褐色などの色です。
クリソベリルでは青い猫目石は存在しないといってよいでしょう。
でも世の中には、青い猫目石が存在しますが、それは一体何なんでしょうか?
青色の猫目石の素材としては、アパタイトが考えられます。
アパタイトは、リン酸塩鉱物の総称で様々な色合いを持った天然石です。
一方で青色の猫目石には人工のもの(合成クリソベリル、合成ガラス、着色)があります。
始めから正直に合成ガラス、着色などをうたっているものもあります。
一方で天然石という表現もありますが、一体何の石なのでしょうか・・?
写真では、かなり人工的な青に写ってしますが、目で見た感じはもっと紺色に近くシックな感じです。
今回のお土産は大連の開発区から、同じ遼寧省の観光地小桂林に行ったときに購入したものです。
素材が何からできているかは、それぞれの素材の密度から計算した重さと実際の重さの比較から判定できます。
測定すると、サイズは径41mmで、重さは116.6gです。
逆に素材から重量を計算すると
素材 | 密度 | 重さ |
ガラス | 2.5 g/cm³ | 90g |
アパタイト | 3.10~3.25 g/cm³ | 約112g~117g |
クリソベリル | 3.70~3.78 g/cm³ | 約133g~136g |
密度は一般的なものを用いています。
この計算から行くと素材はアパタイトのようですが・・!!
本物でしょうか?
もしかしたらアパタイトと同じぐらいの比重の何か別の物かもしれません??
中国で購入するお土産の中には本物かどうか分からない怪しいものもあります。。
でも猫目石(青)の場合は、そもそも何が本物かすら明確ではありません。
人工のものでも、その姿形が美しいものならばOKという考え方もあります。
どちらにしろ、この猫目石を見ると小桂林に行った情景が浮かびます。
お土産としての役目を果たしてくれています!
中国に小桂林と呼ばれている地域は幾つかあります。
ネットで調べてみても
華南の小桂林「肇慶」、北京の小桂林 「龍慶峡」などです。
今回のお土産は、大連近郊の小桂林の「冰峪沟」で購入したものです。
ここは、大連の開発区から車で3時間弱の観光地です。
訪れたのは、かなり前ですが、当時は大連ではそれなりに有名な観光地で
開発区で働いていた日本人は、行ったことがある人が多いのではないでしょうか
私も2回ほどタクシーをチャーターして数名で観光しました。
小桂林ではボートに乗って観光ができたのを覚えています。
でも今回ネットで調べてみると2017年に大規模水害が起こり、
2019年時点で復旧していないとの情報があります。
ネット上にもほとんど情報がないのが現状です。
2005年当時からすると、こんなに情報がないのは不思議な感じです。
今回の勝手な判定では、我が家の青い猫目石はアパタイトの可能性が高いようです。
本物ということでしょうか?!
価値もそれなりにありそうです。
ガラス玉という判定よりは、夢があります。
そして、この猫目石をみると大連のことや小桂林のことを思い出させてくれます。