世界で一番流通している エリザベス2世のコイン

Netflix の『ザ・クラウン』で話題になっているエリザベス女王ですが、現在は、イギリスを含む16か国の主権国家の君主です。このため多くの貨幣に肖像が描かれています。

我が家にある海外のコインを調べてみると、3か国のエリザベス女王の肖像が入ったコインがありました。イギリスには、無縁(行ったことがない)であるはずなのですが、ちょっと不思議な感じです。でもイギリスの歴史や入手の経緯を確認すると、多くの人がエリザベス2世のコインを持っていても不思議ではないのです。

コンテンツ
・エリザベス2世と英連邦王国
・イギリスの1/2ペニーとNEWペニー
・オーストラリアのエリマキトカゲの2セントコイン
・香港の変換前コイン
・まとめ

エリザベス2世と英連邦王国

1926年生まれの現在93歳のエリザベス2世は、1952年2月にイギリスの女王(国王)に即位しました。当時のイギリス連邦に加盟している7か国の女王となります。

イギリスの歴史を振返ってみると、19世紀の大英帝国の勢いはすさまじく、地球の陸地の1/4支配していました。また大英帝国海軍は「7つの海を制した」と言われており強大な力を持っていました。

現在のイギリス連邦は、かっての大英帝国がその前身となっています。主にイギリスとその植民地であった独立の主権国家から成る、緩やかな国家連合です。2020年2月時点での加盟国数はイギリスを含め54ヶ国と非常に多いです。

英連邦王国は、イギリス連邦の加盟国であって、イギリスの王座にある者を自国の国王として戴く主権国家を指し、2020年現在、計16か国あります。

かってのイギリス連合王国に属したイギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドに加え、ジャマイカ、バルバドス、バハマ、グレナダ、パプアニューギニア、ソロモン諸島、ツバル、セントルシア、セントビンセント・グレナディーン、ベリーズ、アンティグア・バーブーダ、セントクリストファー・ネイビスの16か国がエリザベス2世女王を君主としています。またクック諸島など、上記の国と自由連合制をとる国や、その他の国・地域の中にも女王を元首としているところが存在しています。

多くの国の女王ですので、当然多くの国の貨幣の肖像となっているのです。

イギリスの1/2ペニーとNEWペニー

中学生の時手に入れたのが、イギリスの1/2ペニー銅貨2種と1ペニー銅貨1種です。当時は、趣味として切手やコインを収集するのがトレンドとなっていました。ご多分に漏れず当時、仲間と一緒に収集をしていました。

イギリスの通貨単位は、ポンド(£)で補助通貨がペンス(p)です。ペニーは、ペンスの単数形です。イギリスの通貨制度変更後の1971年2月15日以降は、通貨もその記数法も十進法で、100ペンスで1ポンドになりました。1971年2月15日以前は、12ペンスで1シリングであり、240ペンス(20シリング)で1ポンドでした。

現在イギリスのコインが8種類です。1ペンス、2ペンス、5ペンス、10ペンス、20ペンス、50ペンス、1ポンド、2ポンドです。紹介する3つのコインは既に使われていないものです。

通貨制度変更前の1/2ペニーコイン

通貨制度変更前の1966年製の1/2ペニーコインです。当時の最小の単位ですがサイズも大きく立派です。このハーフペニーは、”グッドラック・ペニー”と呼ばれていてイギリスではラッキーアイテムとされており、ネックレスやペンダントなどの装飾品にされているようです。

表面は、若いエリザベス2世です。

裏面はキャプテン・ドレークの世界周航で有名な帆船ゴールデン・ハインド号のデザインです。

通貨制度変更後の1/2ペニーと1ペニーコイン

通貨制度変更後の1973年製1ペニーと1972年製1/2ペニーコインです。こちらは旧制度の1/2ペニーに比べると大きさはかなり小さいです。

こちらも表面は、若い時のエリザベス2世です。

裏面は王冠をがついたPortcullisになった。Portcullisは、中世の城塞の金属製の門、または格子門で城の最後のデフェンスラインを象徴したものだそうだ。また、英国議会のシンボルマークにもなっていると言う。この硬貨には、New pennyと書かれているが、92年以降は、このNewが外されている。

こちらも表面は、若い時のエリザベス2世です。

裏面のデザインは、王冠を示し、その下に1/2と印し、王冠の上にはNEW PENNY と書かれている。1982年からはHALF PENNY の表示に戻る。インフレの影響もあって、1984年に廃止されました。

サイズ感です。左上が通貨制度変更前の1/2ペニーコイン。右上が10円玉。左下が通貨制度変更後の1ペニーコイン。右下が1/2ペニーコインです。

オーストラリアのエリマキトカゲの2セントコイン

このコインは、1984年にエリマキトカゲが走るCMで話題となり、コイン収集者の間では話題になっています。でも当時は表面がエリザベス女王とは気が付いていませんでした。

オーストラリア2セント硬貨は、1オーストラリアドルの50分の1の価値です。1966年から1991年まで鋳造され現在は使用されていません。現在使用されているオーストラリアの硬貨は、5セント、10セント、20セント、50セント、1ドル、2ドルの6種類で全て表面はエリザベス2世です。

オーストラリアのコインはエリザベス2世の肖像で統一されています。

裏面はエリマキトカゲです。現在は使用されていませんが、ブームに乗った人は知っている人も多いのではないでしょうか。オーストラリアのコインの裏面はオーストラリアの生き物が描かれています。

香港の変換前コイン

香港の硬貨は10HK$、5HK$、2HK$、1HK$、50¢、20¢、10¢の7種類がありますが、香港の中国への返還に伴い、表面の図柄がそれまでのエリザベス2世の肖像から、香港のシンボルであるバウヒニア(植物)に変更されました。

我が家にある香港のコインを調べると、意外と半分ぐらいはエリザベス2世のコインでした。

調べると中国返還前の香港ドルコインのエリザベス2世の図柄には2種類あり、古いものは頭上がティアラ、新しいものは王冠になっているようです。香港金融管理当局では、1993年からエリザベス2世の肖像の描かれた硬貨の回収及び溶解処理を進めているそうなので、記念に取っておきたい人は是非いまのうちにどうぞ。

5HK$の表面です。ティアラなので古い図柄ですかね

裏面です。5HK$は厚みもあります。

1HK$の表面です。ティアラなので古い図柄ですかね

裏面です。歴史を感じますね。

50¢の表面です。ティアラなので古い図柄ですかね

裏面です。50¢は1977~1980年のものがありました。

10¢の表面です。1992年製ですが、これが王冠の新しい図柄ですかね

裏面です。

香港のお金を確認しているときに、1個古いコインを見つけました。ジョージ5世の1¢コインで1933年製です。1933年(昭和8年)日本が国際連盟に対し正式に脱退を通告した年で、ヨーロッパではナチスが台頭してきています。

表面は、ジョージ5世の肖像です。

裏面です。1933年製。

まとめ

エリザベス女王は世界の歴史そのものです。イギリスが世界の覇権を握っていた時代を再認識しました。また多くの国が相変わらず大きな影響をうけています。

コインはその国の歴史を物語っていることを再認識しました。現在香港の歴史の変わり目にあわせコインも変わってきています。

 

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