働き方改革が叫ばれ、リモートワークが普通になり、2拠点生活や田舎暮らしを始める人も増えてきました。
低額で定住できる拠点を持てれば、色々な選択肢がつくれます。田舎暮らしがメインでも、別荘的に利用するのもOKです。
そして何よりも夢が広がってきます!!
定住するためのプラスの費用も含めたキット以外の費用とおすすめのキットを紹介していきます。
ここでは、2人くらいが定住できる10坪前後のログハウスを想定しています。費用の項目は、我が家のログハウスをベースにしています。私が建てたのは約15年前なので、できる限り調べて現在かかる費用に置き換えています。
当時は、キットのログハウスを含めても500万円以内で建てることができましたが、現在は多くのものは2割増しぐらいになっているようです。キットのログハウスは、4~5割増しのイメージです。
定住用のキットのログハウスでキット以外の必要な費用は、土地代を除くと
約300万円の費用が必要です!!
ざっくりは以下のような内訳です。
カテゴリー | 費用(万円) | 内容 |
組立スタート前準備 | 67 | 基礎工事、仮設電気・トイレ、キット輸送費、行政届け出 |
セルフビルド | 100 | 躯体、屋根、造作、内装、塗装工事用材料、道具 |
インフラ・設備工事 | 113 | 井戸、浄化槽工事、電気工事、設備 |
土地とインフラ
田舎暮らしをするときにとても大事なのは建てる場所です。購入する場合は特に慎重に選ぶ必要があります。
住宅街だと田舎でも土地の費用は高額になりますが、山にに近い里山などでは格安の土地があります。でも格安のエリアでは、インフラが整っていないところが多いようです。
インフラの中でも特に水回りは整っていないと、費用が発生する可能性が高くなります。
費用をあまりかけずに広い土地を欲しいときは、ある程度インフラを諦める必要があります。広い土地は田舎暮らしの醍醐味です。
ログハウスに要求されること
定住用のログハウスに求められることは、何でしょうか?
定住するためには、お風呂(シャワー)やトイレ、キッチンなどが必要です。インフラとしては、電気、水回り(使用する水、排水初期)、ネットとの接続(スマホの電波)などが必要です。
キットのログハウスには、お風呂やトイレ、台所などを想定しているものがあります。定住の場合はこちらを選びましょう。
我が家のログハウスの間取りです。床面積8.44坪、テラス2.4坪です。これぐらいあると定住ができます。
ログハウスを組立てる前に準備するもの
ログハウスを組立てる前に準備しておくものです。円滑にスタートを切るためには事前の準備だけは、スケジュール管理を行うことがおすすめです。
我が家の場合は勤続20年の長期休暇に合わせたスタートの計画をつくりました。
項目 | セルフ/業者依頼 | 費用(円) |
キット契約 | 予算に合わせて | |
キット輸送費 | 業者依頼 | 100,000 |
仮設電気 | 業者依頼(東京電力) | 18,000 |
仮設トイレ | リース | 50,000(半年) |
基礎工事 | 業者依頼 | 500,000 |
計 | 668,000 |
行政への届け出
10平方メートル以上の建築物の新築・増築・改築・移転を行う場合が届出の対象となります。建築基準法に基づく建築確認申請の手続きを要します。各市で申請内容がやや異なるところもあるようですが、どこの市でも工事に着手する30日前までに届出が必要なので注意が必要です!!
ログハウスキットの契約
ログハウスのキットを購入するポイントは近くに代理店など、サポートをしてくれるところがあるかどうかです。代理店があると何かとサポートをしてもらえるので、その後の組み立てなどでも便利なことが多くなります。
私も、行政の届け出、基礎工事、電気工事などを依頼しました。また作り方など分からなないところを教えてもらいました。便利な反面、中間に入りマージンを取られているので、費用を極力節約するなら代理店を挟まない業者もおすすめです。
また、ログハウスのキット材の輸送にも費用が発生するので注意が必要です。
基礎工事
ログハウスの基礎は通常の住宅とはやや異なります。よく見かける円柱の柱で支えられている基礎にも2種類あります逆T字型の独立した柱で建物を支えるタイプ(布基礎)、我が家(写真)のようにベースになる土台はコンクリでつながっており、その上に柱を立てているタイプ(ベタ基礎?)です。
地盤にもよりますが、おすすめは、やはりベースがつながっている土台です。 参考記事「基礎工事の種類や費用相場を分かりやすく解説!」
少し分かり難いですが、写真に中央、建物に左奥は、お風呂場のスペースは、重い鵜舟がのっても大丈夫なようにコンクリで固めています。
その他の準備
事前に仮設のトイレや仮設の電気(配電盤)の設置をしておくと効率的に作業がすすめられます。
キットのログハウスでは、基礎、電気、水回り以外は覚悟を決めればセルビルドができます。平屋を選べば、足場は脚立などで簡易的に組むだけでログ積みができます。
我が家は脚立に板を通した簡易的な足場でログ積みを行いました。
工事 | セルフ/業者 |
基礎・電気・水回り | 業者依頼 |
躯体工事 ログ組立他 | セルフ |
屋根工事 | セルフ |
造作工事 床、天井、窓 | セルフ |
内装工事 | セルフ |
塗装工事 外装、床 | セルフ |
ここで大幅な節約が可能です! 但し工事のための材料や道具は必要です。ざっくり項目と費用を表にしました。
項目 | 内容 | 費用(円) |
工具 | ドリルドライバー、サンダー、ジグソー、脚立、木槌他 | 150,000 |
材料 | 断熱剤 | 100,000 |
屋根材(防水シート、アスファルトシングル他) | 100,000 | |
キシラデコール、接着剤、コールタール、ネジ、養生シート他 | 150,000 | |
交通費 | 1万円×50回 | 500,000 |
計 | 1,000,000 |
道具はメインで使用するのは意外と少ないのですが、細々としたものはかなり購入しています。工具箱を準備するのがおすすめです。
参考記事「田舎暮らし キットのログハウスやウッドデッキなどのセルフビルドに必要な電動工具 この3つがあればOKです!!」
材料の大物は屋根や床下に入れる断熱材と屋根材です。屋根材のアスファルトシングルは価格的にも安く、工事も簡単で雨漏りや劣化もほとんどないのでおすすめです。
屋根に防水シートを張った後に、アスファルトシングルを敷き詰めます。目止めでコールタールを使用しています。
神奈川に自宅からの交通費は意外とかかります。最初は宿泊費はテント泊で対応しました。
意外と必要なのは養生用のブルーシートです。材料を養生したり、ログが積みあがっても塗装するまでは、小屋全体を養生する必要があります。
インフラや設備にかかる費用は意外とかかります。少し贅沢をしようとすると更にかかるのでログハウスや生活に見合ったものを選んで節約しましょう!
概算の費用は、我が家のログハウスで採用した方法をベースで計算しています。
インフラ
インフラとして必須な水回り(含むお湯)と電気のみです。ガスは料理だけであればカセットコンロもありです。
項目 | セルフ/業者依頼 | 費用(円) |
水(井戸) | 業者依頼 | 350,000 |
浄化槽工事 | 業者依頼 | 150,000 |
給湯器(灯油) | 業者依頼 | 150,000 |
電気工事 | 業者依頼 | 200,000 |
計 | 850,000 |
水:共同使用の井戸を想定しています。途中参加の場合の一時費用35万円を想定しています。水道が近くまで来ているエリアなら費用はかなり安くなります。また井戸を自分で掘るならば、100万円ぐらいは必要かと思います。
排水処理:浄化槽で行う想定です。多くの行政で補助金がでているので利用しましょう! この費用設定も33万円の補助金を想定しています。北杜市の場合
設備
項目 | セルフ/業者依頼 | 費用(円) |
トイレ | 業者依頼 | 100,000 |
シャワー | セルフ | 100,000 |
流し台 | セルフ | 40,000 |
照明 | セルフ | 40,000 |
計 | 280,000 |
トイレのみ業者に依頼しました。ユニットシャワー、流し台、照明は、直接購入して組立や設置はセルフで行います。
前述の内容も我が家のログハウスをベースに記載しました。我が家のログハウスは15年前の費用なので分かる範囲で現在の相場を調査して費用設定しています。
ここでは、実際には、この部分が前述の設定より費用が発生したという部分を紹介します。
我が家のログハウス:今は無くなってしまったフィンランドのビアンカ製のキットのログハウスです。屋根の作成やメンテナンスが簡単にできるロフトもない平な屋根のタイプを選びました。輸入品ですが、当時の価格で220万円です。現在ほぼ同様な感じのものだと360万円ぐらいです。
行政の届け出:業者に代行してもらい63,000円もかかりました。行政の届け出は書類集めなど少し面倒くさいですが、自分で行えばほとんど費用がかかりませ。私の場合、家が神奈川にあり、平日は仕事で時間が取れずに依頼をしました。
仮設トイレ:仮設トイレの費用は84,000円かかりました。現在の相場で仮設トイレは半年で50,000円程度ですが、私の場合3年近くレンタルトイレを使用していました。計画的にトイレを早めにつくれば半年あれば可能だと思います。
水回り:当初は、飲み水は近所の名水を組んできて、他の水は雨水の貯水・濾過システムでした。このシステムも30万円ぐらいかかりましたが、やはり雨水に抵抗があり、井戸に切り替えました。水回りは一番費用の発生もあるので、最初みしっかり決めておくのがよいと思います。
今回紹介するログハウスのメーカは、ビッグボックス、キートスの2社です。この2社は私が20年ぐらい前にキットのログハウスを建てようと考え始めたときから、すでに色々なログキットを販売していました。この2社の製品も候補に挙がっていました。
ログの厚みで価格は変わりますが、我が家のログハウスは角ログ70㎜です。厚み的な不安はありません。90㎜の厚みではミニログとしてはかなりがっしりしたイメージです。
1896年に創業しています。フィンランド製のログハウスをベースに多くの製品を展開しています。全国に多くの代理店や展示場があります。楽天市場などでも製品を扱っているので、こちらでの購入もおすすめです。
◆ミニログハウスキット バロA ログ厚70mm
現在おすすめのキットのログハウスで最安値のキットです。70㎜ログで価格は税込みで3,318,000円(楽天市場)です。90㎜ログのバージョンはは約100万円アップです。
・室内高さ 2,074mm ~ 2,837mm
・延床面積 25.44㎡(7.69坪)
・ベランダ面積 4.80㎡(1.45坪)
・建築面積 28.32㎡(8.56坪)
・総面積 30.24㎡(9.14坪)
・ログ厚さ 70㎜
・室内高さ 2,437mm~3,307mm
・延床面積 26.25㎡(7.94坪)
・ベランダ面積 15.75㎡(4.76坪)
・建築面積 26.25㎡(7.94坪)
・総面積 42.00㎡(12.70坪)
・ログ厚さ 70㎜
キートスも歴史のあるログハウスメーカです。フィンランド製のログハウスのキットの販売をしています。以前からコストパフォーマンスの高さでは定評があります。
コストパフォーマンスが高い理由は、代理店を間にはさんでいないことにあります。中間マージンを排除して直接販売を行っています。
◆HS-P53/A (バルコニーなしタイプ)
こちらはログの厚み95㎜を考えると、かなり格安のキットといえます。税別価格360.1万円です。
・1 F = 21.3㎡ (6.4坪)
・テラス = 10.1㎡ (3.1坪)
ログハウスをセルフビルドすると、人生が変わります。多くの人と知り合い、自然が好きになります。仕事一辺倒の生活をしている人は、より広い視点を持つようになります。
そんなことができる心と懐の余裕がある人にはとてもおすすめです。よく定年になってからなんて人もいますが、定年になってからだと元気もなければ、できてから楽しむ時間も減ってしまいます。できれば若いうちに始めることがおすすめです。
今回紹介したメーカーの2社は、コストパフォーマンスの高いメーカーですが、他にもTALO、BESS、ホンカ、夢木香など色々なメーカーがありますので検討してみてください。