昭和39年の前回の東京オリンピックの時に最初に記念のコインが発売されました。昭和の記念コインは13種と少な目ですが、現在までに239種(2021年5月現在)と多くの記念コインが発売されています。
歴史が作られたときに発売されるのが記念コインです。好きなカテゴリーを収集しても楽しいし、投資になる金貨を収集もいいですね
前述した通り、日本の記念コインは、昭和39年の東京オリンピックから始まっています。その後コンスタントに昭和、平成、令和のそれぞれの時代で発行が継続されています。
最初の記念コインの唱和39年の東京オリンピックの100硬貨です。
・カテゴリー別の種類数:各時代ごとに種類数を表にしてみました。これらのデータは造幣局の記念硬貨一覧を整理したものです。
カテゴリー | 昭和 | 平成 | 令和 |
オリンピック・パラリンピック | 3 | 22 | 49 |
スポーツイベント | ー | 10 | 2 |
皇室関連 | 5 | 9 | 4 |
国際博覧会 | 3 | 4 | ー |
地方自治法施行60周年記念 | ー | 95 | ー |
新幹線鉄道開業50周年記念 | ー | 10 | ー |
東日本大震災復興事業記念 | ー | 8 | ー |
その他 | 3 | 11 | 2 |
計 | 14 | 169 | 57 |
種類のカウントは、1次、2次・・や発行年が違うものは別カウントとしました。
・記念コインの発行タイミング:一番多いタイミングは、オリンピック・パラリンピック、それに準ずるような国際的なスポーツイベント(アジア大会、FIFAワールドカップ、ラクビーワールドカップ)などのスポーツイベントです。
それに続くのは、皇室関連、国際博覧会などが続きます。
ややイレギュラーな発行イベントとして、地方自治法施行60周年記念、新幹線鉄道開業50周年記念、東日本大震災復興事業記念などがあり発行の種類の数は多くなっています。
その他の中身は、開通・開港記念、何周年記念などのタイミングで発行されています。
次に枚数や金額の傾向は昭和に比べ平成・令和は変化してきています。
昭和 | 平成 | 令和 | |
種類数 | 14 | 169 | 57 |
発行枚数 | 606,000 | 445,695 | 74,450 |
発行金額 | 1364百万円 | 691百万円 | 17百万円 |
この表だけみると、昭和では、種類は14種と少ないのですが、枚数・金額ともに平成・令和を上回っています。
・発行枚数:平成以降では皇室関係で20~30百万枚のものが幾つかありますが、昭和では、圧倒的に発行枚数が多いです。
一番多いのは、沖縄国際海洋博覧会記念の1億2千万枚ですが、他のコインも東京オリンピック記念100円コイン 8000万枚、天皇陛下御在位50年記念100円コイン、国際科学技術博覧会記念500円コイン、内閣制度創始100周年記念500円コインが7000万枚と続きます。
1億2千万枚発行された沖縄国際海洋博覧会記念の100円硬貨です。
・発行金額:こちらも昭和と平成・令和ではようすが異なります。
昭和は発行枚数が多いことが発行金額を増やしている原因ではあるのですが、天皇陛下御在位60年記念10万円コインの影響が大きいのです。発行枚数1100万枚で、金額は11億円です。これだけで昭和の発行金額の約80%です。
額面が10万円の硬貨は左の「天皇陛下御在位60年記念10万円硬貨」と右の「御即位記念10万円硬貨」の2種類だけです。御即位記念の硬貨は、重さも30gあり金貨の中では一番重い仕様です。
注意しなければいけないのは、表の計算は額面で行っていますが、発行時の販売価格はそれよりも高額ということです。販売時の価格で計算すると平成も令和も
投資に最適な金貨 発行された記念金貨は記念コインはプチ投資対象としても考えられます。それは1部の記念コインが純金製であるからです。
残念なことに記念コインの額面と実際の販売価格はことなるので、投資対象と考える場合は販売価格を考慮しなければいけません。
現在発行された記念イベントごとの記念金貨をまとめてみました。すべて材質の品位は純金です。
記念イベント | 額面 | 種類 | 重さ | 発行 | 発行枚数(千枚) |
天皇陛下御在位60年記念 | 100,000 | 2 | 20g | 昭和61年 | 10,000 |
天皇陛下御即位記念 | 100,000 | 1 | 30g | 平成2年 | 2,000 |
皇太子殿下御成婚記念 | 50,000 | 1 | 18g | 平成5年 | 2,000 |
長野オリンピック冬季競技大会記念 | 10,000 | 3 | 15.6g | 平成9年 | 55 |
天皇陛下御在位10年記念 | 10,000 | 1 | 20g | 平成11年 | 200 |
2002FIFAワールドカップ™記念 | 10,000 | 1 | 15.6g | 平成14年 | 100 |
2005年日本国際博覧会記念 | 10,000 | 1 | 15.6g | 平成16年 | 70 |
天皇陛下御在位20年記念 | 10,000 | 1 | 20g | 平成21年 | 100 |
東日本大震災復興事業記念 | 10,000 | 4 | 15.6g | 平成27年 | 14 |
東京2020オリンピック競技大会記念 | 10,000 | 4 | 15.6g | 平成30年 | 40 |
東京2020パラリンピック競技大会記念 | 10,000 | 1 | 15.6g | 令和2年 | 41 |
天皇陛下御在位30年記念 | 10,000 | 1 | 20g | 平成31年 | 50 |
ラグビーワールドカップ2019™日本大会記念 | 10,000 | 1 | 15.6g | 平成31年 | 10 |
天皇陛下御即位記念 | 10,000 | 1 | 20g | 令和元年 | 50 |
もちろん額面が10万円の金貨は10万円の価格は担保されるのですが、金貨の価格は、額面もさることながら、重さと発行枚数といわれています。
単純に金相場から計算してみると
2021/5の金相場 田中貴金属のHPから 店頭小売価格(税込)7,250 円、 店頭買取価格(税込)7,141 円
仮に7000円で計算してみると
30gコイン 210,000円
20gコイン 140,000円
18gコイン 126,000円
15.6gコイン 109,200円
となります。
実は残念なことに、記念コインが発売されるときの販売価格は額面と違う価格がついています。近年はこの価格が上がっていて投資価値が下がっています。
発行時の販売価格と買取ってもらえる価格(大黒屋)と購入できるか価格(楽天市場)をHPから拾ってみました。
記念イベント | 販売価格 | 買取価格 (大黒屋) |
販売価格 (楽天市場) |
重さ | 発行枚数 (千枚) |
天皇陛下御在位60年記念 | 117,300 | 122,000 | 168,000 | 20g | 10,000 |
天皇陛下御即位記念 | 113,300 | 186,000 | 252,300 | 30g | 2,000 |
皇太子殿下御成婚記念 | ー | 108,000 | 134,800 | 18g | 2,000 |
長野オリンピック冬季競技大会記念 | 38,000 | 91,000 | 129,800 | 15.6g | 55 |
天皇陛下御在位10年記念 | 41,000 | 122,000 | 165,000 | 20g | 200 |
2002FIFAワールドカップ記念 | 40,000 | 91,000 | 119,900 | 15.6g | 100 |
2005年日本国際博覧会記念 | 40,000 | 91,000 | ー | 15.6g | 70 |
天皇陛下御在位20年記念 | 80,000 | 122,000 | 164,890 | 20g | 100 |
東日本大震災復興事業記念(プルーフ貨幣) | 95,000 | 93,000 | 165,000 | 15.6g | 14 |
東京2020オリンピック競技大会記念(プルーフ貨幣) | 120,000 | ー | 198,000 | 15.6g | 40 |
東京2020パラリンピック競技大会記念 | 122,223 | ー | ー | 15.6g | 41 |
天皇陛下御在位30年記念(プルーフ貨幣) | 138,000 | ー | ー | 20g | 50 |
ラグビーワールドカップ2019日本大会記念(プルーフ貨幣) | 120,000 | ー | 248,000 | 15.6g | 10 |
天皇陛下御即位記念(プルーフ貨幣) | 140,555 | 147,000 | ー | 20g | 50 |
買取、販売の価格は状態により異なります。大黒屋では、「ブリスターパック入りもしくは硬化プラケース入りの商品に限ります。金貨のみの場合は−5000円となります。」との記載があります。
今回は大黒屋さんのHPから買取価格を得ました。販売価格が10万円以下のところは投資として面白そうです。
販売価格が10万円を超えてきているところでは、買取価格の情報が少なく、今回はメリットがでるか判断ができませんでした。
例えばスポーツなど自分の好きなカテゴリーの記念コインを集めると、あとでそのコイン見ると、そのイベントの楽しい思い出が甦ります。
記念コインはプチ投資としても楽しめます。
額面1万円の20gの金貨は、現在の金相場からの価値では140,000円と計算されます。
近年は、金相場が右肩あがりなので投資と考えた場合は、
金相場、発行時の販売価格、買取価格の傾向などを精査していけば面白いかもしれません。