パソコン歴は40年を越えました。5年以上メイン機種で活躍してくれたのがHDD搭載のLAVIEです。
昨年購入したSSDを搭載したマウスコンピューターは快適な速度です。でも比較すると画像の美しさや音のよさはLAVIEの方が上です。
LAVIEは、起動もストレージのアクセスも遅くストレスを感じます。そこで速度改善に挑戦してみました!
パソコンの速度は、CPU、メインメモリー、ストレージに依存します。CPUを変える、メモリーを増設する、HDDをSSDに変えるなどが根本的に速度を変える方法です。
今回はこれらの方法を使用しないで、HDD搭載のパソコンが、どの程度早くなるかチャレンジしました。
最初に、ざっくりとした結果を記載します。
今回の対策では、起動時間の改善はほとんど無し 6.6秒 ⇒ 6.3秒
今回は、タスクマネージャーでWindowsの起動が開始してからサイン画面が表示されるまでの時間の改善を測定しましたが、ほとんど改善されていません。
セキュリティソフト停止による効果
元々は電源がをONしてからパソコンが使用できるまで5分以上かかっていました。セキュリティソフト(カスペルスキー)を停止させることで、測定してみると1分15秒でサインイン画面が完了するまで時間が短縮されています。
また同時に全体的な動作も違和感が減りスムーズになった感じがします。
ハードを変えないのであればセキュリティソフトを停止させるのが、一番起動を早くしそうです。最近ではセキュリティソフトが不要という人も増えています。
参考記事「Windows11パソコンに有料セキュリティソフトは不要と言われているけど、どこまでが本当のこと!?」
速度向上の施策は主にウインドウズの設定がメインです。
・Cドライブ(システムドライブ)のアクセス速度はトータルで最大22%改善
・Dドライブ(データドライブ)のアクセス速度の変化はほとんどない
・連続したデータは速度改善、ランダムなデータは速度改善が分かり難い
ストレージのアクセスは連続したデータであれば10~20%程度の速度アップが望まれそうです。
速度改善の施策
今回行った速度改善の施策の一覧です。
起動速度 | ストレージアクセス速度 | |
①セキュリティーソフト停止 | 〇 | 〇 |
②Windowsアップデート | ▲ | 〇 |
③OSファイルのチェックと修復 | ▲ | 〇 |
④ハードディスクの空き容量を増やす | ▲ | 〇 |
⑤アプリのスタートアップを無効にする | 〇 | 〇 |
⑥ドライブのデフラグ(最適化) | ▲ | 〇 |
⑦バックグランドアプリ停止 | ▲ | 〇 |
〇効果があると予想されるもの、▲不明なもの
①セキュリティソフト:前述したカスペルスキーを使用していました。
②Windowsアップデート:Windowsが自動更新の設定になっていると最新版になっているはずですが、一応確認しましょう。
③OSファイルのチェックと修復:ハードディスクの破損や突然の電源終了、ウィルスの感染などによってファイルが破損することがあります。
Windows10、11には、システムファイルをチェックし、システムファイルの破損や不正な書き換えなどのトラブルを発見して自動的に修復してくれる機能として、DISM.exeとsfc/scannowがついています。
今回もこれを利用しました。
コマンドプロンプトでDISM.exeとsfc/scannowを実行した画面です。どちらのコマンドでも修復が行われています。
参考記事「DISM.exeとsfc /scannowでWindowsを修復する」
④ハードディスクの空き容量を増やす:今回はハードディスクの容量は半分ぐらいしか使用していなかったので、これによる効果は無かったようです。
具体的な削減方法は、使っていないアプリアンインストール、ディスククリーンアップ(一時ファイル削除)等々があります。今回も実施してみました。
⑤アプリのスタートアップを無効にする:Windowsの設定からスタートアップアプリ(起動時に立ち上げるアプリ)が登録されています。これを無効にすると、起動が速くなります。
でも特別時間がかかるものが入っていない限り、劇的な速度改善は望めません。
タスクマネジャーのスタートアップで立ち上げ時のアプリを有効にしたり、無効にしたりできます、また設定のアプリ⇒スタートアップでも可能です
⑥ドライブのデフラグ(最適化)
デフラグは、ハードディスク内の散在しているデータを一箇所に集めたり、小さな空きスペースをつめたりします。デフラグを行うと、ハードディスクの読み書きの回復が期待できます。
⑦バックグランドアプリの停止:Windowsではバックグランド動作しているアプリがあります。これらの中で不要なものを停止させると動作が速くなることが期待できます。
設定のプライバシー⇒バックグランドアプリで設定画面に行けます
その他にも、電源プランを変更、OneDriveを停止、アニメーションなどの視覚効果を無効にする、高速スタートアップ利用等々の方法が紹介されています。
今回の対象のLAVIEは、購入時はWindows8が搭載されていましたが、そのごWindows10にバージョンアップしました。メインのストレージはHDDで、メモリーは8Gです。
速度に影響するポイントについて抜いてみました。現在メインで使用しているmouseコンピュータを比較として記載しています。
型名 | NEC LAVIE NS700/C | mouse B5-R7 |
OS | Windows10 | Windows1.1 |
CPU | 第6世代 インテル® Core™ i7-6500U プロセッサー | AMD Ryzen™ 7 4800U プロセッサー |
メインメモリ | 8GB | 16GB |
ストレージ | HDD 約1TB(C:865GB、D:65.1GB) | C:SDD 2TB、D:2TB HDD |
mouseコンピュータはストレージとしてSDDを搭載しており、メインメモリーも16GBあるので、かなりサクサクと動きます。
それに比較すると、NEC LAVIEは、特に立ち上がりに時間がかかっています。
また幾つかのソフトを立ち上げて作業すると動きが遅くなります。恐らくCPUの処理やメモリーのパフォーマンスが追い付いていないようです。
パソコンの体感速度は、①起動時間と②ストレージへのアクセス時間に依存します。
起動時間はタスクマネージャーで測定します。
タスクマネージャーでは、Windowsの起動が開始してからサイン画面が表示されるまでの時間が測定できます。
タスクマネージャーのスタートアップタグの右上に起動時間が表示されます
イベントビューでも電源を入れて各周辺機器のチェックをするところからの時間が測定できるとのことですが、今回は上手く取れませんでした。警告などが発生してログができないと起動時間が残らないようなのですが・・
ちなみに重大の印が付いたときブート所有時間は150秒ぐらいかかっています。これは電源ONからサインインを通過する時間とほぼ同じくらいの値です。
参考にした記事はこちら
ストレージへのアクセス時間は、有名なCrystalDiskMarkで行います。
CrystalDiskMarkは、SSDやHDDに実際にテスト用のデータを読み書きさせ、一定時間内にどのくらい読み書きができるかを計測することで、速度を計測するソフトです。
画像はCrystalDiskMarkのShizuku Editionです。機能はノーマル版と同じです
CrystalDiskMarkの使い方やデータの意味はこちらのサイト参照してください。
測定はストレージを指定して、読み取り(READ)、書き込み(WRITE)速度を連続したデータとランダムデータで実際に読み書きして速度を測定します。
数字が大きい方が速度が速いことになります。
起動時間は変化はほとんどなかったので、ストレージへのアクセス速度についてのみ詳細を記載しています。
速度改善の施策を行ってCrystalDiskMarkで疎の速度を測定した結果を表にしています。
◆施策
①OSファイルのチェックと修復
②ドライブのデフラグ(最適化)
③バックグランドアプリ停止
施策は①から③の順で行っています。
測定データ(MB/s) | ||||
初期 | ① | ② | ③ | |
R_SEQ1M Q8T1 | 86 | 94 | 102 | 105 |
R_SEQ1M Q1T1 | 93 | 92 | 104 | 105 |
R_RND4K Q32T1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
R_RND4K Q1T1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
W_SEQ1M Q8T1 | 91 | 87 | 100 | 102 |
W_SEQ1M Q1T1 | 90 | 89 | 97 | 102 |
W_RND4K Q32T1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
W_RND4K Q1T1 | 1 | 0 | 1 | 1 |
次に改善率を計算した表です。シーケンシャル(連続)でのリード、ライトはランダムアクセスよりかなり速いのが分かります。
① | ② | ③ | トータル | |
R_SEQ1M Q8T1 | 9% | 9% | 3% | 22% |
R_SEQ1M Q1T1 | -1% | 13% | 1% | 14% |
R_RND4K Q32T1 | 2% | -1% | 5% | 5% |
R_RND4K Q1T1 | 4% | -4% | 0% | 0% |
W_SEQ1M Q8T1 | -5% | 15% | 1% | 11% |
W_SEQ1M Q1T1 | -1% | 9% | 5% | 14% |
W_RND4K Q32T1 | -13% | 4% | 7% | -3% |
W_RND4K Q1T1 | -56% | 143% | -3% | 3% |
シーケンシャルのリード、ライトは10から20%程度速くなっているのが分かりますが、ランダムのアクセスは誤差に埋もれているようです。
費用をかけて、SSDの追加やメモリの増設、CPU変更で劇的に速度改善が期待できます。
費用をかけずに速度アップをするなら、市販のセキュリティソフトを止めてMicrosoft Defender(Windows Defender)に頼ることです。
私もこの1年間はセキュリティソフトを止めていますが、特に問題は発生していません。
この次にくるのが今回行った施策です。設定の変更がメインなので簡単にできますが、その分効果は劇的ではありません。それでもシーケンシャルデータでは10~20%ぐらいの速度アップが期待できます。
自己責任の部分もあるので知識を入れて、自分に合った設定をしましょう!