どんな人でも年齢とともにベンチプレスのMAX値は下がっていきます。それは全日本レベルのアスリートでも同じです。
今回は、全日本の記録を基準に自分のレベルを評価できるツールを作成してみました。基準が日本記録なので、このツールは競技者、アスリート、筋トレ上級者向きです。初級・中級者の精度は落ちています。
このツールで分かったことは、トレーニングを継続して記録を維持していくと普通の人でもアスリートになれることです。ベンチプレスっていいですね!!
ツールの使い方は簡単です。
入力は年齢と階級・性別の選択のみです。入力を完了すると自動的に6つのレベル判定の基準値が表示されます。
その基準と自分のベンチプレスのMAX値を比較して、自分のレベルがどこにいるか確認しましょう!
<注意点>
◆各レベルの設定
各レベルの位置づけは、個人的な感覚で行っています。違うだろうという方もいらっしゃると思いますがご容赦ください。
・日本記録相当:各カテゴリーの日本記録から最小2乗法による線形近似で推定
・全日本レベル:全日本の競技会に参加できるレベル(実際には標準記録あり)日本記録相当の85%のパフォーマンス
・アスリートレベル:競技者として地方大会などに参加できるレベル 日本記録相当の70%のパフォーマンス
・筋トレ上級者:筋トレの上級者レベル 日本記録相当の60%のパフォーマンス
・筋トレ中級者:筋トレの中級者レベル 日本記録相当の45%のパフォーマンス
・筋トレ初級者:筋トレの初級者レベル 日本記録相当の35%のパフォーマンス
全日本クラスの競技会では日本パワーリフティング協会が標準記録を設定しており、参加するには事前のこの記録を越える必要があります。令和3年の標準記録はこちら
◆フォームによる補正
競技での記録をもとにしているので、挙上フォームによる簡単な重量補正をするとより精度がよくなります。
・お尻はベンチ台についているがボトム(胸)で止めなし ⇒ 5~10㎏の挙上重量のマイナス
・お尻はベンチ台についていない(ケツ上げベンチ)で止めなし ⇒ 15~20㎏の挙上重量のマイナス
基本データはノーギア(ベンチシャツを着ていない)の日本記録です。データは、日本パワーリフティング協会のHPのこちらにあります。
階級別に挙上重量とカテゴリー(年齢)関係から最小2乗法で線形近似線を引き、その近似式から推定挙上重量を予想しています。
グラフで見るとこんな感じです。
相関係の強さを表しているR2は、ほとんどが0.8以上で一部0.7台がありますが、概ね良好です。でもこの方法だと突出した選手や逆に記録が低調なカテゴリー(年齢別)があると精度が落ちます。
日本記録に挑戦するとか、全日本の大会に出る人にとっては、よい精度で自分のレベルが判定できそうです。
このツールで計算した例を表にしてみました。男子で多くの人が入る階級である、66㎏、74㎏、83㎏級を表にしました。
◆男子66㎏級
30歳 | 40歳 | 50歳 | 60歳 | 70歳 | 80歳 | |
日本記録相当 | 202.5 | 182.8 | 163.1 | 143.5 | 123.8 | 104.1 |
全日本レベル(85%) | 172.1 | 155.4 | 138.7 | 121.9 | 105.2 | 88.5 |
アスリート(70%) | 141.8 | 128.0 | 114.2 | 100.4 | 86.6 | 72.9 |
筋トレ上級者(60%) | 121.5 | 109.7 | 97.9 | 86.1 | 74.3 | 62.5 |
筋トレ中級者(45%) | 91.1 | 82.3 | 73.4 | 64.6 | 55.7 | 46.8 |
筋トレ初心者(35%) | 70.9 | 64.0 | 57.1 | 50.2 | 43.3 | 36.4 |
標準記録(参考) | 150 | 135 | 130 | 110 | – | – |
◆男子74㎏級
30歳 | 40歳 | 50歳 | 60歳 | 70歳 | 80歳 | |
日本記録相当 | 226.0 | 200.2 | 174.4 | 148.6 | 122.8 | 97.1 |
全日本レベル(85%) | 192.1 | 170.2 | 148.3 | 126.3 | 104.4 | 82.5 |
アスリート(70%) | 158.2 | 140.1 | 122.1 | 104.0 | 86.0 | 67.9 |
筋トレ上級者(60%) | 135.6 | 120.1 | 104.7 | 89.2 | 73.7 | 58.2 |
筋トレ中級者(45%) | 101.7 | 90.1 | 78.5 | 66.9 | 55.3 | 43.7 |
筋トレ初心者(35%) | 79.1 | 70.1 | 61.0 | 52.0 | 43.0 | 34.0 |
標準記録(参考) | 160 | 145 | 140 | 120 | – | – |
◆男子83㎏級
30歳 | 40歳 | 50歳 | 60歳 | 70歳 | 80歳 | |
日本記録相当 | 222.5 | 203.6 | 184.7 | 165.8 | 146.9 | 128.0 |
全日本レベル(85%) | 189.1 | 173.1 | 157.0 | 140.9 | 124.9 | 108.8 |
アスリート(70%) | 155.8 | 142.5 | 129.3 | 116.1 | 102.8 | 89.6 |
筋トレ上級者(60%) | 133.5 | 122.2 | 110.8 | 99.5 | 88.1 | 76.8 |
筋トレ中級者(45%) | 100.1 | 91.6 | 83.1 | 74.6 | 66.1 | 57.6 |
筋トレ初心者(35%) | 77.9 | 71.3 | 64.6 | 58.0 | 51.4 | 44.8 |
標準記録(参考) | 170 | 155 | 150 | 130 | – | – |
各レベルのイメージはいかがでしょうか、この3階級については、個人的にはあまり違和感がありません。
今回このツールを作成して、感じたのは、日本記録やアスリートのパフォーマンスは素晴らしいということです。
普通のスポーツジムでベンチプレスを100kgを挙げている人はあまりいませんが、競技をやっている人たちはその倍の重量を挙げています。
反面、年齢により挙上重量を落ちていきます。このため重量を維持しているうちに、私もいつのまにかかアスリートレベルです(自分で作った基準ですが)。
ベンチプレスって本当に楽しいですね!!