最近、ベンチプレスのSNSやYouTubeなどの動画を見ていると、MAXチャレンジなどで、ゆっくりと下している人がいることに気がつきました。
バーをコントロールしながら下しているとのことですが・・
バーをコントロールしながら、ゆっくり下すと何がよいのでしょうか? 一流のアスリートや自分の経験、物理法則から考えてみました。
以前一緒にベンチプレスをやっていた人は、MAXチャレンジのとき、ゆっくりゆっくり下し胸に着いたら速く押し返すベンチプレスを行っていました。
下すだけで 3~5秒でしょうか!?
下しながら胸が上がって(張って)きます。このフォームでMAX150kgまで挙げていました。
そして最近も、SNSでも同様にゆっくりと下している人を見ました。
こんなにゆっくり下すとそれだけで疲労してしまうのではないかと心配になります。
簡単には・・
◆ベンチプレスでゆっくり下すとは
ゆっくりおろす = 下しをコントロールする
ということです。
コントロールしながら下すことで、下したい位置に正確に下せタイミングよくはね返すことができます!
他にも色々なメリット、場合によりデメリットがでてきます。
探し方が悪いのか、ベンチプレスの下すスピードについて解説している動画は多くないようです。
一番体形的に解説しているバーストリミットの動画についてまとめてみました。
この動画で説明しているメリット、デメリットを表にしました。
ゆっくり下す | 早く下す | |
メリット | ボトムではね返すタイミングが取りやすい | 持っている時間が短い |
正しい位置に下しやすい | 瞬発を出しやすい | |
怪我し難い | ||
デメリット | 持っている時間が長い | はね返すタイミングがずれる |
重く感じる | 下す位置がバラケル | |
怪我しやすい |
この動画では、ゆっくり下すことは、大会にでるアスリートレベルの人は皆行っていると言っています。
ゆっくり下すという言い方があまりよくないのかもしれません。バーをコントロールしながら下すと言った方が正しいようです。
物理の法則から考えるとボトムで何が行っているの?
昔勉強したニュートン力学の公式を利用してボトムで何が起きているのか考えてみました!(間違っていたら教えてください)
ベンチプレスでバーを下すときは、早い遅いにかかわらず、ほぼ一定の速度で下りてくると仮定します。
重量mの物体が、速度Vで下してくるときの運動量Pは
運動量 P = mV
この動いている物体を止めるためには、力Fを時間Δtを加えると止めることできます(F×Δtのことを力積といいます)。
力積 I = F × Δt
運動量 Pの物体を力積 Iで止めるとすると
mV=F × Δt
です。
◆ボトムでパワーが必要!
バーを止めるのにかかる時間が同じならば、下りる速度が2倍になると押す力は2倍必要になります。
もし同じ力で押す場合は、バーを押す時間は2倍の時間になります。
言いかえれば2倍速度が速い場合は、下りてくるバーを2倍の力もしくは、2倍の時間で押すことになり、ボトムでかなりパワーを消費しそうです。
◆タイミングが取り難い!
2倍の速度でバーが下りてきたとき、それをはね返すタイミングを合わせるのも難しくなります。
倍の速度でバーが下りてくるので、当然タイミングが合わせる難易度も上がります。
セットでトレーニングを行うときには、1レップ目だけはゆっくり下して、その後は、目的に応じて下すスピードを変えています。
瞬発を効かせたいときは、全体に速めの動きになります。
コントロールできている時
1レップやMAXチャレンジの時は、ゆっくり目の下してなるべく早く押すことを意識しています。
でも測定してみると重さに少し余裕があっても2~2.5秒ぐらいで下しています。
これぐらいの速度で下せる範囲では、バーをコントロールしている体感があります。
下す位置やタイミングをある程度考えることができています。
体感的にはコントロールして下しています。下す速度は3秒弱です。2段フォームで下す位置の精度をあげています。重量は100kgです。
コントロール出来ていな場合
ほぼMAXの重量を挙げているときも、この2~2.5秒はほぼ変わりません。意外とコントロールできているのでしょうか?
自分でもコントロールができていないと感じるのは、
8レップのセットで最後の1レップで余裕がない場合は、下しが早くなり全身を使った瞬発力であげるときがあります。
かなり余裕がなくても、この挙げ方をすると、ほぼ挙がります。
下しをコントロールしている体感はないのですが、挙がるのです!
これって大丈夫なのでしょうか?
KE-TAさんの動画ではこれを称して、下す位置がずれる、怪我しやすいと警鐘を鳴らしてくれているようですが・・
初心者の方のベンチプレスを見ていると、下す位置や挙げる時の軌道がばらついているのが分かります。
これは、やはりバーを上手くコントロールできていないことが原因です。
大会などに出ているアスリートのベンチプレスを見ると本当にきれいに挙がっています。
バーをしっかりコントロールすることが、MAXの成功の確率を上げたり、次のステージに行くことにつながることは間違いなさそうです。