最近5レップ、5セットのトレーニングから、サイクルトレーニングに変更しました。
どちらも総重量としてはあまり変わりません。
最近の理論では、筋肥大はトレーニングの総重量に比例するというのが定番ですが・・
体の反応はかなり違うようです。
サイクルトレーニングで実感している反応を紹介します。
スポーツジムに通ったことのある人は、ジムのインストラクターから
筋トレで筋肥大させたいなら、8~10回がギリギリできる重量で3セット
がおすすめと言われたことがあるのではないでしょうか。
これは、「トレーニングによる筋肥大の効果を高めるには、最大筋力(1RM)の70%以上の強度で、初心者は8〜12回を推奨する」という
従来の理論に基づいています。
ところが、2017年に
「低強度でも高強度でも疲労困憊になるまで追い込み、総負荷量を同等に高めれば、筋肥大の効果に有意な差はない」
という総負荷理論が発表されると、最近ではこちらの理論の方が優勢になっています。
トレーニングの総負荷量とは、強度(重量)と回数、セット数を組み合わせた総量のことを指します。
総負荷量 = 強度(重量) × 回数 × セット数
で計算されます。
とはいえ
私のジムではビルダーたちが高重量で追い込んでいる姿が見られます。
また彼らはそれで、それなりの効果を出しています。
昨年、ベンチプレスの大会出場のため3kgのダイエットをしました。
残念ながら、このダイエットで胸の筋肉も落ち、パフォーマンスも落ちてしまいました。
大会も終わり、トレーニングも以前と同じ5レップ、5セットを行っていましたが
何故か体重は減量したままで、パフォーマンスも以前の状態にもどってきません。
この状態が半年ほど続いたため
トレーニングを見直して、8レップを行うサイクルトレーニングに変更しました。
すると、どうでしょう!
約1.5ヶ月で体重は73kg⇒74.5kgに増量しました。
全て胸に着いたわけではありませんが(半分はお腹)、胸も以前より大きくなり張りも出ています。
このことだけを考えると
トレーニングの総重量はあまり変わらないけれど
刺激を変えることで筋肥大が起こったように感じられます。
2つのトレーニングシンプルなモデルで比較すると
5レップ、5セット、セット重量95kgで週1回で1ヶ月の総重量は9、500kg
サイクルトレーニングで95kg、8レップ、2セット、メモリーセット97.5kg、5レップ、2セットを目指すトレーニングは
メインセット | メモリセット | ||||||
セット重量(kg) | レップ数 | セット数 | セット重量(kg) | レップ数 | セット数 | 総重量(kg) | |
1週目 | 87.5 | 8 | 2 | 90 | 5 | 2 | 2、300 |
2週目 | 90 | 8 | 2 | 92.5 | 5 | 2 | 2、365 |
3週目 | 92.5 | 8 | 2 | 95 | 5 | 2 | 2、430 |
4週目 | 95 | 8 | 2 | 97.5 | 5 | 2 | 2、495 |
総重量合計 | 9、590 |
となり、ほぼ総重量合計は同じになります。
実際のトレーニングでも総重量のイメージはほぼ同じで行っています。
もし、総負荷量理論が正しければ結果は同じでなければいけないのですが、
サイクルトレーニングの方が
体重増、胸の筋肉のつき具合、張り具合は明らかに異なっています。
現在では正しいと、支持が高い総負荷量理論ですが
何故この差が出たのでしょうか?
思い当たるのは
・毎回刺激が変わっている
・休養を取れる時期がある
の2つです。
5レップ5セットのトレーニングは、
筋肥大と神経系の両方に効くトレーニングといわれていますが
1日のトレーニングとしては単調です。
同じ重量でずっとおこなっている人が多いと思います。
それに対しサイクルトレーニングは、
毎回重量が変化(アップ)していきます。
更に、一日のトレーニングの中でもメインセット8レップ、メモリーセット5レップという変化もあります。
新しい刺激が常に体に与えられている状況です。
サイクルトレーニングは、セット重量が軽いときは、気持ち的にも、体力的にも余裕があります。
このタイミングでは、溜まった疲労をとることもできます。
他の運動や仕事の忙しさに合わせて重量のアップを上手く組むことができると
体力的、精神的に疲労感のあるときは高重量を扱うことを避けることもできます。
もちろんこの利点は両刃の剣で、下手をすると忙しいときに一番重たいセットを行わなければいけなくなったりもします・・
5レップ、5セットのトレーニングもサイクルトレーニングも長所と短所がありそうです。
いずれにしろ、記録が停滞したり、やる気がでないときは刺激を変えてあげることは
有効な手段と言えそうです。
総負荷量理論は正しいのかもしれませんが、心身の反応はもっと複雑です。