フィルムを使用していた一眼レフのカメラは高価で一度購入すると長期間使用するのが当たり前でした。
デジタルカメラに変わった当初は、精密な電気製品と同様に機能や性能の向上が著しく、同じシリーズでも数年に一度は新製品が発売されていました。
イメージセンサーの高画素化などはまさにその象徴です。性能・機能の開発競争が落ち着いた現在はどうなっているのでしょうか?
オリンパス ペンライトE-PL5を入手した! 仕様の変化は?
大昔のフィルムカメラの時代からオリンパスペンは有名です。その昔小学校のときに、友人が遠足に小型でカッコイイオリンパスペンを持っていたのを羨ましく感じていました。その後知ったのは、当時のオリンパスペンはハーフサイズカメラだったのです。
それからずっとオリンパスペンは憧れの存在でした。息子がほとんど使用していないオリンパスペンをメルカリに出すとのことなので、すぐに買取ました。
オリンパスペンは小型・軽量が特徴です。文庫本に比べてもこのサイズです。
おまけにズームレンズ2本ついています。標準レンズ14-42㎜と望遠レンズ40-150㎜がついています。
残念ながらオリンパスは2021年1月にカメラ事業をOMデジタルソリューションズに譲渡しました。新製品開発も行うようですが・・
今回手に入れたのは2012年11月に発売された、オリンパスペンライトE-PL5です。オリンパスペンは多くのラインナップがありますが、最新の機種のE-PL10とその主な仕様を比較してみました。
機種名 | E-PL5 | E-PL10 |
発売日 | 2012年11月 | 2019年11月 |
撮像画面サイズ | 17.3mm×13.0mm | 17.3mm × 13.0mm |
画素数 | 有効画素数 1605万画素 | 有効画素数 1605万画素 |
手ぶれ補正 | 内蔵式 | ボディー内手ぶれ補正 |
AF方式 | ハイスピードイメージャAF | ハイスピードイメージャAF |
シャッター速度 | 1/4000~60秒(1/3、1/2、または1EVステップで選択可能) | 1/4000~60秒(1/3EVステップ) |
モニター | 3.0型可動式液晶、約46万ドット(16:9) | 3.0型 可動式液晶、約104万ドット(3:2) |
それぞれの仕様の詳細は、E-PL5仕様、E-PL10仕様で確認できます。
仕様書には色々記載がありますが、決定的に大きな変化は何かは分かりませんでした。上の表でも液晶モニターの解像が上がっているのは分かりますが、他の部分はあまり変わっていないように見えます。
デジタルカメラの買い替え時期
内閣府が2021年4月8日に発表した「消費動向調査」を元にデジタルカメラの買い替えの動向を考えてみます。調査は二人以上の世帯で行っています。
デジタルカメラの技術がかなり成熟してきた近年では、約6年で買い替えがおきているようです。恐らく一眼レフやミラーレスなどの高価な機種はもう少し長いかもしれません。
買い替えの理由は、約50%弱が故障、40%弱が上位機種(恐らく後継機も含んでいる)への買い替えとなっています。カメラの故障個所は色々ありますが、代表的なのは、シャッター、バッテリー、三脚の取り付け部などが挙げられます。当然、使用頻度が高ければ、壊れる可能性も高まります。
画質に影響があるデジタルカメラの基本性能は、イメージセンサー、レンズ、画像生成プロセス(画像処理エンジンを含む)などです。
他にもAFや手振れなど画質への影響に与える要素は幾つかあります。
今回評価したカメラはミラーレスカメラのオリンパスペンライト E-PL5です。初心者向けの小型軽量が売りのカメラです。
ミラーレスカメラなので、レンズは最悪買い替えて使用すると考えると、イメージセンサーと画像生成プロセスを確認できれば使用可能かが判断できそうです。
イメージセンサーは仕様で画像生成プロセスは実写してみて確認(後述)してみました。
イメージセンサーについて
一般的には、イメージセンサーサイズが大きいほど、多くの光が取り込めるので画質がよくなると言われています。
スマホの画像は近年とても鮮明できれいになりました。でもイメージセンサーに注目すると、iphone13proなどで一部1/1.7サイズ相当のものも使用されていますが、多くのスマホのイメージセンサーの多くは1/2.3相当のものです。
アイアール技術者教育研究所「3分でわかる技術の超キホン イメージセンサーのサイズを比較して整理!種類と用途、画質との関係は?」より抜粋
オリンパスペンに使用されているイメージさんサーのサイズはフォーサーズサイズ(17.2×13㎜)です。
2019年11月に発売された最新のオリンパスペンE-PL10も同サイズのイメージセンサーが使用されています。ミラーレスでコンパクトを売りにする場合はできるだけ小さなサイズを使用したくなるのでしょう。
イメージセンサーも改良はされていると考えられますが、イメージセンサーによる改善点の記載がないことから、ここでの差は小さいように考えられます。
レンズを含めた画づくりの性能を実写で確認してみました。
比較対象として、標準レンズでの比較を富士フイルムのX-A5(標準レンズ15-45㎜)、望遠レンズでの比較をニコンのD5000と比較してみました。
富士フイルムのX-A5は2018年2月発売でイメージセンサーは、APS-Cサイズなので、年代的にもイメージサイズ的にも上位機種です。
ニコンのD5000 は、2009年5月発売でイメージセンサーは、APS-Cサイズです。当時、一眼レフの中級機に迫る入門機として人気がありました。D5000の望遠系のレンズは55‐200㎜ですが、E-PL5の望遠系レンズのテレ端の150㎜に合わせて撮影しました。
標準レンズでの比較
オリンパスペンライト E-PL5
富士フイルム X-A5
オリンパスペンライト E-PL5
富士フイルム X-A5
オリンパスペンライト E-PL5
富士フイルム X-A5
オリンパスペンライト E-PL5
富士フイルム X-A5
ブログに載せるサイズでは解像感にあまり差は感じられません。大きな差としては、色作りです。オリンパスペンライト E-PL5の方が、赤、青の色が鮮明な感じです。言い方を変えると富士フイルム X-A5の方が自然な色です。実際の色に近いのは、 X-A5の方です。
オリンパスペンライト E-PL5
ニコン D5000
オリンパスペンライト E-PL5
ニコン D5000
オリンパスペンライト E-PL5
ニコン D5000
望遠系でも色が濃い感じを受けるのはオリンパスペンライト E-PL5です。少しくらい感じも受けます。自然な感じなのはニコン D5000です。
オリンパスペンライト E-PL5は、色作りに特徴があり、青や赤が強くでているようです。この辺は写す側の好みもありそうです。
使用して感じたのは、富士フィルムのX-A5は、3.0型の液晶モニター(約104万ドット)が優秀で写したとき確認がしやすさです。E-PL5の液晶モニターはやや物足りない感じです。望遠系では、D5000に比べ E-PL5の圧倒的な小型・軽量の強みです。
旧式であることでの価格や特徴である小型・軽量を考えると日常使いで鮮明な色を求める時はおすすめのカメラです!
40‐150㎜のレンズをつけたE-PL5(右)と55‐200㎜のレンズをつけたD5000です。