我が家は、神奈川の市街地と山梨の里山で2拠点生活をしています。山梨の里山では、約11坪のキットのログハウスやウッドデッキ、バーコラなどをセルフビルドしました。
これらのものをつくるには、ほぼ3つの電動工具あればOKです。比較的大きいものを作るときは、趣味のDIYで使う工具では効率が落ちたり、結果として費用が多くかかったりします。
電動工具の選び方やおすすめの電動工具について紹介します。
当然のことですが、作るものが変わると道具も変わってきます。今回は我が家が実際に作成したものをベースに電動工具を考えてみました。材料は木材で直線加工がほとんどです。
里山の拠点である白州では、基本的は(セミ)セルフビルドで色々なものを作っています。神奈川の自宅でも幾つか作っていますが、こちらはいわゆるDYI用の工具で十分対応できるレベルです。
70㎜の角ログのキットのログハウス
広さは約11坪です。ログ材は、既に加工済みなので加工するのは、屋根材、床材、天井材などです。組み立てはほぼ全てドリルドライバーでビスどめです。
素人にとってはなかなかの加工、組み立て量で工具もハードに使います。
ウッドデッキ
屋根がないウッドデッキは、材料として耐久性の高い材料を使用します。我が家のウッドデッキは、イタウバとアマゾンジャラを選択しました。これらの材料は、ログハウスの材料とはことなり、加工性が悪く、重い材料です。
硬い材料の場合は、ビス止めするときに、下穴をあけるのは必須です。手間をかけないと最悪、板が割れてしまいます。
下穴を開けるときもドリルドライバーにドリルビットをつけて行うので、下穴用とビス止め用のドリルドライバーがないと効率は極端に落ちます。
バーコラ
こちらはツーバイフォーの材料を使って作っています。ツーバイフォーの材料は加工性がよいのですが、外で風雨のさらされると劣化が早くないります。このバーコラは現在、8年経っていますが、屋根がついているのでそれほど劣化少ないようです。
3つの電動工具は、ドリルドライバー、ジグソー、サンダーです。材料に対して特別な加工を行わなければ、この3つの電動工具があれば大抵のものは作れます。
その昔は釘を使うことが多かった時期もありますが、現在はビスを使って止めるが主流です。ログハウスやウッドデッキなど大物になると、時間短縮から、複数の電動ドライバーあると効率的に作業ができます。
我が家の場合は、ログハウスを組み立てるときは、作業者(私、嫁、息子)3人分の3台ありました。値段がやすくパワーが強い、聞いたことのないメーカー2台とボッシュのDIY用を1台を購入しました。
ログハウスが組み立て終わった頃に生き残っていたのはボッシュ製のみでした。2台はパワーが強かったので、ハードによく使用していましたが耐え切れず壊れてしまいました。
長時間継続して使うポイント
嫁は力がなく、ドリルドライバーの重さと、ビスを打ち込むときに上から押さえ込むことに苦戦していました。これは、長時間扱う場合は男性にとっても同じです。
◆長時間継続して使うポイントは
①重量が軽い
②工具のパワーが強い
③バッテリーの予備がある
この3つのポイントはドリルドライバーだけでなく他の電動工具にも共通です。
似た工具との比較
ドリルドライバーとよく似た工具でインパクトドライバーがあります。インパクトドライバーは、パワーがありトルクが強いという特徴があります。
一方ドリルドライバーは、スピードコントロールやトルク調整、色々なビットがつけられ色々な作業に対応できます。
両方もっているのがベストなのですが、プロでない人が一方だけを持つなら、間違いなくドリルドライバーです。
詳しくは、アクトツール「【徹底比較】インパクトドライバー とドリルドライバーの違いとは?」を参照してください。
プロ用か、DIY用か?
各メーカーではプロ用とDIY用を分けています。プロ用はDIY用に比べ耐久性、パワー、精度などの点で異なるといわれています。また大容量のバッテリーが用意されているのも特徴です。
ドリルドライバーの場合は、具体的に次のような用途では、プロでなくてもプロ用を使用することをおすすめします。
◆プロ用がおすすめの用途
①長時間使用する場合(耐久性)
②ログハウスの組み立てのように多くのビスを打つ場合(耐久性)
③長いビス(100mm以上)を打つ場合(パワー)
④硬い材料(ウッドデッキなど)に打つ場合(耐久性・パワー)
⑤音を気にする環境(静音)
長時間作業するためには、工具自体の耐久性はもちろんのこと、パワーがあると人に掛かる負荷はかなり軽減されます。これだけでもプロ用の工具を使う意味はあります。
私は里山での作業が多いので、音を気にすることはありませんでしたが、都市部で作業するときは、プロ用で静音のものを選ぶのがおすすめです。
当然、プロ用はDIY用より値段は高く、2倍以上の費用が発生します。
◆ドリルドライバーの選ぶポイント
①重量が軽いもの
②パワーがあるもの(プロ用)
③耐久性があるもの(プロ用)
④音が静かな物(プロ用)
⑤バッテリーの予備があるもの
ジグソーは板を切断する工具です。少ない量であればのこぎりやホームセンターに依頼するなどの方法もありますが、量が多くなったり、臨機応変に切断したいときはジグソーがあるととても便利です。
ボッシュのジグソーです。DIY用ですが、あまり困ったことはありません。
似ている工具との比較
よく比較されるのは、丸ノコや糸ノコです。丸ノコは、切断面はきれいなのですが、直線切りのみしかできなくて危険度も高いという評価です。糸ノコは、直線切りが苦手な上に、非力で今回のターゲットでは出番がほとんどありません。
ジグソーは切断面は、あまりきれいではありませんが、直線切りも曲線切りも可能でパワーもあり危険度も低い素人でも扱いやすい、すぐれた電動工具です。
基本性能
切断の能力(厚み):各メーカーは、135mm、110mm、90mm、65mmといったように切断能力(厚み)で製品を分類しています。厚い材料が切れる機種ほどパワーが強く、プロ仕様になってきます。
パワーのある工具は、作業効率をあげ疲労を軽減してくれるのは、ジグソーでも同じです!
AC電源かバッテリーか:以前はバッテリーのジグソーはパワーがないといわれていましたが、最近ではバッテリーでも強力な機種がでてきています。
切断する材料が多い場合は、バッテリーの準備はとても面倒なものになります。切断する場所にAC電源が準備できるなら、個人的にはAC電源のものがおすすめです。
基本的な機能:現在では、スピード調整機能や傾斜切断機能は、ほとんどの製品についています。格安品を購入するときはチェックしましょう!
便利な付加機能
ジグソーには使い勝手をよくするための機能がついている機種があります。
オービタル機能:オービタル機能は、ブレードが前後に動く機能です。オービタル機能を使うと上下に加えブレードが前後に動くので材を速くカットすることができます。切断面が粗くなるので、キレイにカットする時はオービタル機能OFFにします。
ジグソーのオービタル機能についてはこちらの記事を参照してください。
ブロワー・LEDライト機能:ジグソーを使っていると木くずで墨線が見えなくなることがあります。こんな時便利な機能がLEDライト・ブロワー機能です。
ブロワーは木屑を吹き飛ばしてくれ、LEDライトは明るいライトで墨線を照らしてくれます。
◆ジグソーを選ぶポイント
①切断能力が高いもの
②AC電源化バッテリーか
③オービタル機能がついているもの
④ブロワー機能がついているのもの
サンダーは、加工面などをきれいに研磨して仕上げる工具です。人の手で行うと多くの時間を費やす作業を短時間で行ってくれます。
またログハウスなどでは、汚れやカビなどを落とすのにも利用でき必須な工具です。室内で使用する場合は、吸塵パックが付いているものがおすすめです。
どのサンダーを選ぶか
サンダーは似たような工具はありませんが、研磨する相手によって色々なサンダーが用意されています。
丸い形のランダムサンダーやアイロン型のデルタサンダー、パワーがあるベルトサンダーがありますが、今回は平らな木材がターゲットなので四角いサンドペーパーを取り付けて研磨するオービタルサンダーがおすすめです。市販のペーパーが使用できるのでランニングコストが押さえられます。
リョービのオービタルサンダーです。2台あると効率的に使用できます。市販のペーパを利用しています。
ランダムサンダーはオービタルサンダーの機能の多くの部分を兼ねています。数倍の研磨能力がありますが、丸型なので角は研磨ができません。また専用のペーパーを使うためランニングコストは高くなります。
軽量なもの
サンダーを研磨面に置いて研磨する場合は問題ないのですが、ログハウスの壁など手で持って研磨する場合は、すぐに重さを感じるようになります。このようなシチュエーションが考えられる場合は、少しでも軽いものを選択しておくと用途が広がり、作業性も高くなります。
AC電源かバッテリーか
この項目も「軽量なもの」の項目と同じで、ログハウスの壁などを研磨する場合は、バッテリー駆動のものが便利です。多量な材料を研磨する場合は、AC電源の方が便利です。どのような使い方をするかで選択しましょう!
集塵機能
サンダーを使うと多くの研磨紛が出ます。研磨紛は、身体に害を及ぼす可能性があるため、集塵機能が付いているものがおすすめです。別に集塵機が必要なタイプの製品もありますが、おすすめはモーターの力を利用して不要な木の粉を容器に集めることができるタイプです。
音が静かなもの
電動サンダーは、大きな音が発生する工具です。そのため、できるだけ音の小さなものか回転数を調整できるものを選ぶのがおすすめです。
◆サンダーを選ぶポイント
①平板の研磨 オービタルサンダーがおすすめ、ランダムサンダーも候補
②軽量なもの
③用途に合わせてAC電源、バッテリーのものを選択
④集塵機能付きなもの
⑤静かなもの
ここで紹介する6つのメーカを抑えておけば、十分かと思います。低価格のもので揃えようという場合のみ他の選択肢がありそうです。
マキタ(makita)
世界シェアの20%、国内でのシェアが実に60%以上と圧倒的なシェアをもっています。マキタの電動工具は、安全性・耐久性とともに抜群です。またアフターサービスも強みです。
ハイコーキ(HIKOKI)
HiKOKIはもともと日立工機という名称で、2018年に社名とブランドを改めました。日本市場ではNo.2のシェア率を誇るトップメーカーです。
京セラインダストリアルツールズ(リョービ)
リョウビは、2018年にパワーツール事業(電動工具・ガーデン機器・清掃機器等)を京セラ株式会社へ譲渡しました。国内シェアは、3位です。
ボッシュ(BOSCH)
電動工具で有名なボッシュ(BOSCH)は、1886年にドイツで創業した老舗メーカーです。緑がDIY用で青がプロ用タイプです。プロ用はパワーもあり使いやすいので定評があります。
ドリルドライバー、ジグソー、サンダーの3つの電動工具だけでも本当に色々な種類があります。何といっても、何をつくるかで選択する工具は変わってくるので、今後も含めどんなものをつくるかを想像しながら選択するのがベストです。
プロでない人が、ハードに使用することを想定して選びました。軽量でパワーのあるものを選んでいます。
DF332DSMX | DF483D | ED 1108 | GSR 10.8V-35 | FDS12DAL | DDM1410L1 | |
メーカー | マキタ | マキタ | ボッシュ | ボッシュ | ハイコーキ | 京セラインダストリアルツールズ |
電圧 | 10.8V | 18v | 10.8V | 10.8V | 10.8V | 14.4V |
トルク | 32N・m | 40N.m | 30N・m | 35N・m | 38N・m | 34N・m |
回転数 | 0~1,500min-1 | 0~1,700min-1 | 0~1500min−1 | 0~1700min−1 | 0〜1,400min-1 | 0~1,100min-1 |
0~450min-1 | 0~500min-1 | 0~400min−1 | 0〜350min-1 | 0~300min-1 | ||
重さ | 1.1kg 含むバッテリー |
1.5kg 含むバッテリー |
1.0kg 含むバッテリー |
0.75 kg 本体のみ |
1.1 kg 含むバッテリー |
1.4㎏ 含むバッテリー |
分類 | プロ用 | プロ用 | DIY用 | プロ用 | DIY用 | プロ用 |
ジグソーは、作業はい一つの場所で行うことが多いのではないでしょうか、このためACの製品も入れています。バッテリーは充電も面倒ですし、費用もかかります。
型名 | JV103DSH | JV100DW | PST 800 PEL | GST10.8V-LIH | FCJ65V3 | AJ650VDL |
メーカー | マキタ | マキタ | ボッシュ | ボッシュ | ハイコーキ | 京セラインダストリアルツールズ |
電源 | バッテリー10.8V | バッテリー10.8V | AC | バッテリー18V | AC | AC |
切断能力 木材 | 90㎜ | 65㎜ | 80㎜ | 70㎜ | 65mm | 65mm |
重さ | 1,8㎏ 含むバッテリー |
1,8㎏ 含むバッテリー |
2,0 kg | 1.5㎏ バッテリーなし |
1.5㎏ | 1.8kg |
ストローク数 | 800~3,000 min-1 | 0~2,400 min-1 | 500 – 3,000 min-1 | 1,500 – 2,800 min-1 | 0~3,000min-1 | 0~3,000min-1 |
オービタル機構 | あり | あり | あり | あり | なし | あり |
ブロアー機能 | あり | なし | なし | なし | なし | なし |
分類 | プロ用 | プロ用 | DIY用 | プロ用 | DIY用 | プロ用 |
サンダーは、壁などを研磨面にサンダーを載せて研磨ができないところに使用する場合は、軽量でバッテーのものがおすすめですが、価格的には高くなります。
型名 | BO380D | BO3710 | GSS 18 V-LI | SV12SG | FSV10SA | AS555M |
メーカー | マキタ | マキタ | ボッシュ | ハイコーキ | ハイコーキ | 京セラインダストリアルツールズ |
電源 | バッテリー 18V | AC | バッテリー 18V | AC | AC | AC |
重さ | 2.1kg | 1.5㎏ | 1.0㎏ 含むバッテリー |
1.1㎏ | 1.3㎏ | 0.76kg |
パッド寸法 | 92×185mm | 93×185㎜ | 113×101㎜ | 110×100mm | 92×184mm | 75×105mm |
回転数 | 高速:12000min-1 | 11000min-1 | 22,000 min-1 | 14000min-1 | 11000min-1 | 10,000min-1 |
中速:8000min-1 | ||||||
低速:4000min-1 | ||||||
集塵機能 | 自己集塵機能 | 自己集塵機能 | なし | パッド穴集じん | パッド穴集じん | パッド穴集じん |
プロ用 | プロ用 | プロ用 | DIY用 | DIY用 | プロ用 |
実際に作り始めると、夢中になるのである工具でつくります。後で冷静になって考えてみると、適切な工具があればもっと効率よく作業ができたことに気が付きます。
電動工具を購入するときは、色々と想像して合った工具が選択できると、その後の作業が効率的になります。