懐かしの「高一コース」に連載された 手塚治虫の「日本発狂」と「ユフラテの樹」

その昔「高一コース」という高校1年生に向けた雑誌がありました。その雑誌には、手塚治虫、石ノ森章太郎、真崎守など日本を代表する漫画家が連載していました。

「日本発狂」と「ユフラテの樹」は、高一コースに連載されていた手塚治虫の作品です。

両作品とも手塚ならではの発想で描かれたユニークの作品です。久しぶりの読み楽しみました。

「高一コース」とは

国立国会図書館サーチによると、雑誌高一コースは、1963~1986年の23年間、学習研究社から発行されています。

その当時、中3時代など、中学から高校の各学年を対象とした雑誌が発売されていました。

高3生を対象とした、受験生向けた蛍雪時代などもありました。

その高一コースには、漫画が連載されており、「日本発狂」と「ユフラテの樹」もその作品です。

まんがseekによると、この2つの作品以外にも手塚治虫は「シャミー1000」という作品も連載していたようです。

この2つの作品は高校生向けの作品なのですが、現在、私が読んでも十分楽しめるおすすめの作品です。

大都社から単行本になっています。

「ユフラテの樹」

「ユフラテの樹」は、1973年4月~1974年3月に高一コースに連載されました。

ストリーと登場人物

◆ストリー

ユフラテの樹の実を食べると能力が覚醒し超能力を発揮するようになるという設定です。キリストやブッダもユフラテの樹の実を食べたらしいとのこと。

ユフラテの樹がある島へやってきた、高校生3人 大矢、鎌、シイ子は果実を食べ超能力を身につけるのですが・・

◆登場人物

鎌:百引高校1年の「オオヤカマシイ」3人組の一人。ユフラテの実を食べて念力が使えるようになる。

シイ子:百引高校1年の「オオヤカマシイ」3人組の一人。ユフラテの実を食べて天才的なピアノ演奏ができるようになる。

大矢:百引高校1年の「オオヤカマシイ」3人組の一人。ユフラテの実を食べて知能が高まる。

鎌 庄之助:鎌の伯父。飛行機事故で亡くなったと思われていたが、恵法場島で3人の前に姿を現す。

おすすめのシーン

3人組は、夏休みを利用して鎌の伯父が所有している南九州の孤島、恵法場(えほば)島を訪れ、ユフラテの樹をみつける。

ユフラテの実を持ち帰った3人は食べないことを約束していたが、全員がそれぞれの事情で実を食べてしまう。

再び恵法場島を訪れた3人は実を取ろうとするが、動物たちに阻止され火をつける。

3人は鎌 庄之助の怒りに触れ、命を奪われるが、その後どんでん返しが・・

「日本発狂」

「日本発狂」は、1974年4月~1975年3月に高一コースに連載されました。

ストリーと登場人物「日本発狂」

◆ストリー

主人公の北村市郎は、ある夜奇妙な大勢の人影を目撃します。

死後の世界では世界大戦が起こっており、死後の世界の人間たちが兵力を増強しようと、生きている世界の人間を連れていくということが起こっています。

北村市郎や記者の本田、ヒロインのくるみ(幽霊)がそれぞれの立場で活躍して自分の道を選んでいきます。

◆登場人物

北村市郎:主人公で通称イッチ。夜学校に通っている。終電間近の駅ホームで見かけた少女(くるみ)に想いを抱いている。幼い頃に死にかけ霊を感じやすい体質でもある。

松本くるみ:死んだ兄を追って駅のホームで自殺して幽霊としてイッチの前に現れる。

本田:雑誌記者。市郎の目撃談を信じるが幽霊たちに殺される。その後の幽霊の世界のことを現実世界伝えるが、危険人物とみなされる。

エチゼンガニ:イッチの学校の先生。栗原小巻のファンでイッチの理解者。ひげおやじほどではないが、他の作品にも登場するキャラクター。

おすすめのシーン

夜間学校の帰りに不思議な集団に出会う!

駅で見かけた少女(くるみ)がイッチの家にいた。

イッチがエチゼンガニ先生に栗原小巻のプロマイドを渡してお願いをする。

死後の世界から飛行物体が・・

イッチは死んでしまう、でもくるみも幽霊なので

世界大戦が起きている死後の世界から幽霊たちが、この世に移住してくる。

 

 

まとめ

2作品とも高校生を対象していて、主人公が学生であることが、何か新鮮さを感じる作品です。

でもストリーや発想はさすがの手塚治虫です。

幅広い手塚作品の中でも一つのジャンルを作っている作品です。

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