ジムでベンチプレスを行っている時に、初心者の人にバーはどの辺に下した良いか聞かれたことがあります。そんなに簡単な話ではないよ・・と思いつつ、みぞおちより少し上の方と言ってしまいました。
本当は、人によっても、その人のフォームによっても変わるのでそんなに単純ではないというのが本音のところです。
特にブリッジの高さや足の使い方の影響も大きいので自分で一番上げやすいところ探さなければいけません。
ベンチプレスでバーを下す位置については色々と言われていますが、概ねは、乳首からみぞおちの間で一番挙げやすい、もしくは力が出る位置です。
また人によってはブリッジを組んだ時に一番高い位置に下すとよいという人もいます。この理由は、高い位置に下すことで挙上距離を短くしてより重い重量を挙げることにつなげるためです。
フォームにもよりますが、一番高い位置に下すと力が入り難くなったりします。
黒い線がバーの位置です。バーをラックから外して上で待機するときの位置はベンチ台に対して腕が垂直で力を使わずにキープできる位置になります。その位置から胸に下します。
一番、左は下す位置が鎖骨に近く、おすすめではありません。一番の理由は、重量が肩にのり、肩を怪我するリスクが高くなります。ベンチプレスの肩の怪我は非常に多く、その多くは下す位置が鎖骨よりになっていることに起因します。
真ん中は、下す位置が乳首付近です。無難な位置ですが、この中で更にベストの位置を探す必要があります。
右は、下す位置がみぞおち付近です。ブリッジを組んだとき多くの場合一番高くなるのはみぞおち当たりになります。この場合は下すときに垂直ではなく足側に流すように斜めにバーを下します。
フォームによりバーを下す位置は変わります。より高重量を挙げたたいときは、フォーム全体との整合性をとる必要があります。
少し分かり難い画ですが、人がベンチプレスをやっている画とみてください。青い〇が人の頭です。頭の下の線がベンチ台です。その上に人が寝ていてブリッジをしています。●はバーを横から見た画です。
一般的なベンチプレスのフォーム
図の左は一般的なベンチプレスのフォームです。ある程度はブリッジをしていますが、それほど高いブリッジではありません。
バーを下す位置は真下ではなく少し足よりがベターです。真下に下すと肩に負荷がかかり安くなり怪我リスクが大きくなります。胸の筋肉も上側より、より筋肉量が多い胸の中心から下側の筋肉を使うほうがよりパワーがでます。
また挙げるときに足で挙げる方向に力を加えるレッグドライブというテクニック(無意識にやっている人も多い)あるのですが、この図のようにバーを下す方向が真下に近いと、足で踏ん張る方向も真上に近くなり、腰の浮きにつながります。
もちろん試合などに出ないで、重い重量を挙げることだけを目標にするのであれば、足で真上に踏ん張るのもOKですが・・
パワーフォーム
ベンチプレスのパワーフォームは競技にでる人たちの間で使われています。あるルールのもとにより重い重量を低い怪我のリスクで挙げるためのフォームです。
一般的なフォームとの大きな違いは、より高いブリッジを組むことで挙上距離を短くすることです。またブリッジを高くしたり怪我のリスクを下げるために、肩甲骨をベンチ台に対して立てます(寄せて下制させるという人もいます)。
このフォームの人の多くは、より足側、みぞおち付近に流すようにバーを下します。またレッグプレスで足を踏ん張る方向も角度がつくため腰が浮きずらくなります。
さっくりはこんな感じかと思いますが、ベンチプレスの達人たちは、それぞれ極意をもっておりより重い重量にチャレンジしています。
ベンチプレスの下す位置の説明は上記した通りなのですが、実際によいフォームを組もうとすると色々課題もあります。
ブリッジの柔軟性:私も含め多くの人が感じる悩みです。特に私は硬いのですが・・ 柔かい人のブリッジはしなやかで高く羨ましいです。
肩を使わないで挙げる:重量が限界に近いときや、セットトレーニングなどでレップが進むにつれて苦しくなると肩を使ってしまいます。
このため、肩甲骨を寄せて下制させるテクニックがありますが、実際にやっている時は、自分がどうなっている分かり難いです。意識としては、ベンチ台に垂直に肩甲骨を立てる意識を持つ方が分かりやすい感じます。
バーを下すときに足側に流す:肩を痛めかったり、体全体を使って挙げるためには足側に流す方がよいのですが、ポイントがずれてしまうと全く力が入らなくなります。
以前パーソナルで教えてもらっていた時、もっと下へ(足側)と何度も言われたのですが、足側に下すと力が入らないのです。今考えてみると、ブリッジが低すぎてバランスが崩れていたのです。
フォームによっては真下の方が挙がる?:足側に流すフォームも長い期間やってみたのですが、私は実際にMAX重量にチャレンジするときは、真下から気持ち足側に流して下すぐらいが一番パワーがでます。
フォームや人の差により一番挙がりやすいポイントがあるようです。ベンチプレスは単純なようでとても奥が深いのです。
ベンチプレスのフォームはとても奥が深く競技をやっている人でも試行錯誤をしながら、その時のベストのフォームを選んでいるようです。
より多くのの動画を観たり、自分のフォームを動画に撮って観てみるのがよいと思います。動画を撮ってみると意外な発見があります。
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