積雪期に山に登り始めてから2年目のころから、少しずつ山を楽しむことができるようになってきました。そんな時に槍沢から槍ヶ岳を登りました。
とても印象に残る山行でした。トラブルあり、悪天候あり、頑張りあり、そして槍の絶景でした。
雪の多い春山で長期停滞後に槍沢を長時間ラッセルしました。その後に見た槍ヶ岳の姿を格別でした!!
山に行くと毎回、新しいことに出会い、達成感もあります。でもその中でも特に長年経っても思い出す印象深い山行があります。
ではどんな山行が印象深くなるのでしょうか
◆印象に残る山行の条件
・自分が主導した山行
・ハプニングが起きた山行
・絶景が見られた山行
自分が主導した山行:このときもリーダーでした。自分で色々と考えなければいけないので当然印象も強くなります。
ハプニングが起きた山行:この山行もハプニングが起きました、そもそも奥穂高を目指したのですが、天候がくずれ、槍ヶ岳に目標を変えました。
絶景が見られた山行:絶景が見られ、そしてそれを写真に収めることができたとき、後から写真を見るので尚更印象深くなります。
元々は涸沢にテントを張り、涸沢から北穂高岳、奥穂高岳を目指す計画でした。
1日目 高尾発 6:15 ⇒ 松本 ⇒ 中の湯着 ⇒ 上高地 13:00 ⇒ 横尾 18:00
2日目 横尾発7:00 ⇒ 蝶ヶ岳 ⇒ 横尾着 13:00
4日目 横尾発5:30 ⇒ 涸沢9:30 ⇒ 北穂高岳 ⇒涸沢14:00
4日目 涸沢発6:00 ⇒ 奥穂高岳 ⇒ 涸沢 11:00
5日目 涸沢発8:00 ⇒ 上高地着14:30
実際に登った槍ヶ岳は、天候などで穂高に行けなかったときのサブプランでした。
◆ハプニングからスタート
そもそも、この山行は最初からハプニングが発生していました。5月のゴールデンウェークに入るということで、皆仕事に追われていました。
仕事が終わった後に皆で買い出しに行き、荷物を分配して、その後解散して自分の準備をしたのですが、後で確認すると寝たのは皆、午前3時すぎだったようです。
高尾6:15に間合ったのは5人中3人で、2人はギリギリ飛び乗りました。遅れた2人は特急で松本で合流しました。
その後も、沢渡で足止めをくって、ようやく中の湯行のバスに乗れホットしました。結局初日は、前日の疲れもあり、徳沢で力つきました。
2日目は、横尾まで歩き、その後計画とおり蝶ヶ岳をピストンしました。これで元々の計画に追いついたのですが・・
◆決断は必要!
3日目は、計画とおり3:30に起きると雨、仕方ないので再度眠りにつき6時頃に起きましたが、やはり雨・・この時期は雨も雪もあります。
涸沢から北穂や奥穂高岳は雪崩が多く、この雨で更にリスキーになった上、時間的にも厳しくなり決断が必要です!!
天候を確認すると明日も怪しそうです・・
そこで決断!! 槍ヶ岳を目指すことにしました。
槍ヶ岳であれば1日晴れれば登頂可能だからです。結局3日目は、槍沢小屋跡、ババ平付近にテントを張りました。
ここからならば、がんばれば、一日で山頂を目指せます。
でも4日目も天候が回復せず、雪と風の中テントの中で過ごすことになりました・・
そして5日目、ついに天気が回復、快晴です!
槍沢小屋跡は標高2000mぐらいなので、目指す槍ヶ岳の山頂までは、約1100mぐらい登る必要があります。
ルートのようす
無積雪期ならば、上高地から槍沢を通って槍ヶ岳を目指すコースは定番のコースです。2泊3日、もしくは3泊4日で登ります。槍沢からのコース案内はこちら。
5日目のルートの詳細を紹介します。
◆横尾からのコースタイム
横尾 ⇒ 槍沢ロッジ 1時間40分 標高1820m
⇒ 大曲 1時間40分 標高2094m
⇒ 天狗原分岐 1時間 標高2348m
⇒ 槍ヶ岳参照 2時間50分 標高3080m
⇒ 槍ヶ岳山頂 30分 3179m
槍ヶ岳山頂 ⇒ 横尾 5時間20分
雪のない時期のコースタイムでも出発地点の槍沢小屋跡から山頂までは5時間20分です。
横尾まで降りるとして 更に5時間20分の 合計10時間40分です。
更に昨日降った雪があるのでもっと時間がかりそうです。
◆実際のコースタイム
槍沢小屋跡出発 5:30 ⇒ 槍ヶ岳山荘着 11:30 ⇒ 槍ヶ岳山頂 ⇒ 槍ヶ岳山荘着 12:30
槍ヶ岳山荘発13:00 ⇒ 槍沢小屋跡 15:00 ⇒ 横尾 17:30
トータル行動時間 12時間
この日はガンバリました! 槍ヶ岳山頂まで無積雪期のコースタイム5時間20分に対し行動時間で6時間30分ぐらいでした。
5人のパーティで場所によっては腿ぐらいの雪をラッセルしながら突き進みました。1人ラッセルが強いメンバーがいて、2番目に変わる頃には、2番目のメンバーは、バテバテになっていました。
前日までに十分体力を蓄えたとはいえ、ずいぶんと頑張りました。
槍沢をひたすら登ります。
正面に蝶が岳が見えています。
大分登ってくると雪に覆われた常念が見えてきています。
そしてついに肩の小屋まで到着!
槍の肩から穂先を写しました!
槍ヶ岳は、春、夏、秋と登りましたが、この時の印象が一番強く残っています。
予期せぬトラブルあり、最高の眺めもあり、そして頑張りありと、途中の悪天候で諦めた穂高にかわり槍ヶ岳に登れたことは最高でした。
また印象に残る山行ができたらと思っています。