ベンチプレスを始めて挙上重量が増えてくると自分のレベルがどれ位なのか気になってきます。 90㎏があがればとか、体重の1.2倍あがれば中級などと言われていることもありますが!? なかなかそんなに単純なものでは無いようです。
パワーリフティングの競技会などでは体重が違う人の比較をするときに、フォーミュラーと呼ばれるものを使っているようですが、少し分かりずらい感じです。
いろいろと調べたり、考えてえみたので報告します。
・単純な挙上重量や体重比ではだめなの?
・まとめ
関連記事「ベンチプレス ウィルクス・フォーミュラを使って記録を比較してみた」
フォーミュラーとは
パワーリフティングの大会では、体重によって記録が大きく変わります。全階級を通じて誰が一番強いか、体重が違う人を比較するために作られたのがフォーミュラーです。挙上重量に体重ごとに異なるフォーミュラー係数をかけて求めた値がフォーミュラーです。このフォーミュラーで比較して順位を決定します。
フォーミュラー係数は、世界中の選手の記録から体重の関係を集計し求めています。具体的にはここでは触れませんが、実際には、近似式(多項式)で求めています。
このフォーミュラー係数が万能かと言われると、体重が軽い方が有利に働く場合があるようです。また係数自体は定期的に見直されているそうです。
現時点では、このフォーミュラー係数が公式の試合などでも使用されており正規なものです。とは言え、試合に出ないでベンチプレスを楽しむ人に取っては身近なものではありません。挙上重量そのものや体重の何倍の方が直観的で分かりやすのも事実です。
今回フォーミュラーを計算に使用したサイトです。
単純挙上重量や体重比ではだめなの?
挙上重量自体の比較や体重比(挙上重量/体重)では、どれ位問題があるか、フォーミュラーとの比較で調べてみます。
個人的な感覚では体重75㎏の人が1repで90㎏挙がれば、中級レベルかなと思います。
単純挙上重量での比較
単純に挙上重量を考えてみます。柔道などの格闘系の人で力自慢の人でも、全くベンチプレスをやっていないと90㎏を持ち上げる人はあまりいません。その意味では90㎏挙上できる人は中級といえるでしょう。でも体重の影響はどれくらいあるのでしょうか?
下の表に体重の影響をまとめてみました。左から、1列目は、対象者の体重。2列目は、対象者が90㎏を挙げた時のフォーミュラーです。3列目は、体重75㎏の人の挙上重量90㎏に相当する対象者の挙上重量(体重50㎏の人の62.5㎏は、体重75㎏の人の90㎏と同じ)。4列目は、対象者が3列目の重量を挙げてときのフォーミュラーです。
挙上重量90㎏は、体重が50㎏から120㎏の人の各々のフォミュラーは40ぐらい違います。
フォーミュラー40の違いはどれ位の差?
体重75㎏の人の挙上重量が90㎏と120㎏の差は21.4ですので40はとておも大きな値です。
体重kg | 重量90㎏の時のF | 90㎏相当の重量kg | 3列目の重量のF |
50 | 92 | 62.5 | 64 |
60 | 76.7 | 75 | 64 |
70 | 67.4 | 85 | 63.7 |
75 | 64.1 | 90 | 64.1 |
80 | 61.4 | 92.5 | 63.1 |
90 | 57.5 | 100 | 63.8 |
100 | 54.8 | 105 | 63.9 |
110 | 53 | 110 | 64.7 |
120 | 51.7 | 112.5 | 64.7 |
フォーミュラーの差 -40.3 |
こんなデータだけでも、単純な挙上重量での比較はNGであることが分かります。
挙上重量/体重 比での比較
次に、挙上重量と体重の比で考えてみます。体重の1.5倍挙がれば上級者などと聞いたことはないですか?
確かに自分の体重の1.5倍の重量が挙がるのはすごいことなのですが、
体重の違いの影響はないのでしょうか?
私の中では、体重75㎏ならば、90㎏が挙がれば中級、120㎏があがれば上級のイメージです。これを体重比で考えると、中級は、体重の1.2倍、上級は 体重の1.5倍です。なんか、いい感じです。
他の体重の人でも同じでしょうか、ここでもフォーミュラー係数を使って考えてみます。左から、1列目は、対象者の体重。2列目は、中級者(体重の1.2倍)の挙上重量。3列目は、2列目のフォーミュラー。4列目は、上級者(体重の1.5倍)の挙上重量。5列目は、4列目のフォーミュラーです。
体重kg | 中級kg | 中級F | 上級kg | 上級F |
50 | 60.0 | 61.4 | 80.0 | 81.9 |
60 | 72.0 | 61.4 | 96.0 | 81.9 |
70 | 84.0 | 62.9 | 112.0 | 83.9 |
75 | 90.0 | 64.1 | 120.0 | 85.5 |
80 | 96.0 | 65.5 | 128.0 | 87.4 |
90 | 108.0 | 68.9 | 144.0 | 91.9 |
100 | 120.0 | 73.0 | 160.0 | 97.3 |
110 | 132.0 | 77.7 | 176.0 | 103.6 |
120 | 144.0 | 82.8 | 192.0 | 110.4 |
フォーミュラーの差 21.4 |
この表で確認すると、
60㎏の体重の人は、中級は72㎏、上級は96㎏の挙上重量です。
90㎏の体重の人は、中級は108㎏、上級は144㎏の挙上重量です。
感覚的にどうでしょうか?
この範囲ではそれほど違和感はありません。フォーミュラーで7.5の差です。
中級レベルで体重50~120㎏でフォーミュラーの差をみてみると21.4です。
先ほどもでてきたのですが、この21.4は、75㎏の人に換算すると 挙上重量は90~120の差があります。
すごい差ですね・・
単純な挙上重量だけの比較より差は減って(フォーミュラーで約1/2)ですが、まだまだとの感じです。
体重はパワーですね・・
ベンチプレスの基準が載っているサイト Strength level
ネットでベンチプレス中級の記事を確認していると、ベンチプレスの基準が載っているサイトがあるのを見つけました。このサイトのデータはなんと2,100万人のリフターをもとにしていると書かれていました。ベンチプレスだけでなく、スクワットやデッドリフト他9種目が載っていいるのでベンチプレスのデータはもう少し少ないと思いますが・・
このサイトの中級のデータをフォーミュラー係数と比べてみました。
体重 | 中級レベル重量㎏ | 中級レベルのF | 体重比の中期重量㎏ |
50 | 57 | 58.3 | 60 |
60 | 72 | 61.4 | 72 |
70 | 85 | 63.7 | 84 |
75 | 92 | 65.6 | 90 |
80 | 98 | 66.9 | 96 |
90 | 111 | 70.9 | 108 |
100 | 122 | 74.2 | 120 |
110 | 133 | 78.3 | 132 |
120 | 143 | 82.2 | 144 |
フォーミュラーの差 23.9 |
フォーミュラーで23.9の差がでています。この差は体重比の評価とほぼ同等かやや大きい感じです。このサイトのベンチプレスの中級レベルは、体重比で評価したものとほぼ同等の感じです。
まとめ
今回ベンチプレスの中級レベルについて考えてみました。厳密に考えるとなかなか難しいですね。60㎏~90㎏の体重ならざっくり、体重に1.2倍挙げられれば、中級レベルと考えていいのではないでしょうか
ベンチプレス中級について、今回の調査や考察で分かったこと
・公式には体重が違う人を比較するにはフォーミュラーという指標がある。試合などに出る人はこれを使用するのがよい。
・ベンチプレスなどのパワー系の競技は体重による影響が大きいので、単純な挙上重量比較はあまり意味がない。
・挙上重量の体重比での比較はよく行われるが、体重が軽い人と重い人の差は大きそうである。個人的な感覚からずれてきている。
・Strength level のサイトにベンチプレスの強度基準があります。これは、体重比のレベルとほぼ同等です。
◇◇◇ベンチプレス強くなりたい人におすすめ記事◇◇◇
「ベンチプレス100㎏を目指す人、筋トレをしっかりやりたい人におすすめのジムは!?」
解決するには
https://bench-press.info/formula-coefficient/
こちらが良いと思います。(^^)
年齢を加味したフォミュラーを初めてみました。それにしてもこのサイトは凄いですね。ベンチプレス好きにはたまらないサイトです。じっくり見させてもらいます(^^♪