最近ベンチプレスで肩を痛めました。バーの握りにも原因があるようです。
ベンチプレスを行うときのバーを握るときの手首は、「立てる」、「寝かす」のどちらが正解でしょうか?
多くの有名パワーリフターやベンチプレッサーがYouTubeなどで手首は寝かせるのが正解と明言しています!
では何故立てる・寝る論争がおこるのでしょうか?
関連記事「ベンチプレス バーの握り方、握り幅について考えてみた」
少し個人的見解も入りますが、この論争の結論は
目的やフォームに合わせて手首を「立てたり」、「寝かせたり」する
です。
パワーリフターやベンチプレッサーのように、テクニックを駆使してより重たいものを挙げたい人は、手首を寝かすのが正解です。
ボディーメイクを目的にしている人や初心者は手首を立てるのが正解です。
パワーフォームを組んでいる人:より重たい重量を挙げることを目標とするパワーリフターやベンチプレッサーでパワーフォームと呼ばれるブリッジをより高くするフォームやそれに準じたフォームを組んでいたり、組みたい人は手首を寝かせます。
児玉大紀さんの動画では、レジェンドがとても分かり易く解説してくれています。
KE-TAさんの動画もとても分かり易く、スッキリと入ってきます。
ブリッジを作らないもしくは低い人:胸や肩に効かせるのがベンチプレスの目的でブリッジを作らない人や初心者でブリッジが低い人は手首を立てます。
この場でも怪我をしにくいと言われる肘の角度が45°ぐらいで下すのがよいのですが、ブリッジを作らないで挙げるときは肘を広げて挙げる方が力が入り易くなる(肩や胸に効く)ので、肘が開く傾向が強くなります。実際のベンチプレスのフォームの解説の動画でも肘を水平(90°)ということを推奨している場合があります。
手首を立てて肘を開くフォームでは肩や肩甲骨が頭側に上がり、肩を使って挙げるフォームになり肩を痛める原因になるので注意が必要です。
手首を寝かせる理由に、肩が前(上)に出にくい、肩甲骨を下制し易い、ブリッジと組み合わせて足を使うとより高重量を扱える。またその結果として怪我がしにくいなどのメリットがあります。
では、手首を立てるメリットは何でしょうか?
手首を立てると、肩などの怪我はしやすくなりますが同じ重量では、より肩や胸に効くフォームをつくれます。このためボディーメイクではこちらを推奨しているようです。
ノーリミッツ三土手さんのYouTubeによるとウエイトの教科書に「立てる」ようにかかれているそうです。
またレジェンドである山本さんのYouTube動画や大手ジムのベンチプレスのやり方を紹介した動画でも手首を立てることを推奨しています。
これって、立てる方が主流?? と思える情報があります。
でも残念なことに明確な理由は記載されていません。
あえて考えるならば、バディーメイクでブリッジを高く組まない場合は、真下に下すベンチプレスの方が胸や肩への効きがよく、また真下に下す場合は、手首を立てた方が、より安定するからではないでしょうか。
またもう一つの理由は、手首を寝かして、バーが小指側の尺骨の上にのっていないと手首を痛めるからです。でも手首を立てても尺骨にのせることはできます。ベンチプレスの握りは、立てる、寝かせるにかかわらず、小指側の骨(尺骨)に載せるのが基本です。
但し手首を立てる場合で尺骨にうまくのせられない場合は、親指の付け根が痛くなる場合があります。この場合は親指の付け根に重さがかかっているので尺骨側にのせるようにしましよう!
よりお腹側に下す上級者の中に尺骨の上ではなく手のひら側に載せる人もいます。これはよりお腹側に下しやすくするテクニックです。このやり方はやはり手首を痛めるリスクは高くなるのは事実のようです。
実は、最近手首を立てて肩を痛めました。参考にその経緯を記載します。
数ヶ月前までは、よりお腹側にバーを下して、足を使う練習をしていました。いわゆるレッグドライブです。
足を使ってMAX更新を目指しました。120㎏まではこれで挙がりました。でもこの重さは他のフォームでも何度も挙げていて記録が伸びた訳ではありません。色々なフォームを試してみても記録が伸びない状況が継続していました。
そこで・・
元々前肩や三頭筋が強く、それらを使って挙げるタイプだったので、原点に返るつもりで三頭筋や前肩の補助トレを始め、自分の長所を伸ばす方向に舵を切り直しました。
そして、再び120㎏を挙げて、伸びが止まりました・・
この時のフォームは、より前肩や三頭筋を使って挙げるため、真下に下すことを意識していました。セットの時は手首も立てていました。軽い重量のときも手首を立て行うことで肩にはダメージが蓄積されていたようです。
そして肩が痛くなったのです・・
また、この前後で、グエンプログラムで今話題になっているグエンさんの動画をみたのも影響を受けているかもしれません。ロング・グエンさんは70kgの体重で186kgを挙げています。
グエンさんのフォームはブリッジはなくベタ寝です。画像は、挙上前の状態です。手首はまっすぐ立っています。
こちらの画像は一度胸まで下して、挙げたあとです。バーはしっかりと尺骨にのっています。手首は若干寝ていますがほぼ立っている状態です。
グエンさんのYouTube動画はこちらです。
グエンさんのフォームを見て分かるように、手首が立っていても高重量を扱うことはできます。立てる、寝かせるは重量ではなく、挙げるときのフォームに依存しているようです。
ポイントは、フォームとの関係です。特にブリッジの高さにより手首を立てる、寝かせる使い分けることです。
ブリッジの高さやその人の柔軟性により、力が入り易い下す位置があります。より足を使い易いお腹側に下すときは、手首を寝かした方が力が入るし安定します。
ベンチ台にベタ寝をして(ブリッジをつくらない)バーを下すと、下し易いのは真下です。足を使おうとして、よりお腹側に下そうとすると力が入り難くなります。また、真下に下す場合は手首を伸ばした方が、下しやすく安定します。
より重い重量を挙げたい人の大事なテクニックは、挙上距離を縮めるテクニックです。高いブリッジをつくるとか、肩を前に出さないというテクニックです。
何よりも高いブリッジをつくると、お腹側に下す方が自然で力が入ります。また同時に足が使え高重量が扱えます。
高いブリッジを組んでバーを真下に下そうとすると、肩甲骨の下制がし難い上に肩が頭側に上がってしまい肩を痛めるリスクが高まります。また、お腹側に下すと下制がし易く肩が前に出なくなり挙上距離を短くするのに有効です。
では、重量を少しでも伸ばしたい人がフォームを決めるにはどうすればよいでしょうか?
極端なパワーフォームを組めない人でも、現在できるブリッジをつくり、手首を寝かして、自然に下して、上げるときに力が伝わり易い位置を探します。この動作を重量を上げながら繰り返すことでフォームを固めていきます。
下す位置がお腹側過ぎると力が入り難くなるので、それで簡単に判断できます。
ボディーメイクの人でもある程度ブリッジを作った方がより高重量を扱え極端にお腹側に下さなければ胸に効かせるフォームがつくれます。
この場合も、やや手首を寝かせ小指側の尺骨に載せることを意識して行うのがおすすめです。
手首を「立てる」にしても、「寝かせる」にしても、高重量になると手首を痛める可能性があります。これを守るためにはリストストラップを必需品です。
おすすめのリストストラップを紹介します。