長年IPF主催のベンチプレスやパワーリフティングの試合で使用していたウィルクス・フォーミュラは、精度向上したIPF GLポイントに変更されました。
このツールを使用すると、大会などに出ない人でも、体重の異なる人と強さの比較ができます。
挙上重量を争う競技は体重の影響は大きいです。 一度このツールを使って比較してみましょう!
このツールを使用すると体重に依存しない強さのスコアが計算されます。
ツールで計算してみると!
体重74kgの人の100kg挙げる強さは・・GLポイント 53.33
体重59kgの人の88kg(GLポイント 53.1)
体重120kgの人の126kg(GLポイント 53.16)
と同じ強さです!
IPF GLポイントは、ウィルクス・フォーミュラ比べ精度を向上させています(より強さを公平に評価しています)。
ウィルクス・フォーミュラは軽量級の人に有利という評価があり、体重が軽い人がフォーミュラ値が高くなることが知られていました。また最重量級の方もやや有利に働いているとも言われています。
どちらもスコアは
スコア = 係数 × 挙上重量
の式で計算されます。
2つの指標は、この係数の計算方法が異なります。
ウィルクス・フォーミュラは、係数は性別のみで異なります。係数は2種です。
IPF GLポイントは、性別に加えて、種目(ベンチプレスのみ、3種目)、ギア(ギアなし、フルギア)で条件を分けて6種の係数があります。
*3種目はパワーリフティングのベンチプレス、スクワット、デッドリフト3種目です。
より条件を細やかにすることで精度が向上しています。
ウィルクス・フォーミュラの計算ツールはこちら
ツールを使って100kgと120kgで比較してみた!
なかなか2つの指標の差は分かり難いので表を作成してみました!
体重74kgの人が100kgを挙げる強さをベースに、体重が異なる人が何kg挙げると同等の強さがあるか確認した表です。
体重 | IPF GL ポイント | ウィルクス・フォーミュラ | ||
挙上重量 | GL ポイント | 挙上重量 | フォーミュラ | |
59㎏ | 88 | 53.1 | 83 | 71.89 |
66㎏ | 94 | 53.32 | 92 | 72.24 |
74㎏ | 100 | 53.33 | 100 | 71.93 |
83㎏ | 106 | 53.24 | 108 | 72.09 |
93㎏ | 112 | 53.14 | 115 | 72.24 |
105kg | 119 | 53.28 | 120 | 71.71 |
120㎏ | 126 | 53.16 | 125 | 71.86 |
IPF GLポイントの方がウィルクス・フォーミュラより59kg、66kg、120kgでより重たい重量を挙げる必要があります。逆に83kg、93kg、105kgでは同等の強さでは挙げる重量は軽くなっています。
体重74kgの人が120kgを挙げる強さをベースに、体重が異なる人が何kg挙げると同等の強さがあるか確認した表です。
IPF GL ポイント | ウィルクス・フォーミュラ | |||
挙上重量 | GL ポイント | 挙上重量 | フォーミュラ | |
59㎏ | 106 | 63.96 | 100 | 86.62 |
66㎏ | 113 | 64.09 | 110 | 86.37 |
74㎏ | 120 | 64 | 120 | 86.32 |
83㎏ | 127 | 63.79 | 129 | 86.11 |
93㎏ | 135 | 64.05 | 138 | 86.69 |
105kg | 143 | 64.03 | 145 | 86.65 |
120㎏ | 152 | 64.13 | 150 | 86.24 |
今回もまた、IPF GLポイントの方がウィルクス・フォーミュラより59kg、66kg、120kgでより重たい重量を挙げる必要があります。逆に83kg、93kg、105kgでは同等の強さでは挙げる重量は軽くなっています。
この重量が多くなる、少なくなるは、どこの体重をベースにするかで変わってきますが、新評価ツールでは、軽量の人や最重量が有利というところを修正しているようです!
この新しい指標であるIPF GLポイントは、ベンチプレスやパワーリフティングの大会で使われており、現時点では正式なものといえます。
このツールで計算されたスコアが自分の強さになるので定期的に確認すると、自分の強さの推移が分かりモチベーションが上がります!