バセドウ病が発覚して、24週目の検査を先日受けてきました。前回は血液検査の3つの指標 FT3、FT4、TSHは基準値内に入っていました。TRAbは未測定です。 今回は、FT3 はH側に、TSHはL側に振れています。TRAbは基準値内です。指標は基準値内に入ったり出たりです。 バセドウ病は改善されているのでしょうか? 血液検査の各指標の関係や優先的に考える指標はどれかを調べてみました。
・24週目の検査結果を考えてみた
・まとめ
バセドウ病 血液検査指標
バセドウ病の血液検査でよく指標として使われているのは、FT3、FT4、TSH、TRAbの4つです。 それぞれの指標の意味や関係は一般の患者には分かり難いです。
血液検査をするたびに、基準値範囲の上側になったり下側になったりして、良くなっているのかよく分かりません。それぞれの指標を調べてみました。
FT3、FT4 甲状腺ホルモン
甲状腺ホルモンはT3、T4の2種類があります。血液中ではほとんどが蛋白と結合した型で存在します。一部が遊離した型で存在し、フリーT3、フリーT4(FT3、FT4)と呼ばれています。 甲状腺の検査は蛋白の影響を受けないこのFT3 、FT4を使います。
甲状腺から分泌されるホルモンはほとんどT4ですが、肝臓などでT4がT3に変換されることによってホルモンとしての働きを発揮するようになるそうです。このため、甲状腺のホルモン合成能力を調べるにはFT4、甲状腺ホルモンの全身への作用の程度を調べるにはFT3を測定します。
FT4:甲状腺のホルモンを作る能力を調べることができる。
FT3:甲状腺ホルモンの全身への作用の程度を調べることができる。
TSH 甲状腺刺激ホルモン
TSHは脳下垂体から分泌されるホルモンで、甲状腺を刺激して甲状腺ホルモンの分泌を増やす作用があります。脳下垂体は血液中の甲状腺ホルモンの量を監視していて、 甲状腺ホルモンが足らないとTSHの分泌を増やして甲状腺を刺激します。甲状腺ホルモンが多すぎるとTSHの分泌を減らして甲状腺への刺激をストップします。
TSHを測定することで甲状腺ホルモンの過不足を知ることができる。
TRAb 抗TSHレセプター抗体
TRAbはバセドウ病における甲状腺機能亢進症の原因といわれています。TRAbがTSHと同じように甲状腺を刺激することにより発症する自己免疫性疾患であることが分かっています。
バセドウ病は甲状腺に対する異常な免疫反応により、甲状腺を刺激する抗体(TRAb、TSAb)が作られ、その抗体が甲状腺を刺激することで甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。 甲状腺ホルモンが高くなっている場合に、これらのいずれかの抗体が陽性であればバセドウ病と診断します。
TRAbは、バセドウ病の原因
通常の人の甲状腺ホルモンの出方のイメージ:甲状腺ホルモンは通常は必要に応じて「甲状腺刺激ホルモン(TSH)」が甲状腺にある受容体(かぎ穴・TSH受容体)にはまることで分泌されます。
バセドウ病の人の甲状腺ホルモンの出方のイメージ:バセドウ病でTSH受容体にぴったりはまる抗体(TRAb、TSAb)が作られてしまい、必要以上に甲状腺ホルモンを分泌させてしまいます 。
今回参考にしたHPです。岡本甲状腺クリニック、隈病院、hareco.net
24週目の検査結果を考えてみた
今回調べた内容をもとに24週目の血液検査の結果について考えてみました。
バセドウ病発覚後の血液検査の結果一覧
表の赤字はバセドウ病で基準値の範囲を超えているところです。青字は、薬(メルカゾール)が効いて甲状腺機能低下症のような症状がでているところです。
8週間後の検査では、甲状腺ホルモンのFT3は基準値以下になり甲状腺機能低下しているようになっていますが、バセドウ病の原因であるTRAbは10.9と高く基準値を大きく超えています。薬で甲状腺ホルモンが抑えられてFT3の値は低くなっています。メルカゾールは当初3錠/日から初め、この結果を受け2錠/日に減らしています。
12週間後の検査は、甲状腺ホルモンを作る能力の指標であるFT4が基準値外で小さくなっています。甲状腺ホルモンの全身への作用の程度を示すFT3は正常値に入っています。ところが、甲状腺ホルモンの分泌を増やすTSHはとても大きな値の69.12になっています。メルカゾールは、1錠/日に減らしています。薬で甲状腺ホルモン値が下がっているためTSHは増加しているようです。
16週間後の検査も、12週間後の検査と傾向は似ていますが、各指標値が収束してきています。メルカゾールは一日おきに1錠に減らしています。これ以降1日おきに1錠の投薬です。
20週間後の検査では、甲状腺ホルモン値(FT3、FT4)とTSH値は基準値内に入ってきています。TRAbは測定していません。
最新の24週間後の検査では、傾向が変わり、甲状腺ホルモン(FT4)と甲状腺刺激ホルモン(TSH)が基準値からはずれ、亢進状態になっています。今までと違うのは、バセドウ病の原因であるTRAb値は基準値内に入っています。正常なサイクルになりつつあることを期待しています。
でも何故バセドウ病の原因といわれているTRAbを毎回測定しないのでしょうか?
まとめ
バセドウ病の血液検査の指標を4つあげましたが、症状緩和の意味では、甲状腺ホルモン値(FT3、FT4)を気にする必要がありますが、寛解のためには、原因であるTRAb値が基準値に収まる必要があります。
バセドウ病を発病してから約半年になります。発病当時の諸症状は緩和されていますが、やはり以前の元気は無いように思います。先生は影響は小さいと言っていますが・・
同じ病気の人はもっと長期にわたり闘病している人も多いと聞いています。焦らず、あきらめず寛解を目指しましょう。