Windows11にはMicrosoft Defenderというとても優秀なセキュリティソフトが予め搭載されており、市販のセキュリティソフトを使用する必要はないという人も多いようです。
多くのブログやYouTube動画を確認したところ、概ねは同じことを説明していますが、細かいところでは記載や意見の相違がみられます。一体どこまでが本当でどこからがグレイなのか考えてみました。
Microsoft Defenderについて言われていること(概要)
Microsoft Defenderは、Windows10や11に最初から搭載されているセキュリティソフトです。2020年のWindows10のバージョンアップまでは長年Windows Defenderの名称でした。でも何故かWeb上ではまだWindows Defenderが使われている場合が多いようです。
でも残念ながらWindows Defenderは性能が低くメインのセキュリティソフトとしてほとんど使用されませんでした。
Microsoft Defenderに改称してからは、その性能が市販のセキュリティソフトに並ぶようになり、注目を浴びるようになりました。
◆Microsoft Defenderが実用レベルの性能になったのはつい最近です!!
長年パソコンを使っている人は特に、パソコンには有料のセキュリティソフトは必要と考えている人が多いようです。私もその一人でした。過去に何度もウイルスに感染してパソコンの画面が真っ赤になったのが原因です。
セキュリティを確保するには費用とかけるのが当たり前の時代でした。
近年では、無料でも高性能なセキュリティソフトが存在します。その一つがMicrosoft Defenderと考えるのが正しい捉え方のようです!
現在は、セキュリティが設定されているルーターを介すことでリスクが低くなっています。これにセキュリティソフトを組合わせるとウイルスへの感染はもちろん検出されることも以前に比べるとかなり少なくなっています。
◆パソコンのセキュリティソフト ⇒ 無料ソフトの選択も可能!!
新しくパソコンを購入すると、ある一定の割合の人が最初からインストールされている期間限定のセキュリティソフトを継続して使用しています。プロモーションにまんまと捕まっています。例え良いものであってもどの程度良いものかを理解して使うのがおすすめです。
ワールドワイドで考えるセキュリティソフトを評価している第三者機関があります。特に有名なのは、AV-TESTとAV-Comparativesとの2つの機関です。
注目するのはMicrosoft Defenderですが、同時に無料のセキュリティソフトのAvast、AVGについても確認していきます。Microsoft Defendeに赤丸、avast、AVGに青丸をつけています。
Avast、AVGはともに、有料版もあります。有料版にはネットバンク保護、フィッシング対策、迷惑メール対策、サポート機能などが追加されています。
AV-TESTの2022年の2月の結果(for home users)
AV-TESTの評価ページはこちら
トータルの評価結果です。Protection(保護)、Performance(パフォーマン)、Usabilit(使い易さ)をそれぞれ6点満点で評価しています。全部満点の製品は、TOP PRODUCTと評価されています。過去のデータを見ても現在TOP PRODUCTと評価を受けているの製品は良い点を継続しています。時々5点台になっていますが、また復帰していたりします。
◆AV-TESTの評価結果
・Microsoft Defender:Protection 6点、Performance 6点、Usabilit 6点
⇒ TOP PRODUCT
・Avast:Protection 6点、Performance 6点、Usabilit 6点
⇒ TOP PRODUCT
・AVG:Protection 6点、Performance 6点、Usabilit 6点
⇒ TOP PRODUCT
AV-Comparativesのマルウェア保護テスト2022年3月の結果(for consumer)
AV-Comparativesの評価ページはこちら
マルウェア保護テストは、悪意のあるファイルが、ネットワークドライブ、USB、またはマルウェアがすでにディスク上にあることを想定して実施しています。
◆マルウェア保護テスト評価結果
・Microsoft Defender:ブロック率は99.96%、誤検出 5です。
・Avast:ブロック率99.98%、誤検出 10です。
・AVG:ブロック率99.98%、誤検出 10です。
という結果です。この結果は、有料で世間で優秀なセキュリティソフトといわれているソフトに全く引けを取らない値です。
AV-Comparatives実世界の保護テスト2022年2月~3月の結果(for consumer)
AV-Comparativesの評価ページはこちら
悪意のあるURLを使って保護テストを実施しているそうです。より現実に近い争点でのテストです。詳細はAV-ComparativesのHPで確認してください。
◆実世界の保護テスト結果
・Microsoft Defender:ブロック率は98.9%、誤検出 0です。
・Avast:ブロック率99.4%、誤検出 2です。
・AVG:ブロック率99.4%、誤検出 2です。
AV-Comparativesのパフォーマンステスト2022年4月の結果(for consumer)
パソコンにセキュリティソフトを導入すると動作が遅くなることがあります。これを評価するのがパフォーマンステストです。
AV-Comparativesのパフォーマンステストは2つのポイントで行われます。実際の作業に準じたテスト(AV-C)とPCマークテストです。
・実際の作業に準じたテスト:ファイルのコピー、アーカイブ/アーカイブ解除、アプリケーションのインストール/アンインストール、アプリケーションの起動、ファイルのダウンロード、ウェブサイトの閲覧などです。
・PCマークテスト:PC Mark 10ProfessionalEditionを使用しています。
インパクトスコアは点数が小さいほどパソコンの負荷が小さいことになります。
結果はAvastやAVGなどがMicrosoft Defenderより良い結果です。詳細をみるとMicrosoft Defenderは、実際の作業に準じたテストの点数は高いのですが、PCマークテストが低く、結果トータルで順位を落としています。
AV-TESTのパフォーマンス評価の結果は満点なので、評価方法で得意不得意がありそうです。
◎無料セキュリティソフト(Microsoft Defender、Avast、AVG)の第三者評価機関の結果
・マルウエアの検出率・誤検出の精度:3つの無料のセキュリティソフトは優秀な有料ソフトと比べ遜色がない
・パフォーマンス(パソコンへの負荷):3つの無料のセキュリティソフトは優秀な有料ソフトと比べ遜色がない
但しMicrosoft DefenderではPCマークテストの結果がやや低い
概ねここまでが最近のMicrosoft Defenderについての記事の根拠です。
これらの評価で上位のセキュリティソフトはマルウエアへの対応やパソコンへの負荷は問題ないのではないでしょうか!!
多くのブログやYouTube画像では、ここ数年で無料のMicrosoft Defender性能が有料セキュリティソフトに比べても遜色がない、もしくは性能が上なので使用可能ですよ・・というものです。
無料という視点であれば、他にも候補がありAvsetやAVGを選択することも可能です。この2社は日本で知名度が低いですが、ワールドワイドでは、知名度や信頼性が高いソフトです。両セキュリティソフトとも有料版があり色々な機能の追加が可能です。
無料と有料ソフトの違い
前述した通り、セキュリティソフトの主な機能であるマルウエアの対策については無料と有料の差は、ほとんどありません。違いは追加機能であるネットバンク保護、フィッシング対策、迷惑メール対策等などです。
無料ソフト | 有料ソフト | ||||||
セキュリティソフト名 | Microsoft Defender | Avast | AVG | ESET | カスペルスキー | ノートン 360 | マカフィー |
マルウェア対策 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
動作の軽さ | 〇 | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 | ◎ | ◎ |
ランサムウェア対策 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ネットバンク保護 | × | (〇) | (〇) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
フィッシング対策 | 〇 | (〇) | (〇) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
迷惑メール対策 | × | (〇) | (〇) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
サポート | × | (〇) | (〇) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
◎第三者機関の評価がとても高い、〇機能がついている、(〇)有料版にはついている、×機能がない
Microsoft Defenderにはマイクロソフトエッジやクロームに対してはフィッシング対策が別途設定できます。
ここで取り上げたセキュリティソフトは第三者機関の評価で高い評価を得ているのでどれを選んでOKです。ネットバンク保護、フィッシング対策、迷惑メール対策、サポートの部分はセキュリティソフトでは本来の機能に追加されている機能です。
この追加の機能部分の内容は各社で差が出る部分なので気になる人は、ここをしっかり確認するのが良いかと思います。
◎無料セキュリティソフトは使用していいの?? の問いの答えは!!
⇒ 無料と有料のセキュリティソフトの違いの部分、この追加機能部分が必要ないか?!
◎おすすめの無料セキュリティソフト
Microsoft Defender、Avset、AVGの三択です。
Avset、AVGについてはマルウエア対策は有料版もあり間違いないところです。
Microsoft Defenderについては、近年急激に性能が改善されていることは事実ですが、反面心配なところもあります。一番大きいところではMicrosoftが継続的に改善をすすめてくれるかという点です。
具体的なところで個人的に心配なのは、ワクチンソフトの更新頻度と感染したときの駆逐能力です。どちらもある程度の実績はあるのですが、実際に多くの人が使用し始めたのはここ数年というところなので、今後課題がでてくるかもしれません。
ここまでのことが理解できれば、有料のセキュリティソフトを選択する手順は簡単です。
◎有料セキュリティソフトの選ぶ手順
①第三者機関の評価が高い製品を選択
②自分が気になる追加機能をチェック
①第三者機関の評価が高い製品を選択
第三者機関としては今回紹介した2つの機関、AV-TESTとAV-Comparativesを確認するのがよいでしょう。自信のある多くのメーカーが評価を受けているので、ベスト10に入っている製品であれば信頼性は高いと考えられます。
テストは時期により内容も変わっていくので数回分を確認するのがおすすめです。順位も変わっています。
②追加機能のチェック
自分が気になる機能を中心に確認するのがおすすめです。ここで紹介した機能以外にも製品ごとにおすすめの機能もあります。
一部のYouTube動画を見ていると、有料のセキュリティソフトを使わずに、無料のMicrosoft Defenderでよいかなとも思えます。
でも選択肢は幾つかあります。
①無料のセキュリティソフトを使うにも選択肢があるAvastやAVG、そしてMicrosoft Defenderです。前者2つは有料版もあるので安心です。
②有料のセキュリティソフトを選ぶ場合は、第三者機関の評価で高いもので、自分が必要な追加機能を比較して選ぶのがおすすめの選び方です。