「おとたの」の蔵書の中から、大人のあなたに紹介する昭和の漫画です。最初の一冊は、手塚治先生に敬意を表して「鳥人大系」です。鳥人大系は、手塚治虫の数ある作品の中でも主戦場の作品とは少し異なるスタンスで書かれた作品です。
人間の文明の傲慢さに対して、鳥を通じて警告を行っています。月並みですが、今読んでも全く色あせないストリーです。
・「おとたの」 と「鳥人大系」
・おすすめの章
・まとめ
鳥人大系の原点は?
手塚治は漫画家としてあまりにも偉大で、多くの作品を生み出しています。鳥人大系はそんな主戦場にいた作品とは別な一面で描かれた作品のように感じます。
鳥人大系は、1971年3月から1975年2月に「SFマガジン」に掲載されています。これより少し前に、1963年にヒッチコックの「鳥」が作成されています。
また、フランス人作家ピエール・ブールが1963年に「猿の惑星」の原作を発表させています。チャールトン・ヘストン主演で1968年に最初の映画が上映されています。
よく言われているように、時代背景から考えると、これらの作品に影響を受けているようです。特に鳥人大系の後半は、猿の惑星に似た感じですね。
猿の惑星は、同じ類人猿の猿ですが、鳥人大系では、異種の鳥です。手塚治は当時から鳥の頭の良さを知っていたのですね。カラス、オウムやインコはとても頭がよく、最近ますますよくなっているような気がします。
鳥の中でも最も頭の良い鳥の種類はカラスです。
「おとたの」 と「鳥人大系」
ハードコミックの鳥人大系の初版は、1976(昭和51)年4月です。私の持っている版は、4版で発行は、同年の年8月です。購入時期は、すっかり忘れてしまっていますが、恐らくこの本を購入したのは大学に入学した後だったかと思います。
手塚治の漫画は小さい頃から親しんでおり、鉄腕アトム、火の鳥、リボンの騎士から始まり、多くの作品を楽しんでいます。その中でも、風刺が効いており大人向けの感じがしているのが、この「鳥人大系」です。当時から鳥に対しても意識が高かったため、気になる漫画でした。
小さい頃、我が家では桜文鳥を2匹飼っていました。この2匹は、手乗りなのですが、とても頭がよく、夜寝る時や我々が出かける時以外は離し飼いでした。外に遊びに行くときも肩の上に乗せ遊びに行っていました。
その後、セキセイインコなども飼いましたが、これほどは、頭がよくありませんでした。鳥により頭のよさが違うのですね。兄は、その後、現在に至るまでインコを飼って楽しんでいます。
ヨウムもとても頭がよく人間と会話ができる鳥です。
話は変わるのですが、少し前までは、身近な野鳥と言えばスズメでした。最近心にゆとりができたのか、外にでると鳥を見ていますが、絶対的に数が減っているようです。
特に、気になるのはスズメをほとんど見ないのです。調べてみると、少し前のデータで、20年間で60%減少したというデータがあるそうです。今はもっと減っているかもしれません。逆に増えたのはカラスです。
最近、都市部では、あまり見かけなくなったスズメです。
おすすめの章
章立てはこんな感じです。
第一章「ウロロンカ・ドメスティカ・イグニス」
第二章「ラルス・フスクス・イグニス」
第三章「パイロマニアック・マグピー」
第四章「むかしむかし……めでたしめでたし」
第五章「オーベロンと私」
第六章「トゥルドス・メルラ・サピエンス(ブラック・バード)」
第七章「ローデシアにて」[1]
第八章「スポークスマン」
第九章「ドゥブルゥド査定委員会への要請」
第十章「うずらが丘」
第十一章「クロパティア・ピティアルム」
第十二章「ポロロ伝」
第十三章「ミュータント」
第十四章「ファルコ・チンヌンクルス・モルツス」
第十五章「赤嘴党」
第十六章「カモメのジョンガラサン」
第十七章「ブルー・ヒューマン」
第十八章「ラップとウィルダのバラード」
第十九章「ドゥブルゥドへの査定委員会懲罰動議」
8章ぐらいまでは、まだ鳥たちが人類を支配していないストリーになっています。
9章以降は、猿の惑星のように、鳥人たちが人間を支配しているストリーに変ってきています。
ウィットが効いて、ストリーの展開が楽しめるのは1~5章あたりです。後半はだんだん活劇ぽくなってきます。
第二章「ラルス・フスクス・イグニス」のシーンです。ヒッチコックの鳥を連想させます。
第五章「オーベロンと私」 オーベロンは特別な餌を食べ覚醒します
まとめ
手塚治先生の漫画は、いつ読んでも全く色あせません。それどころか、読み手側が成長すると、また新しい面を発見させてくれます。我が家のロフトには、何年も読んでない漫画がたくさんあります。
また昭和の漫画をこのブログで紹介していきたいと思います。
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