会社勤めをしていたときは、何も考えずに会社で健康診断を受けていました。
定年後2年間は元の居た会社の健康組合の健康診断を受けていましたが、今年は息子の扶養で健保協会の健康診断を受けることになりました。
所属する保険制度により健康診断の内容が異なります。来年は国民健康保険に加入の予定ですが、健康診断の検査項目はかなり絞られているようです。
50歳代までは、会社で健康診断を受けていました。多少結果が悪くてもあまり気にもしませんでしたが、会社を辞め自分で健康診断の手続きをするようになってから健康診断の内容や結果を以前より気にするようになりました。
年齢がすすむと健康を気にするようになります。ところが悪いことに、この年齢になると会社を卒業するため、多くの人が今まで何も考えずに利用していた会社の健康診断が利用できなります。
日本は全ての国民が医療保険に加入しなければいけない国民皆保険制度です。そして健康診断は、その保険制度と結びついています。
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私の場合、会社勤めとその後2年間は「健康保険組合」に入っていました。今年から「協会けんぽ」に入りました。そして来年以降は「国民健康保険」に入る予定です。
調べてみると、この順に健康診断のサービス(検査内容・項目や費用)は落ちているようです。
健康診断に質は落とさずに、費用はそのままにしたいと考えるのですが・・
今回は、40~74歳までの方を対象としている特定検診について検査内容・項目を確認します。
厚生労働省のHPによると、特定検診とは「日本人の死亡原因の約6割を占める生活習慣病の予防のために、40歳から74歳までの方を対象に、メタボリックシンドロームに着目した健診を行います。」とあります。
特定検診の保険制度ごとの検診項目
厚生労働省の方針に沿って各保険制度で健康診断の項目や内容が決められています。
大項目 | 小項目 | 厚労省 | 健康保険組合 | 協会健保 | 国民健康保険 | |
安衛法 | (定年後) | 特定検診 | 生活習慣病検診 | 各地方自治体 | ||
既往歴及び業務歴の調査 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | - | |
自覚症状及び他覚症状の有無の検査 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | - | |
体側 | 身長・体重・腹囲 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
視力 | 〇 | 〇 | - | 〇 | - | |
聴力 | 〇 | 〇 | - | 〇 | - | |
胸部X線 | 〇 | 〇 | - | 〇 | - | |
喀痰検査 | 〇 | - | - | - | - | |
血圧 | 収縮期/拡張期 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
貧血検査 | 赤血球、血色素量(ヘモグロビン) | 〇 | 〇 | - | - | ◇ |
肝機能検査 | GOT、GPT、γGTP | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
血中脂質検査 | HDLコレストロール、LDLコレステロール | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
血清トリグリセライド | 〇 | - | - | - | - | |
中性脂肪 | - | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
総コレステロール | - | 〇 | - | 〇 | 〇 | |
血糖検査 | 空腹時血糖値、HbA1c(NGSP) | 〇 | 〇 | 〇 | - | 〇 |
尿検査 | 尿蛋白、尿糖 | 〇 | 〇 | 〇 | - | 〇 |
尿潜血 | - | 〇 | 〇 | - | 〇 | |
心電図 | 〇 | 〇 | - | 〇 | ◇ | |
大腸検査 | 便検査 | - | 〇 | - | 〇 | - |
血液検査 | 腎機能(eGFR、血清クレアチニン) | 〇 | 〇 | - | 〇 | - |
尿酸値 | - | 〇 | - | 〇 | - | |
白血球 | - | 〇 | - | 〇 | - | |
ABC検査 | ピロリ菌検査、ペプシノーゲン測定 | - | 〇 | - | - | - |
腫瘍マーカー | 前立腺がん | - | 〇 | - | - | - |
厚生労働省の安全衛生法(安衛法)に基ずく検診をベースの検査内容を確認しました。安衛法は社員を雇うときに必要な検診です。
健康保険組合の検診
健康保険組合の検診は手厚くなっています。ほぼ安衛法の検診項目を無料で受けられます。最近ではABC検査や前立腺がんの腫瘍マーカーなども無料でうけられています(会社や病院などにより差異はあるようです)。
協会健保の検診
協会健保では仕組みが2段階になっています。いわゆる特定検診では項目が少なくなっています。この少ない項目のなかでも医療機関の契約でAタイプ、Bタイプがあります。
Aタイプの医療機関は費用は無料ですが、Bタイプの医療機関では1,507円費用がかかります。Bタイプの医療機関は比較的小さい医療機関もあり、近所もしくはかかりつけの医療機関という感じです。
でもこれだけでは、検診項目が少なく不安をもつ人も多いので、生活習慣病予防検診として項目を増やしています。でも残念ながら11,715円の自己負担額が必要です。
これでかなり項目的には、保険組合に近づきましたが、費用と項目数でまだ負けています(検診項目は病院により差異があるようです)。
国民健康保険の検診
表内の◇は医師の判断により選択的に実施する検査項目です。
国民健康保険の検診の項目は、ほぼ協会健保の特定検診と内容がほぼ同等になっています。これだけでは安心できない方は、各地方自治体でプラスアルファの検診がないか調べるのが最初の行動ですね。
それでは、自分が受ける検診の項目の中で追加で受けるべき項目はなんでしょうか?
もちろん各自に既往症や体調により異なりますが、以下の順の人は多いのではないでしょうか
①既往症の検査:胃の調子が悪い人は胃カメラの検査、血管年齢が気になる人は血管年齢の測定などです。
②がん検査:大腸潜血やピロリ菌検査などもがん検査ですが、腫瘍マーカーの検査は血液検査でがん検査が手軽にできるのでおすすめです。
③生活習慣病で検査に抜けがあるもの:痛風の予備軍かどうかを確認する尿酸値、免疫力の強さに関連する白血球数などもおすすめです。
◆腫瘍マーカーの意味
おすすめのがん検診のABC検査と腫瘍マーカーについて確認できる内容を表にしました。
がん検診 | 確認できる内容 |
ABC検査 | ピロリ菌検査、ペプシノーゲン測定 |
腫瘍マーカー | |
PSA | 前立腺がん |
CA125 | 卵巣がん |
CEA | 胃がん、大腸がん |
CA19-9 | 膵臓がん |
AFP | 肝臓がん |
ABC検査は、がん検査ではありませんが、胃がんの方の多くはピロリ菌に感染していることから、胃がんの検査としても考えられるようになってきています。
腫瘍マーカーが基準値を超えても必ずしも、がんではありませんが、可能性が高いということで精密検査を行うことになります。各病院の指示にしたがいましょう。
健康診断の検診は最低でも一年に一回は受けましょう。大事なことは、日ごろから体調を気にして、次回の健康診断で確認すべきことが明確であれば、有効な検診になります。
健康診断の検診項目に不安があるときは、病院ごとにオプションがあるので申し込むときに相談するのが良いと思います。
また多くのオプションがある場合は人間ドックを選択するのもありです。健康保険組合の検診より更に詳しい検査が可能です。値段も3万円台後半ぐらいからあるようです。
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