ベンチプレスなどの重量を扱う筋トレは、関節の怪我や痛みを発症することがよくあります。
いかに、関節痛などを起こさずに追い込んだトレーニングができるかが、記録を伸ばすカギとなっているといえるのですが・・
つい無理をして、重い重量を上げたり、無理なセットを組んでしまいます。長期でトレーニングを継続している人や中高年の人は、ほぼ全ての人が感じるのがこの関節痛です。
運動を伴う関節痛は主に2つの原因があります。
一つは、運動時に筋肉や腱(けん)、靭帯(じんたい)に過度な負担が加わって、慢性の痛みを生じるスポーツ障害です。もう一つは、加齢とともに骨と骨との間のクッションの役割をする軟骨がすり減って痛みが発生する変形性関節症です。
この2つは、関連性が高いようです。
私の腰もレントゲンでみると軟骨が減って背骨の間隔が狭くなっています。普段の生活では強い痛みはでないのですが、長い距離を走ったり、ベンチプレスできついブリッジを組むと、翌日は痛みが酷くなります。
また、五十肩などは運動不足で肩を動かさずいることが原因となったりします。
このように、運動と関節の痛みの関係は、動かしすぎても(負荷をかけすぎても)と動かさなすぎても痛みがでることになります。
痛みが酷い時は整形外科に行き重大な損傷がないことを確認するのが正しい対応です。
◆重量を持つ種目で痛みを発症する原因は
・能力以上の重たいものを持つ
・フォームが悪い
・疲労が蓄積している
痛みを一番発症しやすいのは、重量を増やしたときです。いつもより重たい負荷が関節にかかるからです。同時にフォームが崩れたり、疲労が蓄積も起こります。
痛みが酷いときは、整形外科に行きレントゲンを撮るのが常套手段です。でも多くの場合その結果を聞くと少しがっかりします。
骨には異常がないですね・・
とドクターが告げてくれます。
一安心ではあるのですが、こうなると後は、シップや痛み止めを出してくれるだけです。恐らくは腱やじん帯が痛んでいるのですが、レントゲンではこれを判別するのは難しいのです。いずれにしろ自力で治す必要があります。
整形外科の治療では、「薬物療法」「リハビリテーション」「手術療法」「日常生活」の4本の柱があります。
ベンチプレスなどの筋トレでは手術療法まで至ることは少なく、具体的な治療法は以下のようです。
◆具体的な治療は
・痛みをとる(薬、ストレッチなど)
・栄養をとる
・休息する(安静にする、睡眠をとる)
・体の動きを正常化する(リハビリ)
ストレッチは、筋肉の緊張をほぐして血流を改善し、痛みのもととなる物質を取り除く効果があります。もちろん痛みを取る対処療法として痛み止めを飲んだり、シップを貼ったりはします。
もっと酷い場合、例えば、骨が折れたり、肩腱板やアキレス腱が切れたときなどは外科的な治療(手術療法)が行われます。
ベンチプレスで痛めることが多い肩腱板ですが、肩腱板断絶すると手術でつなげることになります。ところが損傷の場合は全く異なります。私が肩腱板損傷といわれたときは、その後の明確な指示はなく、安静にして自分で治してね・・という感じでした。
専門性が高い整形外科でなければ、効果的な治療が期待できないのが現実のようです。自分で治すのです!!
ところが診断が変形性関節症と判断されたときは、対応が少し変わってきます。変形性関節症ではリハビリ治療を行います。
変形性関節症の症状は、関節の間にある軟骨が擦り減ったことで滑らかに動かなくなり、関節の骨などが摩擦を起こして炎症を起こします。
一緒にトレーニングをやっている友人は、ベンチプレスで肩を痛めスポーツ障害対応の整形外科に行き変形性関節症と判断され、リハビリ(運動療法)を行っています。
リハビリは可動域を広げたり、筋力をアップさせて痛みがでないようにします。一方でベンチプレスも継続しているので関節に負荷をかけ、一方でリハビリをするという状況です?!
私も股関節と腰と膝が痛かったのでまとめてレントゲンを撮ってもらいましたが、股関節は可動域が狭いということもあり、股関節だけがリハビリの対象となりました。
一方で膝や腰痛もかなり酷いのですがシップ薬をくれただけです。やはり自分で治せという感じです。
中高年で筋トレを行っている人で痛みがでると、変形性関節症と判断される場合があるようです。
この結論は厳しく、寂しいものです!
結論: 有効な治療法は無しです!!
腱が切れたり、骨が折れたりすると治療が可能ですが、腱や筋を痛めても原因の特定さえ難しそうです。ストレッチ、アイシング、痛み止め、シップ、休養、栄養などで自分で治さなければいけません!
ベンチプレスでの怪我で多いのは肩、腰、手首ですが、その他にも首、背中、膝など関節部はほとんど痛める可能性があります。
ベンチプレスや筋トレの怪我の原因は前述した通り、能力以上の重たいものを持つ、フォームが悪い、疲労が蓄積しているなどです。
怪我をしたら有効な治療はないと肝に銘じて、トレーニングすることが必要です!!
トレーニング仲間が実際にやっているのは、痛くても痛みが出ないやり方やフォームを工夫してトレーニングを継続しています。
有効な治療法はないのですが、自宅でもできる予防や治療もあります。私が普段やっている方法を紹介します。
前段として、予防として有効なのは、怪我をしにくいトレーニングプログラムをつくることです。一番怪我しやすのは、扱う重量を上げるときや新しいやり方を取り入れるときです。
その場面では慎重になりましょう!!
◆自宅でできる予防と治療の具体例
・ストレッチ
・アイシング
・塗り薬・貼り薬
・サプリメント(アミノ酸)
・サプリメント(グルコサミン・コンドロイチン)
ストレッチ
ストレッチはトレーニングの前後で行う、動的ストレッチ、静的ストレッチは怪我の予防や疲労回復などに有効です。それ以外にも痛みがある場合は、ストレッチを行うことで可動域を広げたり、血行をよくして痛みを取る効果が期待できます。
アイシング
アイシングは少し面倒なのでやっていない人も多いのですが、トレーニングに関節などの炎症を抑えたり、血行を良くして疲労回復にとても有効です。スポーツ氷嚢を購入して氷を入れて患部に当てるだけでOKです!
塗り薬・貼り薬
貼り薬は私のように貼った後が赤くなり痒くなる人は塗り薬がおすすめです。私の場合は2択でロキソニンとバンテリンです。ものすごく有効というわけではありませんが、ある程度の効果は出ている気がしています。
ロキソニンには、飲み薬やロキソニンテープなどもあり好みに合わせることもできます。
サプリメント(アミノ酸・タンパク質)
アミノ酸やタンパク質は筋肉や腱を作る材料です。これらの栄養素をとると回復が早くなり、より強い体を作ることができます。
特にアミノ酸は腰痛改善に効果があるという発表もいくつかあり、腰痛に有効です。
「腰痛も“予防”できる! サプリメントの継続摂取で、腰痛の諸症状の緩和を確認 第68回日本体力医学会大会(於:東京)で発表」
グルコサミン・コンドロイチン
グルコサミンとコンドロイチンは、関節の衝撃を吸収する組織である軟骨の構成要素です。どちらも体内で自然に生成され、サプリメントとしても利用できます。よくみられる関節症で、関節の軟骨が破壊される変形性関節症において、このサプリメントを単体または併用した際の効果を調査する研究が行われています。
厚生労働省のサイトでは、米国人のデータとした上で効果について2つ記載しています。
◆グルコサミンとコンドロイチンのサプリメントの有効性について
・コンドロイチンは変形性膝関節症または変形性股関節症の痛みに有効ではないことが研究結果から示唆されています。
・グルコサミンが変形性膝関節症の痛みに有効かどうか、また、グルコサミンとコンドロイチンのサプリメントがそれぞれ他関節の変形性関節症の痛みを軽減するかどうかは不明です。
このように効果が不明にもかかわらず、関節痛のサプリメントとして多くの製品が販売されています。本当に関節痛で悩んでいる人が効果があるかも・・で使用しているのだと思います。
薬品メーカーとして有名な佐藤製薬の製品です。飲むタイプです。
塗るタイプのグルコサミン+コンドロイチンに軟骨の主成分のプロテオグリカンを配合しています。
この記事ではベンチプレスの筋トレの外科的処置を伴わない重篤でない関節痛は、整形外科に行っても有効な治療はないとの結論でした。
でも世の中には、名医がいるのも事実です。まだ私が遭遇していないだけかもしれません。
名医に出会っていない人は自分なりの予防や治療の方法を確立しておくと安心です。そして経験や知識を得ることで、その方法を改善していくのがおすすめです。