筋トレは若いときよりも、むしろ中年以降に楽しめるフィットネスです。よく言われるているのは筋肉は年齢によらず強化できる唯一の器官ということです。
筋トレを行うことで筋力がアップし体形や体力を保ちつことができます。
でも大きな落とし穴があります。筋肉と連動している関節や腱は老化がすすんでいるし疲労回復能力も衰えているのです。
中年以降の筋トレで気を付けることについて考えてみました。
関連記事「中高年の筋トレ 本当に健康になれるの?」「筋トレを継続すると メンタルへどんな良い影響がでるの? 悪い影響はないの?」
一般的には、運動をしなければ、筋肉量は30歳代以降は、年々減少すると言われています。
これは、筋肉量を増やす役割がある男性ホルモンのテストステロンや成長ホルモンの分泌量が減少するためです。中高年世代は体形が変わったり若さが失われてきます。
筋トレを行うと、男性ホルモンのテストステロンや成長ホルモンの分泌が促進されるのです。
テストステロンには、やる気が出る・前向きになれるような、精神に対する良い影響と筋肉や骨格の成長を促す役割などがあります。
成長ホルモンも筋肉の成長に影響を及ぼすのですが、最近の研究では、間接的というのが定説になっています。成長ホルモンの分泌が肝臓に働いてインスリン様成長因子(IGF-1)という物質を分泌させます。このインスリン様成長因子が直接的に筋肉の成長に影響するということが分かっています。
若返りサイクル
筋トレをする⇒テストステロン、成長ホルモン(インスリン様成長因子)分泌⇒体形・若さ維持改善⇒自信を持つ⇒更に筋トレをする
年齢によらず、このサイクルを回すことで筋肉が成長していきます。
単純な筋トレでは実際の筋肉の強化や肥大の状況が分かりずらいので、私の周りで情報が多いベンチプレス(競技)で年齢とパフォーマンスの関係について考えてみます。
パフォーマンス=挙上重量 と考えます
筋力だけでなくテクニックや神経系の発達もあり、単純に筋力の強化ではないと理解してください。
40歳・50歳代は筋トレOK!
一流の選手の年齢やパフォーマンスを調べてみます。
ベンチプレッサーの児玉大紀さん(世界ベンチプレス選手権11度優勝、5連覇中)は、現在41歳ですが、まだまだ自己記録を更新中で現役バリバリです。
競技でベンチプレスを本格的にやっている人の中には、エブリベンチといって毎日ベンチプレスのトレーニングをしている人たちがいますが、40歳代までは、このトレーニングをやっている人を普通に見かけます。もちろん現実にはかなり苦労、工夫をしながらやっているようですが・・
周りにいる筋トレ好きの一般の人も40歳代は、まだまだ若者という感じです。筋トレにはまる人は、比較的年齢が高い人が多い気がします。30歳代であれば全然遅くなく、むしろ早いというイメージです。
また、60歳代でも普通にベンチプレス(筋トレ)をする人たちはいますが、競技に参加するレベルというとかなり人口が減ってきます。
これらのことを考えると50歳代までは、かなり本格的にベンチプレス(筋トレ)を続けることができますが、それ以降は?です。
私は、現在62歳ですが、趣味のベンチプレスは、毎週のように120㎏を挙げています。生涯記録が125㎏です。最近122.5㎏も挙げているので、ほとんどパフォーマンスは落ちていない感じです。
60歳代は限界??
周りにも60歳代の人でベンチプレスをやっている人がいますが、私も含めこの世代の多くの人が止めたり、パフォーマンスが落ちたりしています。その理由のほとんどは怪我です。
肩、腰、手首、肘など痛めるところは幾らでもあります。筋肉は年齢に負けなくても、間接や筋は筋肉より年齢に弱いようです。
でも逆に言えば、怪我さえしなければパフォーマンスをあまり落とさずに継続できるかも?です。
筋トレは、うまく行うと体形や若さを保てるという、中高年にとっては夢のフィットネスです。
他のスポーツを再確認してみると中高年から本気でやれるスポーツは少ないです。特に瞬発系の動きがあるスポーツは、動きが遅くなったり、怪我をする確率があがるため中高年に不向きです。
では筋トレやそれに準じた競技スポーツを行うためには何に注意すればよいでしょうか? 実際の経験を元に考えてみます。
関節・腱に注意!
筋トレを行って筋肉痛が起こるのは当たり前です。あまりやったことのない運動をすると激しい筋肉痛になることはありますが筋肉痛で長期に渡り、筋トレができないことはまれです。
ところが、間接や腱を傷めると長期に渡り、筋トレができなくなったり、復帰しても痛みがでたりしてその結果としてパフォーマンスが落ちたりします。
筋トレで肉離れは意外と少ないような気がしています。
傷めるのは関節や腱 注意してトレーニングをしましょう!
関節や腱の故障をしないためには、なんといってもフォームをしっかり習得することと無理な重量は扱わないということになるのですが、筋トレの達成感を満たすためには、より重い重量を扱うという矛盾したことが起きます。
特に競技やフリーウェイトを行っている人は注意が必要です。
年齢が行けば行くほど効果的な予防としては、ストレッチや柔軟と普段から良い姿勢をとることに注意することです。
私ぐらいの年齢だと筋トレを行っている時間とストレッチや柔軟をやっている時間は同じくらい必要かもしれません。
疲れが取れない
若い時との大きな違いはその挙上重量より、疲労に対する回復力です。同じ重量でセットを組んでも差がでるのは、翌日以降です。
中高年が注意すべきは、回復力が遅いということを受け入れて、それとうまく付き合っていくことです。
いつもと同じ筋トレをやっていると筋肉痛がでないこともありますが、全身に疲労は残っています。美味しいもの(栄養のあるもの)を食べてしっかりと休むのが一番です。
若い人がエブリベンチをやることができるのは、疲労に対する回復力が高いからです。もちろん疲れが残らないようなトレーニングを組むのも大切です。
ベンチプレスを若い人と一緒にやっていても、当日はあまり遜色なくトレーニングができます。ところが、その疲労はなかなかとれないのです。
新しいことにチャレンジするときは注意!
これも中高年の筋トレであるあるなのですが、ほぼ同じ筋トレなのですが、少し使う筋肉が違うと極端に筋肉痛になったり、場合によっては腱を傷めたりします。
最近ですが、ベンチプレス台が使えずに、スミスマシーンで同じ重量でトレーニングをしました。普段ほとんど筋肉痛にはならないのですが、スミスマシンで行った翌日は激しい筋肉痛と関節までが痛くなりました。
もちろん若い人も同様のことがおこりますが、体に対する影響度は大分違います。
いつもやっているトレーニングとほとんど同じトレーニングは違うトレーニングと考えた方が良いです。
まずは、重量を軽くしたりrep数を下げて次の日のようすをみるのがよいですね。
筋トレは、体形や若さを保てるという、中高年にとっては夢のフィットネスです。
少しでも長く続けられるように、参考にして頂けたら嬉しいです。