ベンチプレスのMAX挙上重量と月間のトレーニングで挙げた総重量はどういう関係があるのでしょうか??
ネットで調べてみても、ほとんど関連記事を見つけられません。
トレーニングの総重量はトレーニングの質を直接は表していませんが、筋肉の使用量には関係があります。MAX重量の伸びと緩い相関関係があるのではないでしょうか?
自分のトレーニングデータで比較してみました。
ベンチプレスのMAX値に関わる要素は主に筋肥大、神経系の発達、テクニックの向上の3つです。
近年の研究では、トレーニングの総重量と筋肥大は密接な関係があることが分かっています。
一般的には、挙上重量合計が大きい方がMAX値の伸びやMAX値は大きくなります。
ベンチプレスの挙上MAX値は、105㎏から120㎏までの15㎏を約10年かけて伸ばしていますが、この間はほぼ週1回のトレーニングです。
月間、約10.000kg、1回のトレーニング約2.400kgの挙上重量で、挙上MAX値 120㎏を達成!
この間は、あまりベンチプレスの技術や神経系の発達を意識したトレーニングは行っていなく、筋トレをイメージしていました。
体重は、この間ほぼ74㎏の前後です。胸や腕は筋肉がつきましたが、体は絞れてきています。
ベンチプレスのフォームが良くなり重量が伸びてくると、トレーニングの総重量も伸びてきます。逆も正しそうです。
ケツ上げベンチプレス105㎏: 月間重量合計 8,000kg、1回の平均 2,000kg
パワーフォームベンチプレス125㎏: 月間重量合計 21,000kg、1回の平均 3,000kg
重量は105㎏から125㎏ですが、挙げ方はケツ上げからお尻をベンチ台につけた、より試合に近いフォーム(止め無し)でおこなっています。
トレーニング1回の平均挙上重量合計は、1.5倍になっています。
これはトレーニングの質(強度)が上り、より強いトレーニングができるようになっていることを表しています。
ベンチプレスのMAX重量の伸びは、前述した通り、筋肥大、神経系の発達、テクニックの3つの要素に依存します。
◆筋肉量:これは分かりやすですね、重たいものを持つと筋肉がついてきます。トレーニングによる筋肥大により挙上重量は上がります。
◆神経系の発達:筋肉の発達と同じように、神経系が発達すると筋肉の動作や筋肉の動員がしやすくなります。
神経系の発達に関する記事はこちら「ベンチプレス 神経系トレーニングって何?」
◆テクニック
ベンチプレスには色々なテクニックがありますが、一番MAX重量に効くのはブリッジの組み方です。
高いブリッジが組めれば挙上距離が短くなったり、より高重量を扱うことができます。
その他にも、握り方、手幅、下し方、足の使い方など、MAX重量に影響のあるテクニックがあります。
同じ強度でトレーニングを継続していくと筋肥大は止まりますが、パフォーマンスが伸びていくことがあります。これは、技術や神経系が発達したためです。
では、総重量の合計が増えるということは、ベンチプレスの3つの要素のどの項目に影響するのでしょうか?
1回のトレーニングの中で総重量が増えると、トレーニング強度が上がり筋肥大が起こりやすくなります。
1回のトレーニングの総重量が変わらず、トレーニングの頻度が2倍になっても、経験的には筋肥大は2倍にはならず、技術や神経系が伸びます。
月間の総重量は、トレーニング時の重量が上がるより、トレーニング頻度が増える方が効果的です。
ベンチプレスのトレーニングの目的や方法により挙上重量の合計は変わってきます。
今回次の章で紹介するデータのトレーニングは3種類です。
①直観的方法:比較的高重量の低レップと低重量の高レップをその日の調子で組合わせてトレーニングを行う方法。ほぼ週1のトレーニングで実施していました。
②サイクルトレーニング:週ごとに重量を挙げていきます。レップ数と重量はあらかじめ決めていますが、実績を見ながら重量を補正していきます。
日、水曜日で行い、水曜日は軽めで行っていました。
③神経系発達を意識した5レップ、5セット:最初にその日のMAXを行います。その後あらかじめ決めた重量で5レップを5セット行います。
5レップ5セットのトレーニングについてはこちら「迷わず重量アップ!セットの回数の決め方【ベンチプレス解説】」
日、水曜日で行い、両日ともほぼ同じ負荷でおこなっています。
当然、月に行う頻度は①が少ないので単純な比較はできませんが、トレーニングの質は、1回のトレーニングの挙上重量合計で比較できそうです。
実際の私のデータです。
◆直観的トレーニング方法の結果
比較的高重量の低レップと低重量の高レップをその日の調子で組合わせてトレーニングを行う方法です。ほぼ週1のトレーニングで実施していました。
グラフは各月の挙上重量の合計をプロットしています。
6ヶ月目に目標の重量を達成しているので、達成後に重量を落ちる傾向があるので6ヶ月目の挙上重量の合計は落ちる傾向があります。
毎回のトレーニングの平均挙上重量
挙上MAX値 | 105kg | 110kg | 115kg | 120kg |
平均挙上重量 | 1,986㎏ | 1,932㎏ | 2,487㎏ | 2,382㎏ |
挙上MAX値が105㎏、110㎏のときの毎月の平均挙上重量は、2,000㎏弱ですが、115㎏、120㎏になると約2,400kgとなりトレーニングの質(強度)が上がっています。
◆トレーニング方法ごとの挙上重量の合計
このデータは、腰をベンチに着けるパワーフォームです。胸での止めはありませんが、挙上重量は腰を上げた場合より落ちます。
実際の時系列は120㎏⇒125㎏⇒122.5㎏です。
120㎏のトレーニング ⇒ 直観的トレーニング
125㎏のトレーニング ⇒ サイクルトレーニング
122.5㎏のトレーニング ⇒ 神経系の発達を考慮した5レップ、5セットのトレーニング
青い線の120㎏は重量合計は他の方法に比べやや低いですが、これはトレーニング方法の差によるところが大きいです。
他に2つの方法はトレーニングの重量が予め設定されているので手抜きができません。疲労を感じ始めたらトレーニングを止めていた直観的なトレーニングより重量合計より大きくなっています。
毎回のトレーニングの平均挙上重量
挙上MAX重量 | 120㎏ | 125㎏ | 12.5㎏ |
平均挙上重量 | 2434㎏ | 3165㎏ | 2914㎏ |
平均値で見ても、直観的なトレーニングよりサイクルトレーニングや5レップ5セットのトレーニングの方が質(強度)が高いことが分かります。
今回トレーニングの総重量について考えている時に気が付いたことがあります。
あまり技術や神経系の発達を意識しなくても、ある程度まで筋肥大でMAX値は伸びていきます。しかしながら筋肥大が止まるとMAX値の伸びが止まってしまいます。
私の場合も110㎏ぐらいを挙げたときから現在に至るまで身長172㎝、体重75㎏はほぼ変わらない状況です。
挙上重量は120㎏まで挙がりましたが、その後は低迷が続いています。この体格では120㎏が壁という感じです。
恐らくこれから記録を伸ばすには、更に重量攻めながら、食事も注意して筋肥大を目指すか、テクニックや神経系を更に磨く必要がありそうです。