ベンチプレスのMAX挙上重量と月間のトレーニングで挙げた合計重量はどういう関係があるのでしょうか??
ネットで調べてみても、ほとんど関連記事を見つけられません。
挙上重量の合計は、トレーニングの質は現わしていませんが、筋肉の使用量には関係してそうです。MAX重量の伸びと緩い相関関係があるのではないでしょうか?
自分のトレーニングデータで比較してみました。
◆一般的には
ベンチプレスのMAX値に関わる要素は主に3つあります。トレーニングの質の問題はありますが、挙上重量の合計が大きいことは、どの要素に対してもよい影響を与えそうです。
一般的には、挙上重量合計が大きい方がMAX値の伸びやMAX値は大きくなります。
◆週一回トレーニングの結果
ベンチプレスの挙上MAX値は、105㎏から120㎏までの15㎏を約10年かけて伸ばしていますが、この間はほぼ週一回のトレーニングです。
月間、約10.000kg、1回のトレーニング約2.400kgの挙上重量で、挙上MAX値 120㎏を達成!
この間は、あまりベンチプレスの技術や神経系の発達を意識したトレーニングは行っていなく、筋トレをイメージしていました。120㎏を体重74㎏の私の場合ですが、その体格に応じた重量までは伸びていそうです。
◆トレーニングの質は一回のトレーニングの挙上合計重量である程度判断できる
ベンチプレスのフォームが良くなり重量が伸びてくると、トレーニングの挙上合計重量も伸びてくる、逆も正しそうです。
腰上げベンチプレス105㎏: 月間重量合計 8,000kg、一回の平均 2,000kg
パワーフォームベンチプレス125㎏: 月間重量合計 21,000kg、一回の平均 3,000kg
105㎏⇒125㎏になると、トレーニング一回の平均挙上重量合計が1.5倍になっています。これはトレーニングの質(強度)が改善していることになります。
ベンチプレスのMAX重量は何に依存するのでしょうか?
一般的には、筋肉量、技術(フォームなど)、神経系の発達といわれています。
◆筋肉量:これは分かりやすですね、重たいものを持つと筋肉がついてきます。トレーニングによる筋肥大により挙上重量は上がります。
◆技術(フォームなど):これには2つの意味があります。
一つ目は、ルールを越えてフォームの差による挙上重量の差です。分かり易いのはベンチプレスの腰をベンチ台に着けるフォームか腰を着けないフォームかです。
腰を浮かした方が、挙上距離が短くなったり、足の力が使い易くなり、より重たい重量を扱えます。
二つ目は、ある一定のルール(例えば試合用のルール)の中で技術を磨くことで挙上重量を挙げることです。
◆神経系の発達:筋肉の発達と同じように、神経系が発達すると筋肉の動作や筋肉の動員がしやすくなります。
神経系の発達に関する記事はこちら「ベンチプレス 神経系トレーニングって何?」
同じ強度でトレーニングを継続していくと筋肥大は止まりますが、パフォーマンスが伸びていくことがあります。これは、技術や神経系が発達したためです。
では、挙上重量の合計が増えるということは、3つのベンチプレスのMAX重量に依存するどの項目に影響するのでしょうか?
1回のトレーニングの中で合計が増えるのであれば、トレーニング強度が上がり筋肥大がおこります。
1回のトレーニング強度が変わらず頻度だけが上がる場合は、筋肥大の効果は小さく、技術や神経系が伸びます。
月間の挙上重量の合計は残念ながら、トレーニング時の重量が全体に5㎏ずつ上がるより、1回トレーニング頻度が増える方が影響が大きいようです。
挙上重量の合計が明らかに変わるということは、トレーニングの内容が大きく変わったということになります。この場合は体の負荷も大きく変わっているので怪我などの注意が必要そうです。
ベンチプレスのトレーニングの目的や方法により挙上重量の合計は変わってきます。
今回次の章で紹介するデータのトレーニングは3種類です。
①直観的方法:比較的高重量の低レップと低重量の高レップをその日の調子で組合わせてトレーニングを行う方法。ほぼ週1のトレーニングで実施していました。
②サイクルトレーニング:週ごとに重量を挙げていきます。レップ数と重量はあらかじめ決めていますが、実績を見ながら重量を補正していきます。
日、水曜日で行い、水曜日は軽めで行っていました。
③神経系発達を意識した5レップ、5セット:最初にその日のMAXを行います。その後あらかじめ決めた重量で5レップを5セット行います。
5レップ5セットのトレーニングについてはこちら「迷わず重量アップ!セットの回数の決め方【ベンチプレス解説】」
日、水曜日で行い、両日ともほぼ同じ負荷でおこなっています。
当然、月に行う頻度は①が少ないので単純な比較はできませんが、トレーニングの質は、1回のトレーニングの挙上重量合計で比較できそうです。
実際の私のデータです。
◆直観的トレーニング方法の結果
比較的高重量の低レップと低重量の高レップをその日の調子で組合わせてトレーニングを行う方法です。ほぼ週1のトレーニングで実施していました。
グラフは各月の挙上重量の合計をプロットしています。
6ヶ月目に目標の重量を達成しているので、達成後に重量を落ちる傾向があるので6ヶ月目の挙上重量の合計は落ちる傾向があります。
毎回のトレーニングの平均挙上重量
挙上MAX値 | 105kg | 110kg | 115kg | 120kg |
平均挙上重量 | 1,986㎏ | 1,932㎏ | 2,487㎏ | 2,382㎏ |
挙上MAX値が105㎏、110㎏のときの毎月の平均挙上重量は、2,000㎏弱ですが、115㎏、120㎏になると約2,400kgとなりトレーニングの質(強度)が上がっています。
◆トレーニング方法ごとの挙上重量の合計
このデータは、腰をベンチに着けるパワーフォームです。胸での止めはありませんが、挙上重量は腰を上げた場合より落ちます。
実際の時系列は120㎏⇒125㎏⇒122.5㎏です。
120㎏のトレーニング ⇒ 直観的トレーニング
125㎏のトレーニング ⇒ サイクルトレーニング
122.5㎏のトレーニング ⇒ 神経系の発達を考慮した5レップ、5セットのトレーニング
青い線の120㎏は重量合計は他の方法に比べやや低いですが、これはトレーニング方法の差によるところが大きいです。
他に2つの方法はトレーニングの重量が予め設定されているので手抜きができません。疲労を感じ始めたらトレーニングを止めていた直観的なトレーニングより重量合計より大きくなっています。
毎回のトレーニングの平均挙上重量
挙上MAX重量 | 120㎏ | 125㎏ | 12.5㎏ |
平均挙上重量 | 2434㎏ | 3165㎏ | 2914㎏ |
平均値で見ても、直観的なトレーニングよりサイクルトレーニングや5レップ5セットのトレーニングの方が質(強度)が高いことが分かります。
今回トレーニングの挙上重量合計について考えている時に気が付いたことがあります。
あまり技術や神経系の発達を意識しなくても、ある程度まで筋肥大でMAX値は伸びていきます。しかしながら筋肥大が止まるとMAX値の伸びが止まってしまいます。
私の場合も110㎏ぐらいを挙げたときから現在に至るまで身長172㎝、体重75㎏はほぼ変わらない状況です。
挙上重量は120㎏まで挙がりましたが、その後は低迷が続いています。この体格では120㎏が壁という感じです。
恐らくこれから記録を伸ばすには、更に重量攻めながら、食事も注意して筋肥大を目指すか、テクニックや神経系を更に磨く必要がありそうです。