一日の消費エネルギー量の計算:運動の効果の確認してみませんか! 運動による消費エネルギー量増加の計算方法と計算フォーマット

増量するときや減量するときは、行ったトレーニングの効果を知りたくなります。体重をコントロールするときに感じるのは、日常生活の活動レベルが、意外と体重の増減に大きく影響することです。

体重をコントロールするためには、まずトレーニングや日常生活の活動でどれ位のエネルギー消費があるのか知ることが大切です。今回は運動強度の単位であるメッツを使って計算してみます。

一日の消費カロリー計算フォーマット

下記フォーマットに、幾つかの数字を入力すると、基礎代謝量と各々の活動での消費エネルギーが計算され、一日の消費カロリーの合計が自動で計算されます。

睡眠時間の消費エネルギーは基礎代謝で代替しています。

※「フォーマットの使用例」で使用方法を詳しく記載しています。

 

計算フォーマットの使用例

ここでは、計算フォーマットに具体的に入力して計算してみます。

基礎代謝量計算

最初に、基礎代謝量を計算するために、性別、年齢、体重の情報をデータを入力すると計算結果が算出されます。

男性、40歳、体重75㎏の人の基礎代謝量は ⇒ 1672.5kcal

一日の活動の確認

次に、一日の活動の時間(入力は分で)とそのMETs値を入力します。入力できる活動は8項目です。

睡眠:8時間 睡眠時間の消費エネルギーを基礎代謝量でOKならば入力は不要です。
活動① 座っての作業:8時間、METs値 1.5 ⇒ 消費カロリー 1022kcal
活動② 立ち作業:4時間、METs値 2.5 ⇒ 852kcal
活動③ 歩行:1時間、METs値 3.3 ⇒ 281kcal
活動④ 早い歩行:30分、METs値 3.8 ⇒ 162kcal
活動⑤ 筋トレ:90分、METs値 6.0 ⇒ 767kcal
※入力しない活動は、計算されません(活動時間が0のため)

一日の消費カロリーは、下の◆◆◆のところに表示されます。 この場合は、3711kcalです。

筋トレが90分で767kcalの効果を出しているのが分かります。

METs値は厚生労働省などで出しています。フォーマットの事例にも付けていますが、この記事にMETs値一覧もつけておきます。

消費エネルギー量の計算方法

体重の減量や増量は、消費エネルギーと摂取エネルギーのバランスで決まります。

この計算方法の精度をあげるためには、実際に消費エネルギーと摂取エネルギーを書き出して体重の増減と比べながら個々の活動や食事のエネルギー量の精度をあげていき、全体として精度をあげることになります。

この記事では、まず一日の消費エネルギー量の計算方法を確認します。

消費エネルギー量 = 基礎代謝量 + 活動で消費された増加分のエネルギー量

増加分と記載したのは、今回計算に使用するメッツ(METs)には基礎代謝量分も含まれているので、一度その活動で消費されたエネルギー量から基礎代謝量を差し引く必要があるからです。

基礎代謝量の計算

厚生労働省のe-ヘルスネットにようると基礎代謝量は、心身ともに安静な状態の時に生命維持のために消費される必要最小限のエネルギー代謝量とあります。

基礎代謝量は

基礎代謝量 = 基礎代謝基準値 × 体重

という簡単な式で現わせます。基礎代謝基準値は、厚生労働省のe-ヘルスネットにある下記表にあります。

性別 男性     女性    
年齢 基礎代謝 参照体重 基礎代謝量 基礎代謝 参照体重 基礎代謝量
  基準値 (kg) (kcal/日) 基準値 (kg) (kcal/日)
  (kcal/kg/日)   (kcal/kg/日)  
1-2歳 61 11.5 700 59.7 11 660
3-5歳 54.8 16.5 900 52.2 16.1 840
6-7歳 44.3 22.2 980 41.9 21.9 920
8-9歳 40.8 28 1140 38.3 27.4 1050
10-11歳 37.4 35.6 1330 34.8 36.3 1260
12-14歳 31 49 1520 29.6 47.5 1410
15-17歳 27 59.7 1610 25.3 51.9 1310
18-29歳 24 63.2 1520 22.1 50 1110
30-49歳 22.3 68.5 1530 21.7 53.1 1150
50-69歳 21.5 65.3 1400 20.7 53 1100
70歳以上 21.5 60 1290 20.7 49.5 1020

40歳で体重が80㎏の人の基礎代謝量は

22.3 × 80㎏ ⇒ 1,784kcal/日 で計算されます。

運動・活動で消費されたエネルギー量

今回は、運動・活動で消費されたエネルギーを運動強度単位METs(メッツ)の考え方で計算します。

METsとは運動や身体活動の強度の単位です。安静時(横になったり座って楽にしている状態)を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度をきめます。

1METsは、生命を維持する必要最小限のエネルギー量である基礎代謝の1.1倍です。

1METs = 基礎代謝×1.1

活動や運動の強度でMETsの値が変わります。速歩はMETs 4、エアロビクスはMETs 6.5などです。

これを利用して、運動や活動でのエネルギー消費量の計算すると

活動の消費エネルギー量(kcal) = 基礎代謝量(kcal/日)×1.1÷0.9×METS÷1440(分/日)×活動時間(分)

※METsには、食事で体が活発化されることによって産み出される体熱(DIT:食事誘発性体熱産生)が考慮されていないものとされています。そのため結果を0.9で割ることで、DITによる消費エネルギー分を上乗せしています。

運動による、エネルギー消費量の増加量は、活動の消費エネルギー量から基礎代謝量を差し引いたものです。

活動による消費エネルギー量増加分(kcal) = 基礎代謝量×活動時間(分)/1440(分/日)(1.1/0.9×METs-1)

METs値

厚生労働省が2006年に策定した「健康づくりのための運動指針2006」(改訂版は身体活動基準2013)に記載されているMETs強度を下記に添付しておきます。より精度よく計算したい方は利用してください。

METs値 活動内容
3 自転車エルゴメーター:50ワット、とても軽い運動、ウェイトトレーニング(軽・中等度)、ボーリング、フリスビー、バレーボール
3.5 体操(家で。軽・中等度)、ゴルフ(カートを使って。待ち時間を除く。注2参照)
3.8 やや速歩(平地、やや早めに=94m/分)
4 速歩(平地、95~100m/分程度)、水中運動、水中で柔軟体操、卓球、太極拳、アクアビクス、水中体操
4.5 バドミントン、ゴルフ(クラブを自分で運ぶ。待ち時間を除く。)
4.8 バレエ、モダン、ツイスト、ジャズ、タップ
5 ソフトボールまたは野球、子どもの遊び(石けり、ドッジボール、遊技具、ビー玉遊びなど)、かなり速歩(平地、速く=107m/分)
5.5 自転車エルゴメーター:100ワット、軽い活動
6 ウェイトトレーニング(高強度、パワーリフティング、ボディビル)、美容体操、ジャズダンス、ジョギングと歩行の組み合わせ(ジョギングは10分以下)、バスケットボール、スイミング、ゆっくりしたストローク
6.5 エアロビクス
7 ジョギング、サッカー、テニス、水泳:背泳、スケート、スキー
7.5 山を登る:約1~2kgの荷物を背負って
8 サイクリング(約20km/時)、ランニング:134m/分、水泳:クロール、ゆっくり(約45m/分)、軽度~中強度
10 ランニング:161m/分、柔道、柔術、空手、キックボクシング、テコンドー、ラグビー、水泳:平泳ぎ
11 水泳:バタフライ、水泳:クロール、速い(約70m/分)、活発な活動
15 ランニング:階段を上がる

 

METs値 活動内容
3 普通歩行(平地、67m/分、幼い子ども・犬を連れて、買い物など)、釣り(2.5(舟で座って)~6.0(渓流フィッシング))、屋内の掃除、家財道具の片付け、大工仕事、梱包、ギター:ロック(立位)、車の荷物の積み下ろし、階段を降りる、子どもの世話(立位)
3.3 歩行(平地、81m/分、通勤時など)、カーペット掃き、フロア掃き
3.5 モップ、掃除機、箱詰め作業、軽い荷物運び、電気関係の仕事:配管工事
3.8 やや速歩(平地、やや速めに=94m/分程度)、床磨き、風呂掃除
4 速歩(平地、95~100m/分程度)、自転車に乗る:16km/時未満、レジャー、通勤、娯楽、子どもと遊ぶ・動物の世話(徒歩/走る、中強度)、高齢者や障害者の介護、屋根の雪下ろし、ドラム、車椅子を押す、子どもと遊ぶ(歩く/走る、中強度)
4.5 苗木の植栽、庭の草むしり、耕作、農作業:家畜に餌を与える
5 子どもと遊ぶ・動物の世話(歩く/走る。活発に)、かなり速歩(平地、速く=107m/分)
5 ソフトボールまたは野球、子どもの遊び(石けり、ドッジボール、遊技具、ビー玉遊びいなど)、かなり速歩(平地、速く=107m/分)
5.5 芝刈り(電動芝刈り機を使って、歩きながら)
6 家具、家事道具の移動・運搬、スコップで雪かきをする
8 運搬(重い負荷)、農作業:干し草をまおtめる、納屋の掃除、鶏の世話、活発な活動、階段を上がる
9 荷物を運ぶ:上の階へ運ぶ
METs値 活動内容
1 静かに座って(あるいは寝転がって)テレビ・音楽鑑賞、リクライニング、車に乗る
1.2 静かに立つ
1.3 本屋新聞等を読む(座位)
1.5 座位での会話、電話、読書、食事、運転、軽いオフィスワーク、編み物・手芸、タイプ、動物の世話(座位、軽度)、入浴(座位)
1.8 立位での会話、電話、読書、手芸
2 料理や食材の準備(立位、座位)、洗濯物を洗う、しまう、荷造り(立位)、ギター:クラシックやフォーク(座位)、着替え、会話をしながら食事をする、または食事のみ(立位)、身の回り(歯磨き、手洗い、髭剃りなど)、シャワーを浴びる、タオルで拭く(立位)、ゆっくりした歩行(平地、散歩または家の中、非常に遅い=54m/分未満)
2.3 皿洗い(立位)、アイロンがけ、服・洗濯物の片付け、カジノ、ギャンブル、コピー(立位)、立ち仕事(店員、工場など)
2.5 ストレッチング*、ヨガ*、掃除:軽い(ごみ掃除、整頓、リネンの交換、ごみ捨て)、盛りつけ、テーブルセッティング、料理や食材の準備・片付け(歩行)、植物への水やり、子どもと遊ぶ(座位・軽い)、子ども・動物の世話、ピアノ、オルガン、農作業:収穫機の運転、干し草の刈り取り、灌漑の仕事、軽い活動、キャッチボール*(フットボール、野球)、スクーター、オートバイ、子どもを乗せたベビーカーを押すまたは子どもと歩く、ゆっくりした歩行(平地、遅い=54m/分)
2.8 子どもと遊ぶ(立位、軽度)、動物の世話(軽度)

 

まとめ

今回記事にのせた一日の消費カロリーの計算フォーマットは、とても便利なものです。

この表を使うと、どんな活動がカロリーを効率的に消費するかも簡単に分かります。ウォーキングやランニング、水泳などはカロリー消費には有効な運動です。

使用してみて不具合点やアドバイスを貰えると幸いです。

 

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