コロナウィルスの影響でジムに行けなくなって1ヶ月以上が経ちます。 ジムに長期間行けずに折角積み上げたパフォーマンスの低下を心配している人も多いと思います。
今までも仕事の関係などで長期間ジムに行けなかったことが何度かあります。 そこで、私のベンチプレスのデータをもとに、長期間ジムに行けないと、どれ位パフォーマンスが 落ちるのかを考えてみました。
またパフォーマンスを落とさないための方法についても考えてみました。
1-1、1ヶ月トレーニングができなかったとき
1-2、トレーニング頻度がおちた時
2、ベンチプレスのパフォーマンスを下げない方法
2-1、何故パフォーマンスが下がるのか
2-2、ベンチプレスをやらなくてもパフォーマンスをさげない方法
3、まとめ
1、トレーニング期間が空いた時のパフォーマンスの低下(過去のデータ)
トレーニング期間が空いた時の例として、「1ヶ月トレーニングができなかったとき」と「トレーニング頻度がおちたとき」について考えてみました。
1-1、1ヶ月トレーニングができなかったとき
ジム通いを始めた比較的初期は、ジムに行けなければ、トレーニングも行わないという感じでした出張や仕事が忙しくなると全くトレーニングを行わない状態になります。
a)休養期間 | b)休養前パフォーマンス | c)再開後1回目 パフォーマンス | d)再開後2回目 パフォーマンス | e)ダウン率% |
48日 | 96.9kg | 87.5kg | 90.6kg | 6.5% |
29日 | 102kg | 84kg | 87kg | 14.7% |
35日 | 106kg | 94kg | 98kg | 7.5% |
24日 | 103.5kg | 94kg | 99kg | 4.3% |
25日 | 121kg | 108kg | 118kg | 2.5% |
・パフォーマンスの評価は、RM表を用いてベンチプレス1 repに換算。ベンチプレスで85㎏を8 repできれば、1 repなら102㎏です。RM表はここを参照。
・ダウン率:休養明け1回目のトレーニングでは、体を慣らすために重い重量を使用してない場合が多いので、ダウン率は、休み明け2回目のパフォーマンス使用しました。
通常、週2回程度の頻度のベンチプレスのトレーニングで休養期間が30日前後空いたときのパフォーマンスのダウン状況を確認しました。
パフォーマンスの劣化は2.5~14.7%(1回だけ14.7%で他は10%以下)の範囲にありました。想像していたよりはパフォーマンスが落ちていません。データ取得したてきは、既にトレーニング経験が数年から十数年あり、長期のトレーニングの効果もあったとも考えられます。トレーニングを始めて数か月から1~2年であれば結果は少し違っていたかもしれせん。
1-2、トレーニング頻度がおちた時
2006年から2007年にかけては、1週間から1ヶ月の中国出張が重なり、日本での定期的なトレーニングができない状態でした。こんな状態のときのトレーニングとパフォーマンスの劣化の影響をみてみます。
初期 | 1ヶ月目 | 2ヶ月目 | 3ヶ月目 | 4ヶ月目 | 5ヶ月目 | 6ヶ月目 | 7ヶ月目 | |
パフォーマンス | 115㎏ | 110㎏ | 104㎏ | 109㎏ | 101㎏ | 110㎏ | 110㎏ | 108㎏ |
通常トレーニング回数 | 8回 | 2回 | 1回 | 2回 | 2回 | 1回 | 2回 | 3回 |
軽負荷でのトレーニング | 0回 | 0回 | 2回 | 2回 | 1回 | 4回 | 1回 | 2回 |
ダウン率 | 5% | 10% | 5% | 12% | 5% | 5% | 6% |
通常は、メインとサブトレーニングで週2回程度ベンチプレスのトレーニングをやっていました。通常トレーニングと書いてあるのは、メインセットと同等の負荷でのトレーニングです。軽負荷でのトレーニングはサブではなく、中国のホテルのジムにあった簡易的なベンチプレス台を使っての軽負荷(メインの70~80%)でのトレーニングです。
この年は、高頻度で中国出張が続き年間では年間では182日中国(半年)に居たことになります。その他にもホテルの部屋で腕立て伏せなどをやっていました。結果的には、一番トレーニングができない7ヶ月もあまり挙上重量のダウン率は最大でも12%でした。
2、ベンチプレスのパフォーマンスを下げない方法
記載した2種のデータから分かるのは、トレーニング期間が単純に1ヶ月空いた場合は、やはり10%程度のパフォーマスの落ちは覚悟しておいた方がよさそうです。2つ目のデータをみるとベンチプレスが長期間できなくても、うまくやれば? パフォーマンスの落を小さくすることはできそうです。
2-1、何故パフォーマンスが下がるのか
一般的には、筋肉は2週間運動をしないと大幅に落ちるというデータもあるようですが、逆に、筋トレをしている人が2~3週間運動をしなくても筋肉量が変わらないというデータもあるようです。
条件や人によるバラツキもあり一概には言えないようです。でもベンチプレスのパフォーマンスは2週間~4週間トレーニングをしないと
確実に落ちます。この時に何が行っているのでしょうか
ベンチプレスでパフォーマンスが下がる原因は2つあります。
原因1、筋力が落ちることです。これは筋肉を使用しないために筋肉量が減ってしますことです。
原因2、神経系の適応(筋と神経の連携)が衰えるためといわれています。
筋トレ愛好者の間では、2週間程度であれば筋力は衰えていないが、神経系の適応が衰えているというのが常識です。
ベンチプレスのパフォーマンスを維持、向上させるにはベンチプレスのトレーニングをするのがベストですが、他に方法はないのですかね・・
私が中国出張でトレーニング頻度が落ちたときの手法にヒントがありそうです。通常行っているベンチプレスのトレーニングの量は1/8~1/4になっているのですが、その代わりに中国での負荷の軽いベンチプレスやホテルでの腕立て伏せなどをやっていました。
2-2、ベンチプレスをやらなくてもパフォーマンスをさげない方法?
ベンチプレスの挙上重量を上げるにはベンチプレスを行うのがベストなトレーニングだと考えています。でもそれができないときは、ベンチプレスのパフォーマンスが落ちる原因をつぶせばよいのです。
筋肉量が減って筋力が落ちる
ベンチプレスで使う筋肉に対して、ベンチプレスを行ったと同じだけ負荷をかける。
これができれば、筋力(筋肉量)を落とさずに済みます。ここでポイントとなるのは、トレーニング後の筋肉のパンプアップです。パンプアップのメカニズムはここでは触れませんが、パンプアップのメカニズムからするとパンプアップが起きているということは、筋肉は普段の生活とは比べものにならない負荷がかかっている証拠です。
パンプアップの感じがいつものベンチプレスのトレーニングと同じように起きていれば、同等に近い負荷がかかっていることになります。
この方法にも弱点が二つあります。
一つ目は、本当にベンチプレスで使っている筋肉に効いているか? 大枠では近い筋肉に負荷を与えることができそうですが、細かく見ると難しそうですね・・ 鍛えたい筋肉が確実にパンプアップしているかを確認することがポイントです。
二つ目は、腕立て伏せなどの自重トレーニングを行うとパンプアップはするが数日でその負荷になれてしまい筋肉痛まで追い込むことは難しいことです。やり方を工夫していかないと有酸素運動になっていきます。
実際に腕立て伏せを、負荷を与えたい筋肉に効くフォームでインターバルを短くして(30秒以下)で少なくても3セットで組むとパンプアップし易いです。手幅や手をつく位置を変えて何種類かの腕立て伏せを行うと更にベターです。
ネット上におすすめの動画があります。私も利用させてもらっている腕立て伏せ動画はこちらです。肩のトレーニング動画はこちらです。
神経系の適応(筋と神経の連携)の衰え
ベンチプレスを初めてやった時や、長い期間があいたときなどにベンチプレスのバーがフラフラすることがあります。これが典型的な神経系の適応ができたない、もしくは衰えて現象です。
神経系の適応の衰えを食い止める方が難しいかもしれません。ベンチプレスの神経系を発達させるにはベンチプレスをやるのが一番なのです。私の経験的な対処方は、動作をしながらのイメージトレーニングをすることです。
ベンチプレスにハマっている人が良くやる立ったままバーを上げる動作です。もっと良いのはベンチ台のような台に寝て、バーに見立てものを握ってベンチプレスの挙上の真似(イメージトレーニング)を繰り返し行うことです。
同様な考え方の記事があるので紹介します。
本当は頻度や重量が落ちてもバーを握るのがよいのですが・・
3、まとめ
筋トレを長期間やらないと、どうなるかをベンチプレスのトレーニングで確認してみました。人や条件によるバラツキはあると思いますが、参考にしてもらえればと思います。
・1ヶ月間ベンチプレスのトレーニングを行わないとパフォーマンスが10%程度おちると考えた方がよい。
・ベンチプレスのトレーニング頻度が落ちても、補助種目を行うことでパフォーマス低下をある程度抑えることができる。
・パフォーマンスが落ちる原因は、筋力(筋肉量)の減少と神経系の適応の衰えです。
・筋力低下は、ベンチプレスで使う筋肉を代替トレーニングでパンプアップさせることで極力維持させる。
・神経系の適応の衰えに対しては、動作をしながらのイメージトレーニングで極力衰えを防ぐ。