ベンチプレス ウィルクス・フォーミュラを使って記録を比較してみた

ベンチプレスは、体重によって記録が大きく異なります。今回は、誰が一番強いかを決めるために考えられた補正係数のウィルクス・フォーミュラを使って、自分の記録伸び方や、日本記録を使って、体重別、年齢別の記録の比較してみました。

フォーミュラー値を知ると新しい目標を設定することができます。

コンテンツ
・ウィルクス・フォーミュラとは  
・私のフォーミュラー値の伸び
・全日本の体重別記録とフォーミュラ値
・全日本74㎏の年齢別記録とフォーミュラ値
・まとめ

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ウィルクス・フォーミュラとは

ロバートウィルクスによって開発されたウィルクス係数またはウィルクス式は、パワーリフターの強さを、体重が違う他のパワーリフターと比較する方法です。ウィルクスフォーミュラは、インターナショナルパワーリフティングフェデレーションとパワーリフティングオーストラリアで使用されています。

日本では、日本パワーリフティング協会のHPをみると、「3種目の合計重量が同じ場合は、体重が軽い選手が勝利となる。(記録、体重が同じ場合は先に記録を出した選手が勝利となる)」とあり、この指標は採用されていないようです。

でも、私が東京大会に出た時に、結果一覧にはフォーミュラー値が記載されていました。優秀選手を選ぶときに使用していると聞いたこともあります。

具体的な計算は、挙上重量にウィルクス・フォーミュラ係数を乗じてフォーミュラー値を計算します。

フォーミュラー値 = ウィルクス・フォーミュラー係数 × 挙上重量

フォーミュラー係数の計算は、

xは、リフターの体重(キログラム)です。aからfは定数で男女で別の数値が使用されています。また調べてみるとこの定数は統計的な手法をもちいて決めています。数年に一度見直しが入っているようです。

運用上は、IPFのホームページ上に、体重(少数点1桁)ごとのウィルクス・フォーミューラ係数が載っており、その値と挙上値を掛け合わせて計算します。こちら参照。

このテーブルから、体重別の係数を読取り、挙上重量に乗じて計算しているようです。ネット上に便利なサイトがあり、体重と挙上重量を入力すれば、フォーミュラー値を計算してくれます。最新のテーブルで計算したものと同じ値になるので、係数も更新されているようです。簡単にはおすすめのサイトです。

このフォーミュラー値を比較することで、体重の違う人の強さの比較ができることになります。

体重の差はこの式で補正できますが、ベンチプレスのフォームの差(腰の浮き、バーのボトムの位置、ボトムの位置での止め、・・)は、吸収されないので
本来なら大会などの公式記録を使って比較するのが正しいですね。

 

私のフォーミュラー値の伸び

私の場合は長期に渡り、ベンチプレスとつかず離れずでトレーニングしてきました。長期的視点でフォーミュラー値の変化を確認してみました。

体重は健康診断のときのものを使用、挙上重量は、その年のMAX値を使用しました。フォームもその年により、バラつきがあります。当初は腰や足の浮きなどは全く気にせずに行っていました。最近でもトレーニング時は止めを入れていません。正式に考えるなら、大会に3回出た記録のみが有効です。ここでは堅いことを言わずとりあえず、挙がった重量でフォームラー値を計算してみました。

  1996 1997 2001 2006 2011 2014 2018 2019 2020 2015東京大会
年齢 38 39 43 48 53 56 60 61 62 57
体重 67.5 68 69.5 74 74.1 72.4 74.8 75 75 7278
ベンチMAX値 78 93 109 118 124 125 125 116 120 115
フォーミュラー係数 0.771 0.766 0.753 0.719 0.718 0.730 0.713 0.712 0.712 0.727
フォーミュラー値 60.1 71.3 82.1 84.9 89.1 91.3 89.2 82.7 85.5 83.7

ォーミュラー値が大きく伸びたのは、最初の7~8年です。その後は、仕事の忙しさや体調に左右され上がったり、下がったりです。

この中では、2014年のフォーミューラ値が、91.3で一番高く強いことになります。体重が、72.4㎏でやや軽いのも効いていますね。2019年以降は、体調不調もあり、ややフォーミュラー値が下がってきているので、盛り返したいですね。

全日本の体重別記録とフォーミュラ値

次に日本の超一流、ノーギアの体重別に日本記録をもっている人達のフォーミュラー値をみてみます。記録はこのサイトのものを使用させてもらいました。

一般男子

選手名 東坂康司 鈴木佑輔 児玉大紀 福島勇輝 酒井康行 酒井康行 木下進人 石井孝敏 
体重(階級) 58.9 65.95 71.85 80.9 92.45 100.35 119.05 183.4
挙上値 168 190.5 220.5 216.0 220 226 227.5 236
フォーミュラー値 145.74 149.77 162.11 146.42 138.62 137.38 131.06 126.63

見てすぐわかるのは、レジェンドの児玉大紀さんが一人、フォーミュラー値160台の162.11です。挙上記録も2つ階級が上の記録とほぼ同じです。

59㎏級の東阪さんと83㎏級の福島さんのフォーミュラー値はほぼ同じです。体重差は約20㎏ですが、挙上重量50㎏の差があります。この階級の関係では、この差で同じ強さになる感じです。

坂井さんは、105㎏から絞って93㎏に階級を変えています。フォーミュラ値での差をみると、1.24と上がっていますが、体重は9.14㎏減量してますが、挙上重量のダウン量は6㎏で押さえている感じです。

一般女子

選手名 小林ナオコ 古屋典子 福島未里 北村真由美 山﨑頼子 徳武恵美 野村紗矢香 
体重(階級) 43.8 51.42 56.35 63 64.7 73.65 102
挙上値 94 100 105 105 102.5 110.5 85
フォーミュラー値 132.7 125.78 123.02 112.77 107.9 106.31 70.37

ウィルクス・フォーミューラ係数を計算する定数は、男子と女子は異なる値を使用しているので、フォミュラー値を男女で直接比較はできないようです。

最軽量の小林さんのフォーミュラー値が一人130台の132.7で強いことが分かります。

男女ともですが、少し気になるのは、体重が増えるほどフォーミュラー値が下がってくるような感じがあります。特に女子は、その傾向が強いようです。もしかすると日本人には、当てはまらない係数が設定されているのかもしれません。

 

全日本74㎏の年齢別記録とフォーミュラ値

最後に、私の階級である74㎏級で、年齢とフォーミュラー値の関係をみてみました。一般男子には、別格の児玉さんがいるのでマスターズで表を作成しました。

マスターズ 40歳代 50歳代 60歳代 70歳代
選手名 古川公一 古川公一 渡辺 進  小島広之
体重(階級) 72.85 71.85 72.9 72.4
挙上値 185 165 147 132.5
フォーミュラー値 134.64 121.3 106.88 96.81

やはり、年齢とともにフォーミュラー値は下がっていきます。特に50歳代から60歳代のおちが大きいようにみえます。

 

まとめ

フォーミュラー係数は海外で作られていますので、日本人にどれ位フィットしているのかは不明です。日本人の骨格からすると日本人用の係数が必要かもしれません。

私の場合は、現在までは、仕事の忙しさや体調の方にフォーミュラー値が依存しているようです。まだそれほど落ちれきていないので、今から少し上げていけたらと考えています。

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